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勝負脳を作る為に②

※勝負脳の作り方(2002年/林 成之 著書)より

※前回の続き

脳外科医は、手術の際どんな方向からでも患者の頭のどの位置に目的とする部位があるのか、どの角度から見ても把握しておく必要があり、イメージ記憶を使って空間認知能力を鍛える必要がある。

著者はまず脳全体の形や構造を記憶し、手を動かす脳細胞、続いて足を動かすところ、言葉を話すところ、聞き取る脳のヒダなどをイメージし、目をつぶっても頭の中で思い出せるようになったら、実際の患者の脳を見てパターンも覚える。
更に自分の頭の角度や目線を変えても(手術中はどんな体勢を強いられるか分からないからだと思う)違う視点から見た患者の脳のそれぞれの部位の場所をイメージできるようにしている。

要するに地図を逆にしても読めるくらいでないといけない。


■ 著者が普段実行しているトレーニングは以下の通り

・何気ない危険性も見逃さず避ける
湯呑の先にある雑誌など取る場合、服の袖にひっかける可能性のないところまで湯呑を移動させてとるなど

・緊張しない集中力をつける
 緊張時に心の安定を保つ方法として、呼吸法を使って副交感神経の機能を高めている。
両手を胸の前で突き出すようにして握りこぶしを作り、大きく息を吸って、ゆっくりとできるだけ時間をかけて息を吐きながら腹筋を固く締め、同時に握りこぶしを左右にねじる。
これは、両肩甲骨の間にあるバランス姿勢を保つ筋肉のストレッチ運動になると同時に、心臓の脈拍に関係する自律神経を鍛える方法にもなる。

・素早い決断と実行
脳の手術において迷っている時間はリスクを孕む。普段の何気ない選択から決断する意識を持つ。

・目線と姿勢を一定に保つ
目線は、見えている内容のみならず、距離感や空間認知能力をもたらし、平衡感覚機能を発揮して安定した姿勢を作るために非常に大切。
歩行時も目線をどこに置くか一つで、バランスのいい歩き方にもなれば、悪い歩き方にもなる。


■ 著者が意識している姿勢の作り方

両肩(点A、点B)と両目の間(点C)を結んでできる三角形ABCをイメージする。
→辺ABを軸にして、Cを体の前の方に回転移動させる
→机など作業をする台の高さにCが来たら止めて固定し、C´とする
→作業をするときはつねにそのC´の位置で手を動かす。

この目線の置き方で、もっとも正確な手術ができる。
本を読んだり、字を書くときも同様。字を書くときは、正確な腕の動きと空間認知能力を鍛えるために、止めるところ、つなげるところを正確に書く。注意して見ると一流のスポーツ選手も打つ時には視線が一定している。

歩く時の姿勢
→いつでも真上に飛び上がれる姿勢を意識する。


本日はここまで。


◎今日の呟き
実はこの本は13年前、自衛官の頃に読んだことのある本だ。
向上心から何気なくタイトルにひかれて購入した本だが書かれてる内容が興味深かったことだけは覚えていた為、今回再度kindleで購入した。
何があっても緊張しにくくなる方法として、腕を前に突き出してこぶしをひねる運動を当時日課として取り入れようと思ったが習慣化できなかった。
この運動にて空気を大きく吸い込むと肺が膨らみ猫背ではいられなくなり、自然と背筋が伸び、一番空気の吸い込める姿勢をつかめる。
姿勢の悪かった当時は息を大きく吸い込み、止めると、心臓がドクドクと脈打つのが聞こえてきた。
そのあとゆっくり息を吐いている最中、あたまがクラクラして倒れてしまったのを覚えている。(この時、意識も一瞬飛んでた)
普段姿勢が悪く呼吸が浅い人がやると当時の私のように倒れてしまうかもしれない。
もし試される方がいるのなら、少しでもキツそうに感じたなら座った状態で試すのをお勧めする。

あと2点目として、普段の生活習慣から気を付けていることが見て取れる。
これは「習慣化」にあたる。
高名な医者に限らず何かの一流を目指すのであれば、見習うべき部分…
いや、何のスキルも持ちえない凡人こそ重視すべきだと思う。
私も習慣化を取り入れて周りの人間から良い意味で「変わったね」とよく言われるようになった。
何気ないデスクワークをするにしても、どんな姿勢で取り組むのか。
緊張しにくくなる方法なども載せたが、
普段から正しい姿勢すら意識できていない者が、緊急事態に対応できるはずがない。
ましてや著者は脳外科医。考え方を手本にして、まず損することはないだろう。
最大限に脳機能を有効活用する為には普段何気なくとっている姿勢が軸になってくることは間違いない。


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