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不定期投稿です。 たまにストーリ性が重厚なやつがあります。 テーマはわりと自由です。
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#過去詩

【詩】+【エッセイ】=紫陽花

あじさい 赤い欠片が散る 青い欠片が散る 紫の欠片が散る 青い欠片が散る 散った後に何が残るのか? ──雲の隙間から覗く太陽 あっちに行っては 色を吸い、 こっちに寄っては 土をくぐって。 雨に魅入られた魔性の女。 虹ほどに、自由ではないけれど。 移ろい変わっていく。 人の想いなどお構いなしに ただ そこへ一つの花を添えるだけ 「紫陽花」という女性像 上記は、学生時代の詩です。時期的に考えて、当時の私はまさに、紫陽花を眺めながら書いたのでしょう。今、記事に打ち直して

【詩】かたおもい

幽霊が乗っかってきて重かった 黒い服に吸収され消えてしまった 君とちょうど同じ重さで でも幽霊だから触れることはなく つんと空の青さを睨んだ

【詩】空き地 / 夜明け

空き地 私の秘密の部屋は 誰にも知られてはいけないのです ただ 空き地に似ているのです 子供たちが隠れん坊をするのに きっと適しています 雪が降れば いつでも 新鮮な雪球を作ることができます そこに立ち続ける 美しい境地 座らない 出られない 諦めの意地? 大地も空もないその場所は ひっそりと涼しく薄暗い そこに花火など放てば 獰猛にバランスが崩れるでしょう その空き地はどんな夢を見るのでしょう きっと 焦げて咲きたがるのでしょう その稀な夢は 血のような深紅色で