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ひさごの陰だより(書評集)

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この書評は “Tanka makes your life better” Takara Mamiiの提供でお送りします。
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#現代短歌

吉田隼人『忘却のための試論』評:凡そ鳥類は客死すべけむ

底本:吉田隼人『忘却のための試論』(書肆侃侃房、二〇一五、初版) はじめの歌集が話題にな…

髙良真実
2年前
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睦月都『Dance with the invisibles』評:女と女、人の子と仔猫

初出:『現代短歌』2024年7月号(No.103)=2024年5月印刷  歌集にはいくつもの読み方がある…

髙良真実
3週間前
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早崎夏衛『白彩』評:文明論の憂鬱

モダニズム歌集評第6回 底本:早崎夏衛『白彩』(短歌精神詩房、一九三六) 早崎夏衛は竹柏…

髙良真実
1年前
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石川信雄『シネマ』評:天使とロンド・ロンド・ロンド

モダニズム歌集評第5回 底本:石川信雄『シネマ』(茜書房、一九三六) 書影は『現代短歌全集…

髙良真実
1年前
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松本良三『飛行毛氈』評:街の怪異

モダニズム歌集評第4回 底本:松本良三『飛行毛氈』(石川信雄発行、一九三五) 松本良三は…

髙良真実
1年前
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齋藤史『魚歌』評:コラージュ

モダニズム歌集評第3回 底本:齋藤史『魚歌』(ぐろりあ・そさえて、一九四〇) 齋藤史(さ…

髙良真実
1年前
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津軽てる『秋・現実』評:ロボットの乳房

モダニズム歌集評第2回 底本:津軽てる『秋・現実』(表現社、一九三二) 津軽てる(または津軽照子)は、モダニズム短歌の系譜をひく児山敬一主宰の『短歌表現』に所属していた歌人です。もとは前川佐美雄や児山敬一と同じく竹柏会『心の花』に所属していました。児山は1930年当時、新芸術派歌人倶楽部に属し、佐美雄らと歩みをともにしていましたが、のちに自由律へ転身し、『短歌表現』のメンバーもそれに従います。『秋・現実』は自由律転身後の、津軽にとっては二冊目の歌集です。一冊目の歌集『野の道

北山あさひ『崖にて』:侍、そして杉元佐一。

沖縄にはHacksaw Ridge(弓のこ尾根)という崖がある。またの名を浦添・前田高地、太平洋戦争…

髙良真実
1年前
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谷川由里子『サワーマッシュ』評:風の霊

『サワーマッシュ』は間違いなく風属性の歌集だ。歌集の色が爽やかなミントグリーンだからとか…

髙良真実
1年前
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