疲れちゃったから学校に行かない自称猫人間チャーさん

7歳になるチャーさんは明らかに夜型だ。わたしと友蔵は朝型だけど、チャーさんは夜型。自分のことを猫人間と言っているだけあって、猫と習性が似ているのかもしれない。(わたしから見ても、本当に猫っぽい)
そういう違いって人によって当たり前にあるので、毎朝7時15分には家を出て登校する小学校生活はチャーさんにとって自身のリズムとずれているのかもしれない。
こども園に通っていた時は8時半に出発して9時に到着していたので、小学校に入って1時間以上早まったのは本人にとって大分大きい変化だと思う。

消灯はいつも9時半。だけどチャーさん自身は長い夜をもっとひっそりと一人で楽しみたいと思っている。消灯してシーンと静まり返ってからも、カサカサという音が、襖1枚隔てた隣の部屋で寝ているわたしの耳入ってくる。そしてそれを毎晩、わたしが止めさせに行く。何故かというと、明日の朝学校へ行くことを予定するとしたならば、朝起きれなくなるからだ。

昨晩も9時半前には寝付いたはずだし、たっぷり寝たはずだけど、朝になって「学校だよ、起きて。」と伝えたら、寝ぼけ眼で「今日は休む」というチャーさん。わたしが「どうして行かないの?どんな気持ち?」と聞いたら、「ちょっと疲れちゃった。眠いからzzz」と言って、気持ち良さそうな顔で、それこそ猫のように布団にくるまってしまった。
「そうなのね。」とヒトコト言うわたし。

チャーさんはというと、朝8時半頃にそっと起きて、本物の猫、ボーちゃんとツッちゃんと裸で30分程ゴロゴロしていた。その後縁側の机でタイピングをしているわたしの元へ、ヒョコっと顔を出しに来た。
とても穏やかでご機嫌そうなチャーさん。
「わたしは午前中一人で作業しているからそれまでは一人で過ごしてね」と告げる。「分かった!」と意気揚々に返事するチャーさん。
今置かれた事実を伝えて、あとは彼女の選択に委ねる。そんな感じで進められるそれぞれの1日と人生。

実は彼女が小学校に入る前、学校には絶対に行かないと自身で宣言していた。わたしはというと、チャーさんの選択を尊重しようと思っていたので、小学校入学前から、フリースクールを探して見学や体験入学に行ったり、自身でも子ども達が集まれる楽しい場づくりを企てたりしていたし、実は今も企ている。
何度か子どもたちを6人程集めてフリースクールみたいなことをしてみたけど、わたし自身が、フリースクールというものをやりたくないことが分かったので、今現在活動は一旦保留にしている。
また、チャーさん自身も、いざ小学校に行き始めたら楽しいと言って通っているので、それならば、ゆっくりわたしのペースで生きていこうと肩の荷が下りたところもあった。

学校が始まって約2カ月。今のところたまにお休みするチャーさん。わたしは彼女を安全に保護できる環境が揃っているならば、あとは彼女の選択に任せようと思っているので、何にも困っていない。
わたしは日々のルーチンに取り組むだけだ。午後15時ぐらいからは庭仕事をするつもり。きっとチャーさんもそれを一緒にやりたがるだろう。
ついでに晩御飯の支度も手伝いたいと言ってくるに違いない。

彼女を観察していて思ったのは、生活に関する実用的な営みに興味関心が深いみたいで、掃除、料理、庭仕事、採集など、わたしがやっている様子を見ると、積極的にやりたがることが分かった。それがより原始的であればある程、チャーさんは興味深そうにする。便利な道具はたくさんあるけれど、焚火をやって芋を焼いたり、山菜を採ってきたり、庭の木々を切って、その切った枝木を運んだり、炭火を焚いたり。そういうことをしていると、彼女は五感で感じ取った感覚を都度表現してくれる。その表現を見聞きして、共感し合うことが私は好きだ。なんせわたしもそういう五感の体験が好きだから。

今日の午後の外仕事ルーチンは、たわわに実った琵琶を採って、その辺に生えているフキを採集しよう。チャーさんも乗り気。
焚火もしたいな。
学校に行っても行かなくてもどっちでもいいし、選択した1日を淡々と味わって過ごす。
チャーさんは今隣で絵を描いている。
さてわたしも絵を描こう。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?