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不定期投稿です。 たまにストーリ性が重厚なやつがあります。 テーマはわりと自由です。
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2024年2月の記事一覧

【詩】猫になりたいニャ~

 カフェでコーヒーを飲んでいた人は  苦味と悩みに顔を顰めながら窓を見る  すると向こうに 野良猫がトコトコ 「あぁ 猫になれたらいいのになぁ」  野良猫はお腹を空かせて路地裏へ  ゴミを漁るカラスを見つけてジト目  跳びかかる寸前に 飛び去られた 「あぁ カラスになれたらいいのになぁ」  カラスは飛びながら自分のアホーと鳴く  お目当てのキラキラを手に入れられず  カラフルに光るおもちゃで遊ぶ子を眺める 「あぁ 人間になれたらいいのになぁ」  なりたい自分になる欲望は

【詩】宵闇・酔いどれ道中

 なんでだか 月夜の獣道  いつの世にも酔っぱらいの思考回路  本能で織田信長のように突き進みます  道標はあなた いや違ったあなた  矢継ぎ早に指差しながら束の間の哲学散歩  軽くスキップしながら鼻歌を歌うよ  ザクザクと茂みを掻き分けたり  ぺたぺたと石橋を踏みしめてみたり  あれ そういえば靴は何処に行った?  痛いよ 苦しいよって口から言葉が吐瀉する  なんだか腕も熱く 胃袋も高速回転している  何かを嫌だと 赤子のように訴えている  それでも歩む足は縋っても止

【詩】ハナウタバコ

 憧れの先生は隠れスモーカー  休憩時間はいつもの窓際 こっそりと  パープル・スモークをくゆらせている  彼の様になっている気怠さに手招きされ  私はついつい飛んで火にいるお邪魔虫さん  五月蠅と呼ばれないよう こっそりと  私たちの間を通る言葉はない  お互いを近づけるほどの引力もない  ただ つかず離れずの煙がモヤモヤする  苦い香りが大人っぽい気分にさせるだけで  幸せに酔いしれる私は甘ったれた子ども  そんな現実から逃避したくて つい鼻歌  煙草に合わせて