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秋田_20240802

47都道府県に行ってきて、それぞれとても魅力があった。
まずは秋田県。

なぐごはいねがー、の掛け声で有名ななまはげ。
テレビで子どもがギャン泣きしている映像は見たことがあると思う。
実際に見ると、今までのイメージが変わった。

とても迫力があり、またコミカルな面白さがあった。

男鹿市にはなまはげ館という施設がある。
ここにはまず、100体ぐらいのなまはげが展示してある。
地域によって表情が異なる。
まずそれも面白い。

でかいので、迫力もある。

そして何より、なまはげを実演してくれる場所が併設されている。
民家のようなところだ。

上演の時間になると、家主が現れて、秋田の言葉でなまはげを紹介してくれる。
この話口がまず軽妙だ。

しばらくすると、ものすごく大きな足音を鳴らしながら、部屋の周りをなまはげが現れる。
床だけではない。
壁や襖も容赦なくドンドンと叩きつける。
また、おーおーと大声を上げている。

恐ろしく迫力がありながらも、どこか包み込まれるような雰囲気だ。

なまはげは山から降りてきて、その家の一年の反省会をするのだ。
そうやって人の暮らしを調整してきたのだろう。
もちろん現代的な価値観で言えば、家父長的な部分もあるので、受け入れにくい部分もあるだろう。

だけど、文化は文化。

その家の一人一人について、噂を確かめていく。
おめえんとこの子は勉強してねえらしいな、とか、奥さんは遊んでばっかりで家のことをしていないらしいな、とか。
事実であれば、お仕置きがあるのだろう。

そこを家主が巧妙に肩透かしを食らわせていく。
まずは酒だ。

秋田は米どころで、日本酒が有名だ。
それをなまはげに振る舞っていく。
なまはげも酒が好きだからどんどん飲む。

家主は聞かれたことをとぼけたり泣きついたりしながら、なんとかやり過ごしていく。

人間ってそういうもんだろう。
完璧な人もいない。
だからと言って全部がだめになるんじゃなくて、なんとかなんとかやっていくのだ。
これはいけないな、とか、もう少しこうしようとか、そういう気持ちも忘れてはいけないのだ。

ひとしきり暴れて、美味しいお酒でご機嫌になったなまはげは、脅しながら家を出ていく。
そして残った人々は、なまはげが落としていって藁を拾って、お守りにする。

なんともほっとする一コマだ。
わざわざ見にいく価値がある。

温泉、美しい自然、美味しい食べ物を楽しみながら、秋田の人々の暮らしを支えてきた文化を楽しんでほしい。
アクセスとしては、秋田駅から車で1時間弱だ。

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