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2023.02.04〜05 石北本線②

気がつけば石北線を追って7回目の冬。厳冬期のツアーも慣れたものである。今回の目的は留辺蘂で朝日を浴びる爆煙を撮ること。気温は前日の方が低かったが、空を見るに太陽の条件はきょうの方が良さそう。肌を突き刺す寒さを気合いで押し返し、-17℃の世界に繰り出した。 待って、勝った。極まった。目論見通り、発車の4分前に太陽が山の向こうから顔を出した。雪原の表情が一気に変わる。光刺す線路を進んできたオホーツク2号。アイドリングの煙ですら逆光に輝いていた。唸るエンジン、吹き出す爆煙。思い描

2023.02.04〜05 石北本線①

ことの発端は1年前。冷え切った朝にだけ見られる気動車の爆煙を撮るべく留辺蘂駅に行ったことだった。期待通りの爆煙を吹いて発車したオホーツク2号。良し、よく撮れた……と片付けを始めたその瞬間、山の向こうから朝日が顔を出したのである。朝日バックで撮らねば死ぬに死ねない。去年の同日より5日遅い、つまり発車時に太陽が出てくるであろうこの土日を虎視眈々と狙っていたのである。 この日の北見は-24.4℃。留辺蘂も-19.7℃と相当な冷え込み。天気こそ読めないが、少なくとも友人と徹夜2交代

2023.01.07〜08 石北本線②

前日の撮れ高が相当良く、足全体が筋肉痛なことも心地良いような気持ちで朝を迎えた。氷点下17℃まで冷え込んだ白滝は、抜けるような青空に包まれていた。また最高の撮れ高が期待できてしまう。足は極めて痛いが、そんなことは撮らない理由にはならない。向かうのだ。山に。 夏は車で行ける林道だが、今はスノーシューでザクザクと登るしかない。狙いは高速俯瞰。今シーズン3回目となるが、冬は段違いの到達難易度になる。まあ頑張れば行けるんだけど。まずは新特急色が入るオホーツク2号をケツ撃ち。その後は

2023.01.07〜08 石北本線①

2023年が始まってしまった。この年一番の出来事は誰がなんと言おうとキハ183系がラストイヤーなことである。随分前からカウントダウンをしていたつもりだが、いざあと2ヶ月あまりだと思うと意味もない焦燥感に襲われる。年末は大雪で石北自体がダウンした反面、これでようやく沿線全域が雪化粧をしてくれた。あとは天気を信じて通うのみ。行かねば撮れぬのだ。 新千歳で友人をピックアップしてから徹夜で車を走らせ、白滝ICに着いたのは午前3時。仮眠を取り向かったのは白滝のテレビ送信所俯瞰。紅葉シ

2022.10.20 石北本線

何度でも言うがこの年はキハ183系オホーツクのラストイヤー。紅葉に染まる石北を走る姿が見られるのはこれが最後である。前の週は京成を撮りに行ってしまったが、間違いなく今が紅葉のベストシーズン。次の土日はどうも晴れそうもなく、単休だったこの日にレンタカーを借り、午前3時に札幌を出発して一路白滝を目指すことにした。 どうも抜けるような青空とはなってくれなかった。雲の動きは非常に早く、吹く風も強い。時変スジとなっている臨貨とヨンマル単行、そして71D,72Dをどう撮るか組み合わせて

2022.10.09 石北本線

黒岳が冠雪したとの便りを聞き、長い冬の訪れを感じ始める10月。例年であれば石北線の紅葉もいい具合になってくる時期である。昨年も行っているがなにより今年はキハ183系ラストイヤー。いつにも増して通う必要がある。紅葉の具合を確かめる意味も込め、初電のライラックに乗り込み旭川を目指した。 一発目は高速俯瞰でオホーツク1号を狙う。実はオホーツク2号に新特急色2両が充当されたとあってぜひとも撮りたかったのだが、スケジュール上断念せざるを得なかった。残念だが仕方がない。肝心の紅葉の色づ

2022.09.10〜11 石北本線②

前日のダブル新特急色フィーバーこそ終わってしまったが、この日も大雪1,2号とオホーツク4号に新特急色キロが充当される。天気も晴天予報と聞いてこのまま残留することにした。旭川で夜を明かした午前5時。案外寒い朝の空気が頬を刺した。 まずは運行が始まっていた石北臨貨を狙うことにした。昨年紅葉と絡めて撮った白滝の俯瞰。相変わらず切り位置は難しいが、緑の姿も抑えておく。まあ結果はご覧の通り。きょうも天気が良くて撮影日和である。 久しぶりの定番・白滝発祥の地。貨物の撮影で賑わっていた

2022.09.10〜11 石北本線①

9月7日夕方、オホーツク3号に新特急色が2両充当されたことが判明した。2両が同じ編成に揃うのは登場当初以来およそ4か月ぶり。信頼できる情報筋から「新特急色はもう永遠に揃わない」とまで言われていたことが発生したのだ。休みと重なる土曜日の天気予報は晴れ。この日のオホーツク2号を撮り逃すのは愚の骨頂。しっかりと花金を楽しみ、愚かにもへべれけで午前3時に帰宅。4時には友人に拉致していただき、道央道を北にひた走った(泥酔した私は助手席で死んでいた)。 石北線といいつつ、最初に向かった

2022.09.07 函館

所用で函館を訪れることになった。車を使わず公共交通機関を乗り継いでの移動となったため、どうしても合間で待ち時間が発生してしまう。ただ待っているだけでは時間がもったいない。撮れるものを撮ってみることにした。 函館に着き、まずは十字街に行ってみた。どつく前方面が狙いではあったものの、運用に恵まれず低床車のみのご登場。肩を落として駅に戻ろうとすると、ラッピングではあるが旧車の719が登場。一応撮ってはおいたが……という感じ。そのまま駅に戻ると北斗2号が到着していた。まもなく引退を

2022.09.04 ヨンマル団臨①

「留萌線でヨンマル団臨が走るぞ。しかもタラコとツートンだ!」と一報が入った。天気予報と突き合わせるとなかなか悪いものでもなさそうだ。聞いたスジだと名寄と留萌を往復するらしい。色が映える編成だし、留萌線ももうすぐ廃止になる。とりあえず行ってみるのも悪くないだろう。友人の車に相乗りし、道央道を北上することにした。 晴れ予報ではあったものの、上川盆地は霧の中。名寄への送り込みを狙うために登った「比布いいながめ台」は思いのほか同業者で賑わっていた。眼下には素晴らしい田園地帯が広がっ

2022.09.03 札幌駅

この土曜日は晴れ予報ではあったものの、現実は薄曇り。ただ普段と違う点といえば、オホーツク2号の遠軽方先頭車が新特急色であったことだ。晴れていれば近場に撮りに出るところだが、めんどくさいので札駅で茶を濁すことにした。 定刻の午前11時18分から少し遅れて特急がホームに滑り込んでくる。近くで見ると、塗装の鮮やかさも相まって普段のボロボロ塗装とはずいぶん印象が違い、「きれいだなぁ」というアホな感想が思い浮かぶ。とりあえず定番構図を複数抑え、最後は苗穂に向かって回送されるところを、

2022.08.25 函館本線

この夏はどうも晴れない。週に2日しかない休みとその天気がかち合うことなど絶望的にすら思えるほど。しかもコロナ禍でレンタカーの数も減っているのか、車の用意すらままならない。三方塞がりのまま迎えた休日、残されたのは近場でお茶を濁すことだけだった。 午前中はいい場所が思い浮かばず、午後からのスタート。地下鉄と徒歩で円山山頂まで向かった。天気はバリ晴れと思いきや案外西側に雲があってイヤーな感じ。狙うは函館線・千歳線の豊平川橋梁。6.5キロのロングシュートではあるが、テレビ塔を入れた

2022.07.30 函館本線

分かっていることでも、きちんとアナウンスされると身構えてしまうのが人間の性である。9月末でのキハ281系特急北斗引退と、3月改正でのキハ183系定期運用終了。道内特急はひとつの時代を終えようとしていた。となるとどうしても沿線が混み合う気がして行きたくなくなってしまう。 久々に休みと晴天がかち合ったこの日、向かったのは石北でも道南でもなく、あえての小樽方面。人混みを避ける意図ももちろんだが、実のところは車が手配できなかったための苦肉の策である。 札幌駅初電の然別行に乗り込み、

2022.05.16〜17 石北本線②

「大雪は運休かぁ〜……。」心からのボヤきは、思いがけない幸運をもたらした。回送のキハである。聞くところによると、5連と6連のキハ40がこの日石北を走るらしい。偶然来てそんなことある?と半信半疑になりながらも、せっかく現地にいて撮らない選択肢はない。新たな被写体の発見に心躍りながら、晴天のもと車を走らせた。 まずはオホーツク2号の時間なのだが、光線的になかなか撮る場所が思いつかない。昨年も撮った100kpではあるが、まだオホーツクの新幕は撮ってないな……と思うことにし、岩の上