190803_パスタ

今宵の一大イベント

大暑、猛暑、酷暑。
どれも甚だしく暑いことを意味する言葉のようだけど、最近の暑さは「酷暑」がしっくりくる。この暑さは酷い。

最近早寝早起きならぬ遅寝遅起き生活になってしまっていることがモヤモヤの一つなのだが、その原因は
「日中はうだるような暑さのため、日が陰ってくる時間からしか活動開始できない」
ではないかと気づいた事は収穫である。

そんな今日のわたしの一大イベントは晩ごはんづくりだった。
はい、晩ごはんづくりは、買い食いや外食が続いていたわたしにとって「一大」イベントなのでした。

いまは喫茶店で働いているのだが、夜同じシフトにはいるおにーさん(という言葉から連想される爽やかさは持ち合わせていない30代男性)が毎週まかないにパスタを作ってくれるのである。

「日曜大工ならぬ日曜パスタ屋」と仰るのだが、これが美味しい。

最初はひょんなきっかけでカルボナーラを食べさせてもらった。
カルボナーラってとても好きなメニューなのに、
「おいしっ!!」
てなるかどうか一種賭けのようなところがあるからなかなかチャレンジできない。が、日曜パスタ屋おにーさんのカルボナーラは口に入れてすぐ
「おいしっ!!」
が出てしまった。
それからほぼ毎週、カルボナーラに限らず色んなパスタをご馳走になっている。

そんな週一うまうまパスタ生活を送っているから、自分で作ろうなんて思わなくなってしまったのだが、頻繁に連絡をとっている相手から「今日はパスタを作る」というLINEが今週3~4回きたのだった。

すなわち、7日間のうち3~4日パスタなのである。食べすぎ。(味付けや具材はほぼ変わらない)
わたしはあっさり感化されてしまい、今日の晩ごはんはパスタにすることにした。

はて、どんなパスタを作ろうか。
数日前に安くなっていた鶏胸肉をまるごと茹で、一食分ずつ小分けにしているやつがあるから、そいつを使うことは決まった。それから傷みかけている茗荷もつかおう。

そんなことを考えながら、野菜がなんにもなかったのでスーパーへ。

店内をぐるぐるしながら更に詰める。
「味は何系にしようか…。トマトでもクリームでもないなあ。シンプルなやつ…。オイルか和えるだけ系…よし、バター醤油にしよう。」
ふと目があったオクラに自分の胃が反応したのですかさずカゴへ。

【広告の品】の札がついていたハーゲンダッツや、夕方で半額になったお刺身に手を出す前に、朝ごはん用のベーコンだけ追加して早々に店を出た。(はずなのに、ピーナツチョコだけ買っていた)

随分前に買ったスパゲティは棚の中でしばらくひっそりとしていた。
そいつをたっぷりのお湯と塩で茹でる。そうそう、日曜パスタ屋おにーさんを見習って茹で汁の塩加減のチェックも忘れなかった。
ちょっとしょっぱ目くらいがちょうどいいらしい。パスタ全体の塩加減っていうのは茹でるときの塩加減で決まるもの、だそうだ。

麺を茹でている間に鉄フライパンで、縦に切ったオクラを断面を下にしてオリーブオイルで焼く。良き頃にひっくり返し、同時に割いた鶏肉も投入して少し焼き目をつける。

あらかじめ室温に溶かしておいたバターの入ったボウルに、ちょうど良い固さ(今回は表示時間よりも20秒くらい多めに茹でた)に茹で上がった熱々の麺を投入。
湯気で眼鏡が曇るけど気にしてはいられない、和える。
おっと醤油を忘れてた、二周ほどぐるり。ああっと焼いたオクラと鶏肉も入れなきゃ、ぽいぽい。

味見。

バターの加減は丁度いいけど、醤油と、後何かが足らん…ぴりっと感…。嗚呼、と、ブラックペッパーをガリガリする。スパイスはちょっときつめがわたしはすき。

もう一度味見。
いける。

わたしが食べるだけなのだけど、いつもより丁寧にお皿に盛って、最後にきざみ茗荷を添えた。これで口が締まるのだ。
べべーん。オクラと鶏肉のバター醤油パスタ、茗荷添え。


はふはふ、チュルチュル。
われながら美味しい。月イチ日曜パスタ屋、くらいならできるんちゃうか。

非常に有意義な、今日の一大イベントであった。

この度は読んでくださって、ありがとうございます。 わたしの言葉がどこかにいるあなたへと届いていること、嬉しく思います。