フィクション
君だけのフィルムの続編です。 タイムマシンができるまで、両親の出会い、そしてそれぞれの選択は。 ぜひ「君だけのフィルム」ご覧になった方は購入してみてください。
人間の始まりは生であり、終わりは死だ。 では人生であればどうだろうか? 死の前に人生の終わりが訪れる時もある。 これはある日記での一言。 「ハリネズミの日記」 と称して、日記をあげているのは 僕、五十嵐聡だ。
永瀬拓海。 現在はカウンセラーを行いながら、カフェを営んでいる。 ”過去に戻ることができる” そんな噂もあるカフェで。
佐藤善継。25歳。 座右の銘はその場しのぎ。 何事も為せば成るがあたしのモットーっす。 大学の時に株について勉強し、今では働かずに金を稼いでいる。 やりたいことなんてない。 強いて言えば、未来が覗きたい。
子供のころ夢を見ていた。 幼馴染と子供ながらに誓いをした。 誰が神父だったのかは覚えてない。 覚えているのは当たり一面に広がった白い花。 そして指輪の代わりとしてもらったお守り。 そのお守りを今も持っているということは、あれは夢ではなかったのだろう。 山口和彦 高校2年生。頭そこそこ運動神経そこそこ。 いわゆる器用貧乏。 新学期。出会いの季節なんていうけど、学校のやつなんて顔見知りだし。 むしろ、高校1年は絆が生まれるため2年になるのは寂しい。 新1年生にも人見知りしそう
時を戻すことが出来たら、運命を変えることが出来る。そう誰もが思うかもしれない。 でも時を戻したとしても決して変わらないものもある。 自分の性別を変えたい。なんなら他の動物に生まれ変わりたい。 生まれてくる環境を変えたい。 叶わない願いだとしても 人はそれを望んでしまう生き物なんだ。 永瀬翔。大学3年生。 将来はタイムマシンを作りたい。 大学の授業でこの話をされて何言ってんだこのオッサンと思ったが、今ではそのオッサンの研究室に入ることを決めている。 今年の春。兄貴が婚約者
昔、お父さんに言われた。 「長男でよく頑張ってるな。姉ちゃんでも居たら良かったな。」 姉ちゃんより兄ちゃんのがいいなんて答えたっけ。 もし姉ちゃんがいたら こんな俺を叱ってくれたかな。 アカリと2人きりなんて久しぶりな気がする。 恋人なのに変だよな。 普通にご飯食べて店を見てまわって。 普通にデートした。 夜の公園でブランコに座る。公園は2つに別れていて、半分は遊具半分は広場になっている。野球だって出来る。俺の練習してた公園。 「俺ね野球選手になりたかったんだ。そこで毎日
色は交わるものによって最終的な色が変わる。 絵の具だと黒に。光だと白に。 様々な思いや真実が交わるとき、 その色は何色なのだろうか。 「それでは皆さんお揃いっすね」 アカリと会ってた五十嵐に連絡をつけようと思ってた矢先、佐藤から連絡があった。 そしてLUCKYで俺、タツ、サチ、ヤマさん。五十嵐と佐藤が集まった。 「みなさんいろいろと思うこともあるでしょう。ですがまずあたしの推理を言わせてください。」 みんな静まりかえっている。聞きたいことはあっても話したいことは無いのだ。
どうもヤマタツです。ここで問題です。 ・過去から来たのかもしれない ・写真に写らない 以上のような条件を持っているかもしれない人を否定する材料はなんでしょう。 ズバリ『過去の写真』です。 過去の姿があれば、そもそもご両親との思い出があれば1つ目は否定でき。子供の写真を取らない親はいない(ヤマさん曰く)可愛すぎるから。なので会社の上司のフリをしてアカリさんの実家にお邪魔してます。 「これバレたら詐欺だと思われますよね。」 「アカリさんへのサプライズだから言わないでとは言ってある
五十嵐さんと佐藤に会った日の夜にタツをファミレスに呼び出して一通り話した。 「んで、お前はサチを疑ってんのかよ。大体その五十嵐ってやつが嘘ついてないっていうのもお前の感覚なんだったらわかんねーじゃん。」 「まあそうだけどさー」 「なら決まりだな。」 「何が?」 ラッキーセブン探偵団再結成だ!! という訳で、とりあえずサチには疑ってしまっていることは話さなかった。探偵団としての目標はアカリが過去から来たか探ること。五十嵐の身辺調査ということになった。 「まさかたっくんと一緒に
この世には「事実」と「真実」がある。 「事実」と「真実」の違い 事実は、本当にあった事柄、現実に存在する事柄。 真実は、嘘偽りのないこと、本当のことを意味する。 意味は似ているが、事実はひとつで、真実は複数あると言われるように、事実と真実は異なり、一致しないことの方が多いくらいである。 分かりやすいのが冤罪だ。事実では犯人ではないが、証拠や操作の結果その人に有罪の判決が下るとそれが真実となる。 そのたくさんある真実から事実を追い求めるのが探偵や司法だと言うのであれば、真実を追
人はいつ死ぬのだろうか。 人に忘れられた時、なんて言う人もいた。 死んだ後、魂はどこにいるのだろうか。 お星様になって見守っているかもしれない。 人が人たらしめるものは、生きている証拠は 何なのだろうか。 朝日が部屋に入る。オンタイマーにしたテレビがつき、アナウンサーが今日の天気を知らせる。今日は快晴、夜には星が綺麗に見えるそう だ。占いは1位。ラッキーアイテムは目薬、いつも持ってる。デートにはもってこいの日だが。 まだ寝ていたい。なんて悠長にしている暇はない。集合時間
はいチーズ! 写真を撮る時に大体の人がこれを使うと思う。 俺とアカリの間にこの会話はなかった。 詳しく言うと俺が撮ろうとすると断られた。 昔写真で嫌なことがあったみたいで、俺もそれを了承した。正直この可愛くて可愛くて可愛すぎる彼女を自慢したくてしょうがなかった。 まあこんな可愛い彼女を得られただけ幸せに違いない。よくまあこんな美人捕まえられたと自分でも褒めたくなるよ、フフフ。 「んで?今度は写真撮りたいだ?」 タツのあからさまに呆れた顔の前で俺はニコニコとしていた。 回想い
「こちらコードネームマウント。目標がA地点を通過。」 若い女性の後ろをつけるアラフォー自由人。見る人が違えば若さに嫉妬するBB…いや人生経験豊富な女性に見えるかもしれない。 「こちらコードネームドラゴン。目標がB地点を通過。なんかこーゆーの昔やったよな(笑)」 楽しそうでなによりだ。こちとら女好きのお前を合わせると「初めて生で見たけど嫌いだな。いーな。」って手を出しかねないと不安でギャルと揉めたんだぞ。 「コードネームギャル。そっちはまだか?」 ドラゴンが続く。 「こちらコー
見る専。InstagramやTwitterなどの投稿系SNSにおいて投稿数が少なく人の投稿を見るだけの人をこういう。そして俺は例に漏れず見る専だ。見る専は自分のことを投稿しないのでリアルで会っていない友達からは俺のことは分からない。今何をしていてどんな生活をしているのか。 永瀬拓海。21歳、大学生。俺は今とてつもなく幸せだ。なんでたってとっても可愛い彼女がいるのだから。 街中の商店街の端の方。LUCKYという喫茶店に入る。中にはアンラッキーの塊かのような店主とやる気のなさそ