未婚のおじ、おばの世話をする人が増えている

というネットニュースの見出しが目に入りました。まさにわたしのことです。気にはなりましたが、あまり読みたくない気分だったのでクリックしませんでした。

老人ホームで暮らしている伯父は白内障らしく、まわりのものがあまり見えていない様子です。今度病院に行くことにはなったのですが、なにかと不便だろうとおもったので大きなルーペを買って持っていきました。
しばらく後に使い心地をたずねてみると「大きいだけで見えない!全然役に立たない!でくのぼう!」 との答えでした。( ゚д゚)ポカーン

でくのぼうという言葉を現実で耳にしたのは初めてかもしれません。宮沢賢治以来の衝撃です。あえて恩着せがましい表現をするなら、伯父にとってわたしは「半身不随の自分に関する手続きや付き添いなどをすべてやってくれる唯一の親族」です。その人間が親切心で選んできてくれたものに対する感想がでくのぼう

ルーペの名誉のために説明すると、大きなレンズで10倍の拡大ができ、あかるいLEDライトもつくというすばらしい商品で、わたし自身の分も購入しようとおもったほどです。
これを使っても見えないのは、伯父が長い間あれも見えないこれも見えないと文句を言うばかりで全く病院に行かず進行した眼病のせいなのです。道具を責められても困ります。かわいそうなルーペ…。

伯父は年齢とともに気難しくなったわけではなく、昔からこのような感じでした。釣りが趣味でたまに魚を送ってくれていたのですが「遠くの県まで何度も釣りに行ったからお金かかってるよ!一切れ一万円はするんじゃないかな」などと言います。そういう冗談で笑える人同士ならよいのでしょうが、わたしはしらけるばかりでした。

以前手土産を持って行った時などは「こんなに食べきれないから持って帰って」とそのまま突き返されました。近所の方におすそわけすれば?という提案も聞き入れられませんでした。さすがはあの母親の兄と言うべきでしょうか。相手への配慮など考えもせず、自分の気持ちを正直に表現できる人たちなのです。

…とまぁこんな感じで、会うたびになにかしらイラッとさせられながらもなんとかやっています。ささいなことで心を乱さないための修行でしょうか。今後もお手柔らかに頼みますよ老師…。終劇!(ジャーン)