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実質10分(理論値)で出来る低温調理チャーシュー

 目指すのは「雑に作って結構美味いチャーシュー」です。チャーシューなのか煮豚なのかは定義論争がありそうですが、塊の豚肉にタレが染みて柔らかく煮えており美味しく頂ける物体のレシピです。実質10分というのはレトリックであり、実態としては10分間の手間+数時間の放置です。また、素人がやる低温調理であり安全性には専門知識による保障が無いため、自力で安全な調理基準について調べて本工程に納得出来たらお試しください。

材料と道具

・豚肩ロース300g
・市販の「角煮のたれ」(希釈用のもの)
 →スーパーにあったやつを適当に、こういうのだった気がする
・サラダ油
・フライパン(多分鍋でも出来る)
・コンロ、IH調理機器等
・調理用温度計(先端が棒状で肉の内部温度を計測できるもの)
・水

 タレは自作を試みましたが売ってるやつで作った方が美味かったので諦めました。作れる人は作って下さい。

1.肉に焼きを入れる

 フライパンにサラダ油を引いて煙が出るくらいまで加熱、肉を置いて表面に焼き色を付ける。高温・短時間で中に火が通ってしまわないように片面30秒ずつくらいで良いんじゃないでしょうか。ご家庭の火力と肉のご機嫌を窺って上手いことやって下さい。

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 1枚が300gくらいです。中心には火を通さない。

2.ジップロックに肉とタレをぶちこむ

 ジップロックに、本来は希釈用のタレを薄めずに肉と一緒にぶちこみます。通常用途(鍋で煮る)では希釈されたタレは加熱と共に水分が飛び煮詰まりますが、ジップロック内では浸透圧により肉の水分がタレに移るのでどんどん薄まります。なので濃すぎるくらいでちょうどいい。タレは商品によって濃さが違うので、出来上がりの味が濃すぎたら諦めて下さい。次回は薄めましょう。料理は試行と修正です。

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3.フライパンに水を張って60~70度に調整、水に肉入りジップロックを沈める

 調理用温度計を使用し、ご使用の加熱機器において水の温度が60~70度程度にキープされる火力を確定してください。水量は多ければ多いほど温度が安定するので、適度に大きいフライパン・鍋等が望ましい。蓋でふさぐ、蓋をしない、蓋を半分開ける等による温度調整も有効です。また、蓋をすることで水位による温度差(直接加熱される底面は温度が高い)をより均質化する事が出来ます。これらによる理想状態を一度確定すれば次回はこの工程を短縮できます。
 良い温度になったら肉入りジップロックを沈める。肉の温度により水温が下がるので、一旦75度くらいに加熱してからジップロックを沈め、先に確定した火力に戻し、水温が60~70度で安定する様を見届けましょう。

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4.水温を保って4時間放置する

 上手く行けば多分この辺まで10分くらいで出来ます。初回は諸々の定量化の工程により多少時間を食うかと思いますが、次回に期待しましょう。衛生上60度以上で1時間とか2時間とか調理するとよいらしい(自己責任)ので、4時間くらいやると安全なんじゃないでしょうか。肉の内部温度60度以上・2時間以上調理は10回以上やっていますが今の所食中毒には至っていません。ただ運が良いだけという可能性もあります。また、長時間やればやるほどいいという噂があるのでやりたい人はやってください。
 ここで言う調理温度とは肉の内部(芯の部分)の温度を基準にするべきなので、初回では加熱30分後くらいに水温と肉の内部温度を測り、60度超であることを確認するとより安心出来る気がします。あとは4時間好きな事していてください。

5.完成

 本稿では4時間経過したら完成とします。出来上がりの柔らかいやつを食いたい場合はこの時点で食いましょう。タレを抜き、冷蔵庫である程度置いておいて身が締まったやつはチャーシューっぽさが増します。好きな硬さで好きな用途において食って下さい。以上です。

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 これは出来立ての柔らかいバージョン。うまい。

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 一晩冷蔵庫で寝かせた引き締まりバージョンをつけ麺の具に。うまい。

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