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2023.09.23 根室本線

この土日は全道的に悪くない天気だった。せっかくなので友人と空知の旧産炭地を巡るドライブに出かけ、午後にはここ赤平の炭鉄港遺産を満喫していた。時計を見ると午後4時半。今なら赤平駅で1日2回しかないはずの離合が撮れる時間だ。ヨンマル同士の離合は珍しいが、このためにわざわざ赤平まで来ることはきっとない。撮っておいて損はないだろう。 夕焼けの光線が非常に良い。秋分の日の赤平である。白い塗装の北海道色は太陽光線の色をよく映してくれる。滝川に向かう人、富良野に向かう人、滝川から来た人、

2023.09.20 函館本線

なんか毎年言っている気がするが、休みと天気が噛み合わずカメラを握れぬ日々を過ごしていた。この9月は平日ではあるものの函館山線でキハ40の臨時回送が複数日設定されていて、機会があれば伺いたいと思っていた。この日は休みではないが、仕事は昼で終わり。天気予報を見ると「16時からは晴れる可能性」とちょっと不安気な様子。かといって他に行ける日も見当たらない……。ええい!いてまえ!ハンドルを握ってアクセルを踏み込み、中山峠を越えた。 最初の被写体は蘭越から倶知安に戻るキハ40。倶知安着

2023.08.01 札幌市電

M101が引退してからはや2年が経つ。札幌市電も低床車への置き換えが進み、また旧車もパンタグラフ更新がかかり、往年の姿を楽しめる車両も少なくなっていた。そのさなか、今年度で引退する243号の塗り替えクラファンが成立、この8月1日からあの塗装がまた札幌の街を走ることになった。初日であるこの日は団臨扱いでの運行。さっさと仕事を片付けて沿線まで走った。 得ていた情報では、外回りですすきの停留場に入り、内回りで環状線を一周することになっていた。光線的に午後の外回りは厳しいが、西15

2023.07.22 函館本線

夏真っ盛り。本州では38℃で災害級の暑さと言われているなか、北海道は30℃に届くか届かないか。この土日は晴れ&真夏日予想と、暑いのを除けば見事な撮影日和。夜明け前から後志方面へと車を走らせ、山線のキハ201系を狙いに行くことにした。 遥か9キロ先の蘭越駅をぶち抜く大俯瞰。視界を右にやると、ニュースでやっていたヒ素を含んだ地下水の噴出現場が目の前にある。画角に入れられたら面白かったが、なかなか厳しいので断念。 さて、ここの狙いは蘭越始発のニセコライナー。夏の抜けに苦しめられな

2023.07.09 函館本線

キハ183系の引退以降、北海道内で心躍る被写体はほとんど無くなってしまった。785系やら789系なども追いかければきっと楽しいのだろうが、重い腰が上がらない。しかしながら夏の晴れた休日にどこにも行かないのもまた癪に障る。こんなときこそ距離も近くて景色もいい函館山線。すべてがちょうどいいキハ201系を地味に撮りためておくことにした。 朝3時起きで向かったのは塩谷丸山。山頂から余市~塩谷あたりが抜けないか、ロケハンしておくのを第一目的に、1時間45分で登頂を果たした。結論から言

2023.04.01〜02 キハ183系サロベツ

先週の函館方面の臨時列車に引き続き、キハ183系はこの土日、稚内まで往復する臨時特急サロベツとして仕立てられることになった。編成は新特急色を組み込み、6連に増結された大盤振る舞い。1日目の天気は正直よくなかったが行かないのももったいない。奇跡に賭けて道央道を北へと向かった。 深川市の国見峠展望台に三脚を据える。天気は最悪。曇るどころか雨まで降り、立ち位置に運よく東屋がなければ撮らないレベルだった。特急ライラックで位置を調整し、何も期待せず主役の登場を待つ。少しだけ抜けは良く

2023.03.25 室蘭本線

先週、石北線での定期運用を終えたキハ183系。この週からラストランイベントが始まった。初週のこの日、もちろん札幌発函館行きを追いかけようとしていたが、悪天候によりひとまずバラシの決断を下すことに。しかし前日の予報を確かめると案外悪くなさそう……。急遽特急すずらんで東室蘭へ向かい、レンタカーを借り出すことにした。 とはいえ、天気は思ったほど良くない。せっかく室蘭に来たので記録がてら5月に引退予定のキハ143系を狙ってみることに。ロケハンも兼ねて輪西の高台から工場バックに狙って

2023.03.17~18 さよなら、北の183

2023年3月17日、キハ183系の定期運行最終日。この日をもって石北特急としての運行は最後となる。もううんざりするほど撮ってきた特急だが、最終日はやはり特別。最終日らしさって何だ?写真の力点はどこにある?考えが尽きることはない。最後の1日は金曜日だが、何の迷いもなく有休申請。敬虔に石北沿線で過ごすことにした。 送り込みのキハ283系……どこですれ違う? 最終日らしさとして、翌日から石北の顔となるキハ283系を網走まで送り込む回送列車の撮影を企てた。スジを読んだ結果、悩み

2023.03.05 石北本線

キハ183系の定期運用終了まであと2週間。そろそろ悔いはないと思える程度には通い詰めている石北線だが、どうしても見ておきたい景色が残っていた。北見峠を見守る冬の名峰、チトカニウシ山からの大俯瞰である。この冬モノにしたい一枚を得るべく虎視眈々と天候をチェックしていたが、なかなか雲リスクなく晴れる日は訪れない。行かず仕舞いも覚悟していたが、奇跡は起きた。この冬一番の晴れ予報が日曜日に付いた。このチャンスを捨てるのは愚の骨頂。予定は土下座でこじ開けた。いざ、チトカニウシへ。 午前

2023.02.04〜05 石北本線②

気がつけば石北線を追って7回目の冬。厳冬期のツアーも慣れたものである。今回の目的は留辺蘂で朝日を浴びる爆煙を撮ること。気温は前日の方が低かったが、空を見るに太陽の条件はきょうの方が良さそう。肌を突き刺す寒さを気合いで押し返し、-17℃の世界に繰り出した。 待って、勝った。極まった。目論見通り、発車の4分前に太陽が山の向こうから顔を出した。雪原の表情が一気に変わる。光刺す線路を進んできたオホーツク2号。アイドリングの煙ですら逆光に輝いていた。唸るエンジン、吹き出す爆煙。思い描

2023.02.04〜05 石北本線①

ことの発端は1年前。冷え切った朝にだけ見られる気動車の爆煙を撮るべく留辺蘂駅に行ったことだった。期待通りの爆煙を吹いて発車したオホーツク2号。良し、よく撮れた……と片付けを始めたその瞬間、山の向こうから朝日が顔を出したのである。朝日バックで撮らねば死ぬに死ねない。去年の同日より5日遅い、つまり発車時に太陽が出てくるであろうこの土日を虎視眈々と狙っていたのである。 この日の北見は-24.4℃。留辺蘂も-19.7℃と相当な冷え込み。天気こそ読めないが、少なくとも友人と徹夜2交代

2023.01.07〜08 石北本線②

前日の撮れ高が相当良く、足全体が筋肉痛なことも心地良いような気持ちで朝を迎えた。氷点下17℃まで冷え込んだ白滝は、抜けるような青空に包まれていた。また最高の撮れ高が期待できてしまう。足は極めて痛いが、そんなことは撮らない理由にはならない。向かうのだ。山に。 夏は車で行ける林道だが、今はスノーシューでザクザクと登るしかない。狙いは高速俯瞰。今シーズン3回目となるが、冬は段違いの到達難易度になる。まあ頑張れば行けるんだけど。まずは新特急色が入るオホーツク2号をケツ撃ち。その後は

2023.01.07〜08 石北本線①

2023年が始まってしまった。この年一番の出来事は誰がなんと言おうとキハ183系がラストイヤーなことである。随分前からカウントダウンをしていたつもりだが、いざあと2ヶ月あまりだと思うと意味もない焦燥感に襲われる。年末は大雪で石北自体がダウンした反面、これでようやく沿線全域が雪化粧をしてくれた。あとは天気を信じて通うのみ。行かねば撮れぬのだ。 新千歳で友人をピックアップしてから徹夜で車を走らせ、白滝ICに着いたのは午前3時。仮眠を取り向かったのは白滝のテレビ送信所俯瞰。紅葉シ

2022.10.20 石北本線

何度でも言うがこの年はキハ183系オホーツクのラストイヤー。紅葉に染まる石北を走る姿が見られるのはこれが最後である。前の週は京成を撮りに行ってしまったが、間違いなく今が紅葉のベストシーズン。次の土日はどうも晴れそうもなく、単休だったこの日にレンタカーを借り、午前3時に札幌を出発して一路白滝を目指すことにした。 どうも抜けるような青空とはなってくれなかった。雲の動きは非常に早く、吹く風も強い。時変スジとなっている臨貨とヨンマル単行、そして71D,72Dをどう撮るか組み合わせて