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#短編小説
怪談:「100台のメトロノーム」
カチ、カチ、カチ、カチ。
僕はぼうっとメトロノームを見つめている。
カチ、カチ、カチ、カチ。
右に左に休むことなく揺れる様を、時を忘れたように見つめている。時を刻み、時を無くして、ただそこに有り続ける。棒を跨る重りがまるで顔のように僕に訴えかけてくるような・・・。
「ほら何ぼうっとしてるの。」
無粋な罵声と共に現実へと引き戻された。ここはピアノ教室。
「早くやりなさい。」
僕は
カチ、カチ、カチ、カチ。
僕はぼうっとメトロノームを見つめている。
カチ、カチ、カチ、カチ。
右に左に休むことなく揺れる様を、時を忘れたように見つめている。時を刻み、時を無くして、ただそこに有り続ける。棒を跨る重りがまるで顔のように僕に訴えかけてくるような・・・。
「ほら何ぼうっとしてるの。」
無粋な罵声と共に現実へと引き戻された。ここはピアノ教室。
「早くやりなさい。」
僕は