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私が大切にしているコミュニケーションデザイン

こんにちは!今日は、私がお仕事をする上で大切にしている
コミュニケーションデザインについてお伝えします!

いいな、素敵だな、と思うデザインやプロダクトはその裏側にたくさんのプロセスがあります。その一端を担っているのがコミュニケーションデザインです。
コミュニケーションデザインの考え方は、デザインに関わる人だけではなく、あらゆるお仕事や暮らしに繋がっています。この記事を読んで、少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。


1. コミュニケーションデザインの基礎知識

1.1. コミュニケーションデザインとは何か

コミュニケーションデザインとは、情報を受け手に分かりやすく、かつ効果的に伝えるためのデザイン技術です。それは、単に見た目の美しさを追求するだけでなく、メッセージの内容や受け手の感情にも配慮します。この技術は、グラフィックデザイン、ウェブデザイン、広告デザインなど、多岐にわたる分野で採用されています。

また、コミュニケーションデザインは、受け手の行動や反応を引き出すことを目指します。それには、視覚的な要素だけでなく、言語の使い方や配置、インタラクティブな要素も含まれます。たとえば、ウェブサイトでのUI(ユーザーインターフェースデザイン)などもその一部です。

さらに、コミュニケーションデザインは、文化的背景や社会的コンテキストも考慮に入れます。同じメッセージでも、対象とする受け手によって伝わり方が異なるため、デザインの柔軟性が重要です。これによって、より多くの人に正確に伝えることが可能になります。

1.2. 効果的なコミュニケーションの原則

効果的なコミュニケーションを実現するためには、いくつかの原則があります。まず、明確さです。メッセージはシンプルで分かりやすくすることが大切です。複雑な情報は分かりやすく整理し、図解やイラストにしたり、直感的な分かりやすさが重要です。

次に、一貫性です。メッセージのスタイルやトーンが一貫していることが信頼感を高めます。一貫性がないと、受け手が混乱し、メッセージの信頼性が損なわれることがあります。また、受け手の全体的な体験を考慮することが重要です。

さらに、インタラクティブ性を持たせることも効果的です。特にデジタルインターフェイス(GUI)では、ユーザーが目標達成に不必要な要素を減らし取り除くプロセスが、デザインプロセスにおいて何より重要であると考えられています。そのため、直感な理解が深まりやすいように、ユーザーインタフェースやナビゲーションの工夫が求められます。

最後に、共感です。受け手の価値観や感情に寄り添うことで、メッセージが心に響きやすくなります。これらの原則を守ることで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。

2.デザイナーの役割と重要性

2.1. ヒアリングと情報設計

クライアント側で、制作の目的がはっきりと言語化されていない場合があります。その時に重要なのが「何を、誰にどうして発信するのかを明確にすること」です。デザイナー新人の頃は、ここがうまくできずに(私も経験済み)表層的なデザインになりがちです。そして、ヒアリングを元に適切な情報設計されたデザインはしっかりと見る人に伝えたいことが伝わります

2.2. ブランドアイデンティティとの連携

ブランドアイデンティティとの連携は、グラフィックデザインにおいて不可欠です。一貫したビジュアルスタイルは、ブランドの認知度を向上させ、信頼感を醸成します。ロゴやカラーパレット、フォントなどのブランド要素を統一することで、ブランドのメッセージが明確になります。さらに、ブランドの価値観や目標を視覚的に表現することが求められます。近年、益々重要視されるクライアントが増えてきており、昨年ブランドプランナーの資格を取得し、ブランドアイデンティティの理解を深めた上で、制作を考えるようになりました。

3. 成功事例:株式会社スカイピーク様 ドローンお役立ちハンドブック制作

3.1. プロジェクトの背景と目的

制作したのは2021年。ドローンという新しい産業を、多くの方に知ってもらうために展示会などで配布できる冊子を作りたいとのご依頼でした。社会がドローン技術を理解し、経済的、社会的、公共的な多くの分野での社会受容性を高めるためのクライアントの重要な取り組みの一つでした。

3.2. デザインプロセスとアプローチ

下記のプロセスで制作を進めて行きました。
1)ヒアリング・インタビュー
2)全体構成案の作成
3)デザイン制作

自分では慎重に進めているつもりだったのですが、60%ほど完成した状態で、クライアントからイメージと違うと言われてしまいました。
結果、一からやり直しになりました…。
当時は少しずつズレてしまったような感覚でしたが、実際は私の思い込みにより、表層的なデザインや冊子の雰囲気など、手段から入ってしまった事が原因でした。その結果、ヒアリングや事前の調査が疎かになっていました。

再度、1)ヒアリング・インタビューを実施し、目的を整理しました。
そして、以下を明確にしました。

何を誰にどうして発信するのか
① what(何を発信するのか、who、whyの定義)
② how(どうやって)

多くの方にドローン(空の産業)を、身近に感じてもらい、理解を深めるための冊子として下記の内容を整理しました。

  • 業界の人だけではなく、一般の方にも分かりやすく伝えるため、導入〜法律までを読みやすい構成に修正

  • イラストや図解をオリジナルで作成

  • 法律などの難しい内容を紙面に掲載できるボリュームに整理、調整

  • 企業のメッセージや取り組みが分かるページを追加

あまり前例がない業界なので、リサーチにも苦労したのを覚えています。おかげで、ドローンについて詳しくなりました。
専門的な部分については、クラアイントに知見をご提供いただきました。

お客様の声
会社のブランドイメージを大切に、丁寧に作り上げてくれたおかげで、お客様からも好評です。
打合せの際には、より良いものにしようと発注者目線で提案してくれる点が、特に有難かったです。メッセージ性のあるコンテンツで新しい仕事の機会にも繋がりました。

こうして、ハンドブックは無事に完成し、納品することができ、今現在も展示会やイベントなどで配布され、企業のコンテンツの一つとして、資産となりました。

3.3. 実際の成果と学び

また、プロジェクトを通じて得られた学びも多くあります。一つは、クライアントとの共創の大切さですデザイナーとクライアントと、一丸となって取り組むことで、大きな成果が得られるということです。デザイナーだけでは、決していいものは作れません。クライアント様の制作に対する強い思いと、最後まで真摯に向き合って下さった姿勢が、最終成果に大きな影響を与えてくれました

この案件は、当時まだ未熟だった私がヒアリングや情報設計の重要性に気が付き、ブランディングやコミュニケーションデザインに関心を持つきっかけとなった原体験となりました。

最後に

デザインに興味がある、やってみたいけど難しそうと思っている方も多いと思います。どんなデザイナーにも「はじまり」があります。転んで、転んで、傷だらけになる事もあります。私も最初の社内コンペはまさに公開処刑でした…。ネットやSNSの普及ですごい人の作品をたくさん見て、自信を失うこともあると思います。でも焦らずに、まずは自分ができることをやり続けてみましょう。そうすれば、必ず道は拓けてきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ではでは、また。


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