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自主大会出場ミュウVMAXの備忘録

 ポケモンカードの公認自主大会、第7回ばすらお杯に出場してきました。
 第6回ばすらお杯ではパルキア裏工作デッキ(クロススイッチャー2枚型)を使って2勝2敗、第50回ハセサムデイではTordパルキア改(悪)デッキを使って2勝2敗と、これまで勝率5割の壁を越えられずにいましたが、今回の個人的な目標は恥ずかしながら「1勝」という消極的な姿勢で臨むことになりました。
 というのも、慣れ親しんだパルキアからいったん離れて、今回は別のデッキを持っていくことを己に課したからです。
 当日のマッチングは以下の通り。

第7回ばすらお杯 戦績

使用:ミュウVMAX

1.キュレムVMAX(ハセサムさん)先攻3-6負け
2.ディアルガVSTAR 後攻6-0勝ち
3.キュレムVMAX(ユウキさん)先攻6-4勝ち
4.ロストヌケニンメタモン(龍にゃんさん)先攻3-6負け

 とにかく試合中は頭がパンクしそうなほどテンパっていたので、サイドはうろ覚えです。
 2勝2敗で16名中9位。順位的には下位でしたが、目標を達成できたどころか負け越さなかったので上々でした。

デッキ選択の経緯

 先月末のハセサムデイで使ったパルキアも使いこなせているとは言いがたく、まだまだ練度を高めたいので、途中まで採用候補ではありました。

 ハセサムデイでソルルナに痛い敗戦を食らって以来、苦手な非Vデッキが環境にだいぶ増えてきたように見受けられました。レジギガスきままにおよぐジュゴンヤミラミウッウなどのデッキタイプとも当たる可能性がある。そのため非V対面を重く見て、新弾カードを入れて調整していました。

採用候補(1)Tordパルキア改(悪)の改(悪)

 いまやパルキアにも入るようになったセイボリーに加えて、雪道をロストシティに変えました。また、負け筋になりかねないネオラントVを外し、代わりにブロックフェイスのコオリッポを入れました。ネオラントVが抜けたことで後手1バトルVIPパスの可能性がガクッと減ってしまった(初手7枚で68.96%→42.68%)のが苦しいところ。なんだかんだネオラントVは最後の押し込みでボスの指令を持ってくるのにも役立ってくれる良いカードなので、今後なんとか枠を捻出して入れてあげたい。クイックシューターを抜いて裏工作のインテレオンを2枚にしたのは、サーチ能力の高さに加えて、非Vを倒しやすいアクアバレットの打点を高く評価したからです。ふしぎなアメを採用していない以上、序盤は線が細いかもしれませんがなんとか凌いで、中終盤から息切れさせずに潤沢にバンバン使い倒して押しきるのをプランとしています。

 今回は新弾発売直後ということもあり、まずは環境を読むのに苦労しました。
 ひとまず4回戦でパルキアVSTARに1回、キュレムVMAXに1回は当たるだろうと考えていて、その次に警戒していたのが、やはりルナトーンソルロックでした。
 自分でも組んで自分のパルキアとぶつけてみたものの、とにかくルナソルは強い。なかなかパルキア側が勝てない。ルナソルに勝てる公算が立たないのであれば、いっそ不本意ながらルナソルを握ろうかとも思ったくらいです。

採用候補(2)ルナトーンソルロック

 これは四天王レシピにクララを1枚加えた形です。コオリッポケアであなぬけのヒモ、ポケストップの被害救済のためにともだちてちょうを入れたいところ。最近はコオリッポ対策に非Vのモルペコ(いちゃもん)を入れるデッキもあるようで、メタとはなんと奥深いものか。


 パルキアとルナソル、そして対戦経験がなく未知の領域であるハピナスミルタンクのメタとして、そらをとぶピカチュウVMAXも採用候補ではありました。


採用候補(3)そらをとぶピカチュウVMAX

 NAIC優勝デッキを参考にしつつ、あのデッキではミュウVMAX対策にクロバットVMAXを採用していましたが、悪エネを加えた2色デッキは自分にはまだ難しく、断念しました。代わりに雪道との相性のよさと終盤の捲り性能を高く評価して、カプ・コケコVMAXラインを1-1で追加していました。上記のリストではコケコVが逃げエネ1の妥協個体(30円ストレージに落ちていたやつ)になっていますが、もし本気で使うとなれば、逃げゼロのほうを買ったかもしれません。
 アルセウス系のデッキは、バトル場アルセウスでスタートできないと盤面づくりに入れ替え札を要求されるので苦手だったのですが、その点、そらをとぶピカチュウは逃げゼロなのが偉いですね。ノーコストですぐに入れ替わってトリニティノヴァを打ちやすい。
 こちらは新弾の情報公開前に組んだ構築なので、いまならコケコ→ドラピオンVに変えるだろうと思います。
 ただ、このデッキ、たね主体のルナソルやターボパルキアには滅法強いものの、アルセウスVSTARの200(ダブルターボなら180)、そらをとぶピカチュウVMAXの160(同140)という中打点ビートなので、シンプルに火力が足りない。パルキアの弱点を突けるのは強いものの、基本縦引きなのでチェレンの気くばりを確定で持ってくる手段がスターバースしかなく、相手のプランを狂わせながらダメージレースで逆転していくのはなかなかの運頼みだと感じました。
 おまけにそらをとぶピカチュウVのHPが190と、かなり脆い。裏工作からのボスで呼ばれたら、こちらがベンチ1体に絞っていようと、パルキア側にベンチ5体フル展開されてベルトorシューター込みで落とされてしまう。VMAXになるとサイド3枚を取られてしまうこともかなり大きなネックでした。
 実際、自分のパルキアとぶつけてみてもパルキアのほうが勝率がよさそうだったので、早いうちに候補から外しました。上手い人が使えばメチャクチャ強いはずですが、自分にはまだプレイングの練度が足りなかった。

 せっかくなので新弾のカードを使う選択肢もありました。ロストアビスといえば、やはりまずは目玉カードであるギラティナVSTARデッキ。発表直後からプロキシを作って研究していました。

採用候補(4)ロストギラティナVSTAR

 本当はかがやくサーナイトを立てたかったんですが、ドローが回らず、かがやくゲッコウガで妥協しています。
 非Vのウッウを挟める点(エネなし110ダメージはズルすぎる)、たくさんドローできる点は強く感じましたが、いかんせんリソース管理が難しく、エネルギーのロストが重い点、盤面展開をしつつ同時にサポート(アクロマの実験)に触ることができないと後れを取ってしまう点、自分の腕前ではなかなか安定しない点から、ギラティナを使うとしても次回大会以降かと考え、断念しました。アルセウス軸もまだまだ研究不足です。

 ロスト軸では、ヌメルゴンVSTARデッキも早い段階から採用候補の一角でした。アルセウスヌメルゴンではトリニティノヴァで加速した場合、アイアンローリングで殴り始めるのが3ターン目以降となってしまいますが、ロスト軸ならば上手く行けば2ターン目から殴り始めることができます。ギラティナのようにワザを打つためにエネルギーをロストする必要もないので、非常にコスパがいい。スターバースに頼らないぶん、無理なくモイストスターで全回復できます。おまけにギラティナのロストインパクト280やヒスイゾロアークののろいをきざむ300を耐えるし、なにより苦手なソルルナの火力をかなり落として耐えきることができる。ギラティナよりもむしろヌメルゴンのほうを長い時間かけて検討していました。

採用候補(5)ロストヌメルゴンVSTAR

 面白いのは水エネルギー入りなのでミラージュゲートからかがやくゲッコウガのげっこうしゅりけんを即起動させられるところ。これが強い。水エネルギー入りのロストテーマとかがやくゲッコウガの相性は、かなりいいのではないかと感じました。
 さらにウッウの登場で、ヌメルゴンデッキの課題であったミルタンク対策も克服。
 ただ、ヒスイヌメルゴンVの逃げエネが3と重いことで、ヌメルゴンでスタートせざるをえないときに苦戦を強いられます。入れ替え札を多く入れ、一時期はとりつかいも採用していたものの、なかなか安定してくれない。メリッサの発表がかなり追い風になったものの、練習試合ではなかなか安定してくれず、大会に持ち込むには不安が残りました。

 そして最後の最後まで採用候補として残っていたのが、ロストディアルガVSTARデッキでした。

採用候補(6)ロストディアルガVSTAR

 海外の大型大会で優勝していた、ふしぎなしっぽミュウを活かしたいわゆるターボディアルガVSTARデッキをロスト軸に落とし込んだデッキです。こいつはいちばんの隠し球だったので、Twitter等でもほとんど話題に出していなかったと思います。
 ロストヌメルゴンと異なるのは、スタークロノスを打つ想定なのでディアルガの採用枚数をつりざお込みで2枚に絞ってもなんとかなる点、最悪ディアルガスタートになってしまった場合にも進化前のディアルガVが地味に逃げエネ2でふうせんで逃げられる点、なんならバトル場に立ったままでもメタルコーティングでエネ加速できる点。HPも申し分なく、パルキアみたいに自立しているって大事ですね。そしてミラージュゲートを使用するにはロスト7枚という比較的高めのハードルを突破する必要がありますが、メタルソーサーなら1ターン目からベンチのディアルガに加速できるので、スピードの速さに安定感がありました。いわばミラージュゲートは、ターボディアルガデッキにおける「5枚目以降のメタルソーサー」だと認識しています。そもそも鋼一色のデッキなので、2エネ加速するプランは初めからない。ミラージュゲートに、必ず2枚加速しなければいけないという法はありません(げっこうしゅりけんやアクアリターンをプランに組み込み、またスタークロノスの無色1個ぶんを満たすために水エネルギーを1〜2枚採用する選択肢もありえます。が、今回はメタルブラストの火力に全振りする道を選びました)。上記の私のデッキでは、メタルソーサーが実質7枚積みとなっています。本当はミラージュゲート4枚目の枠をなんとか捻出したい。
 本家のターボディアルガと比べると、ふしぎなしっぽではデッキトップ6枚を参照できるところ、キュワワーの特性はなえらびでは2枚しか見ることができず、手の伸びが遅いきらいはあります。はなえらび+アクロマの実験でようやく5枚。一方はなえらびには、グッズ以外にもディアルガVSTARやサポートといった現物を持ってこられる利点があります。
 ターボ構築ということで、負け筋になりうるネオラントとクロバットを惜しげもなくベンチに展開。ゲッコウガとネオラントがいるので、カイも自然に採用できました。カイでメタルソーサーやミラージュゲートを確定で持ってこられるのが強い。
 ロスト軸のドロー力を補うゲッコウガのかくしふだは、山札からエネルギーを加速するミラージュゲートとアンチシナジーがありました。そのためロスト軸デッキではつりざおが2本採用されるなどして、トラッシュから山札にエネルギーを戻す工程が必要でした。ところが、はなえらびやアクロマの実験でつりざおを泣く泣くロストしてしまった場合に、エネルギーを山に戻す手段が減ってしまう。その点ターボディアルガなら、最大4枚はメタルソーサーで場に引き上げることができるので、かくしふだとのシナジーが見込めます。倒されてしまったディアルガのラインを戻すためにつりざおを1枚、エネルギーを大量に消費するデッキなのでエネルギーリサイクルを1枚の配分で入れています。それでも少々不安なので、ディアルガラインを3-3に戻してハイパーボールを抜こうかと考えています。
 また、本家ターボディアルガとのいちばんの差別化ポイントは、後手1からでもウッウで殴れるところ。ミュウを差し出したり、ディアンシーで守ったりする必要がありません。攻撃権を無駄にしなくて済むわけです。これで、仮にディアルガVSTARの起動が3ターン目になったとしても事前に小突いてあるので、スタークロノス(110+220=330)でムゲンダイナVMAX(340)以外ならだいたい落とせる。ボス→スタークロノスをせずとも正面を殴ることができ、さらにスタークロノス→追加ターンでボスの選択肢が広がります。
 練習試合でも気持ちよく回ってくれたし、このデッキはまだまだ研究しがいがありそうです。今回は未完成だと思って採用を見送りましたが、いずれ大会に持ち込んでみたいデッキのひとつではあります。

 で、肝心のミュウVMAXデッキ
 パルキアと並んで二強の一角を占めるTier1デッキでしたが、PJCS2022の結果やロストアビスのカードリスト発表により、どうやら使用率・勝率を落としているようでした。ドラピオンVをはじめ、逆風がだいぶ強かった。正直、前回のばすらお杯の時点からミュウは組んであって採用候補ではあったので、遅きに失した感はありました。
 それでもパルキアの次に握るならやはりミュウだろうという思いは、前回大会のころからずっと抱いていました。自称ファンデッカー見習いとしては耳の痛い言葉ですが、ヤマグチヨシユキ選手のnote記事に書いてあった「Tier1から逃げるな」は至言だと思います。パルキアとミュウは、もはや現環境を知るうえで義務教育なのではないかと。そう遠くない未来にミュウVMAXがTier2に落ちる可能性があるにせよ、やはりこのデッキのスピードと破壊力は魅力的でした。
 そらをとぶピカチュウを研究した実感として、メタる側に回るのは簡単そうに見えて、じつは意外と難しいものです。そりゃそうです。環境はメタで回っていくものとはいえ、メタるだけで強いなら、みんなピカチュウを使うはず。それがそうならないのは、メタられる側がメタられてもなお強いからなのでしょう。
 とくに今回はドラピオンVというあからさまなメタカードが出てきたことで、生来の天邪鬼が顔を覗かせました。じゃあ実際どれだけドラピオンVと当たるのか? 環境的な立ち位置が苦しいというのは本当なのか? それを実感したくて、あえてメタられる側のミュウVMAXを選ぶことにしました。せっかくミュウVMAX対策にドラピオンVを入れたのにミュウVMAXの使用者がゼロだった……となってしまうのも、大会的には面白くないかもしれませんし。どうぞ貴重なデッキのひと枠を割いてでもドラピオンを入れてきてくださいと、ベンチに出そうものならボスで呼んで狩ってやりますよと、そういう意気込みでデッキを組むことにしました。
 また、ミュウVMAXが減ったことでミラーマッチとなる確率が下がるのも個人的には歓迎でした。フュージョンデッキを組んでからまだ2、3ヶ月くらいしか経っておらず、圧倒的に経験も練習量も足りないのは明白です。相手デッキとの相性がよければ多少下手でも押しきることができるかもしれませんが、ミラーマッチとなると、さすがに純粋な練度の差が露骨に出やすい。百戦錬磨のミュウには敵わないと踏んで、使用率の少ないいまだからこそ空き巣してやろうという狙いがありました。
 ミュウVMAXの減少によってれんげきウーラオスVMAXが環境に戻ってきつつあるようなのも好材料のひとつでした。超弱点のデッキはあまり見かけないので、弱点を突いてみたかった。結局一度も当たらなかったわけですが、これもまた環境読みの楽しさ、難しさだと思います。
 もうひとつ、本番の環境で縦引きデッキを練習してみたかったという理由もあります。これまで大会では裏工作の確定サーチにずっと頼りきりで、いわゆる縦引きで強い山札を作りつつドローの確率をコントロールしていくプレイングからは逃げてきました。来年には裏工作がレギュレーション落ちしているであろうことを考えると、いつかどこかで縦引きの練習は必要不可欠だった。練習中、フュージョンシステムで不確定の縦引きを繰り返しているとき、
「あ、カードゲームやってるな」
 と感じる瞬間が何度かありました。裏工作はいわばズルみたいなもので、あれはある意味で別のゲームなのかもしれません。本来のカードゲームは、不確定ドローの確率をいかにケアしてコントロールしていくかにかかっている。最後に勝敗を決めるのは運かもしれませんが、運を言い訳にできないプレイングの練習は、やはり必修科目ではないかと考えました。

デッキレシピ

 実際に当日使用したデッキはこちら。

ロスト入りミュウVMAXデッキ

 基本的にはごく一般的なテンプレートに沿って作成していますが、ところどころ異物のカードが入っています。主催者でありジャッジのらおさんに、
「ぬまくろさんのミュウVMAXデッキがなかなか見ない型で面白い」
 と言っていただけたのが、とても嬉しかったです。

 構築にあたっては、ヤマグチヨシユキ選手、>.(だいなり)選手、ポケ神チャンネルのとーま選手、ハセサムデイの主催者でありPJCS2022で199位のハセサム選手のnote記事、それから他でもない、ばすらお杯の主催者らおさんの構築も参考にさせていただきました。

 いろんな考えかたを自分なりに吸収し、アレンジしたデッキです。

 以下、採用カードと不採用カードについて書き留めておきます。

採用カード


ミュウV 4枚
 3枚とする構築もありますが、逃げエネゼロなので汎用性が高くスタートしたいポケモンであること、そしてベンチに3体目のミュウVを置いておいてサイコジャンプのコピー先を作りたいことから、最大4枚の採用としました。よくある理由ってやつですね。

ミュウVMAX 3枚
 
海外ではミュウVを4枚、VMAXを2枚とする構築もあるようですが、個人的に回してみるとアクセスしづらくサイド落ちがキツいこと、自らロストシティを入れているので返しのターンでVMAXを倒されて詰みかねないことから、3枚採用としました。

バケッチャ
 このデッキのキーカードのひとつです。非フュージョンの不純物だろうと、絶対に外すことは考えられなかった。
 このデッキはウッウロボを採用していない、いわゆる「水晶型ミュウ」です。霧の水晶を多投することでミュウVにもメロエッタにも基本超エネルギーにもアクセスしやすくし、序盤の展開力を底上げするのと同時に、終盤は雪道ツツジの打開策であるバケッチャへもアクセスできるように準備しておく。ウッウロボやシマボシのコイントスに頼らず、雪道に強い山を作っていくことでツツジのドロー2枚+トップ1枚での解決を模索するものです。
 バケッチャにアクセスできるカードはクイックボール、ハイパーボール、霧の水晶の計11枚。バケッチャ現物を含めて12枚。これにロストスイーパーなどのカードを組み合わせることで、雪道を割る確率を高めようとする意図があります。

霧の水晶 3枚
 前述したように多方面へのアクセスが可能なマルチファンクションカードで、叶うなら4枚入れたかった。ここはバトルVIPパスの枚数との兼ね合いで、泣く泣く3枚とした枠です。霧の水晶自体は後半あまり使わなくなりますが、コストとして切ってもよし、非公開領域たる山札参照のカードなので空撃ちしてもよしと、本当に優秀なカードです。水タイプもズルいけど、超タイプも相当ズルい。

バトルVIPパス 2枚
 最後の最後まで調整を続けたのがこの枠でした。いちばんこだわったポイントでもあります。
 このカードを強く使うならば、問答無用で4枚採用するしかない。それは重々承知しています。実際に4枚積んでたくさん回してみました。しかし、このデッキの難しいところは、ウッウロボを採用していないことで、2ターン目以降、バトルVIPパスをコストとして落とせるカードが少ないこと。手札を2枚減らせてしかも5割の確率で好きなカードを持ってこられるなんて、ウッウロボはミュウVMAXデッキにおいてズルすぎるわけですが、それでもなおコイントスに依存する不安定さと、VIPパス+ウッウロボで8枠も使ってしまうことへの非効率感を拭えずにいました。それだけ雪道打開への可能性が低くなってしまう。
 新たにロストスイーパーが出てくれたことで、VIPパスをコストにして捨てられるカードはクイックボール+ハイパーボール+ロストスイーパーの計9枚となりました。この9枚でどれだけVIPパスをトラッシュに送ることができるか。4枚ではさすがに手札にあぶれてしまって過剰に感じ、3枚でもかさばる場面が多いような印象でした。
 そもそも初手7枚でバトルVIPパスを1枚以上引く確率は、4枚積みなら約35%、3枚積みで約28%、2枚積みで約20%、1枚積みで約10%。1→2枚は単純に倍近く確率が上がりますが、2→4枚は倍加するとはいえず、この確率を高いと見るか低いと見るか。バトルVIPパスを引けていないということは他の初動札を引けている確率が高くなっているということで、そこからゲノセクトVを2体ないし3体並べてフュージョンシステムで全力ドローしていけば、当然バトルVIPパスに行きつく確率もグンと上がります。実戦を想定し、ちゃんとミュウVも並べながら一人回しを20回ほど試行してみると、2枚採用でも4〜5割近い確率でVIPパスに辿り着けるようでした。2枚採用ならボール系のコストで十分に落としきれて手札に持て余すこともなく、枠を無駄にせずに済みます。
 今後ウッウロボを採用するならばこの限りではありませんが、現状は2枚採用が自分のなかではベストな配分だと感じました。

ポケモンいれかえ・あなぬけのヒモ 各2枚
 手札を減らして戦うミュウVMAXデッキにおいて、リソースの管理は難しい課題でした。入れ替え札は3〜4枚積むのが定石で、クロスフュージョン・テクノバスターを連打するためにもっと積みたい気持ちもありますが、枠の都合で5枚以上はやはり過剰。4枚でさえ手札にあぶれることがあり、フュージョンシステムで引く枚数を増やすために逃げエネゼロのミュウを活かして空撃ちする場面もあります。
 が、あまりにボコボコ入れ替え札をトラッシュに落としていると、当然相手もそれを見ているわけですから、テクノバスターの連打が難しい/できないと見て前に突っ張られてしまう。入れ替え札に限らず、ミュウVMAXデッキにおけるリソースは全般的に「使いすぎてもいけないし、使わなすぎてもいけない」という微妙なラインの上に成り立っているように感じます。
 大型大会での上位プレイヤーの配信卓などを見ていると、貴重なリソースを迷う間もなくポイポイとトラッシュに送っていて、すごいなーと思うことがあります。彼らのプレイングはシマボシを前提とした強気のそれなのかもしれませんが、たとえばダブルターボエネルギーやパワータブレット、ミュウVMAXなどは、のちのち枯渇するのが怖くて、私にはなかなか切ることができません。
 入れ替え札も「コストとして切るとしてもなるべく1枚まで」を基本方針と考えていました。

ロストスイーパー 1枚
 おもに雪道を割るための新弾での強化ポイントです。これにより、ベンチが埋まっていてバケッチャを置けない場合にも、スタジアム現物3枚と合わせて4枚が解決札となりました。手札をロストに送って減らせるのも強力。シマボシを採用していないので、ロストもトラッシュもあまり差異はありません。
 ツールスクラッパーとして使えるのも便利です。相手のどうぐだけでなく、自分のどうぐを割るメリットも生じうる。じつは、ある選手のミュウVMAXデッキには4枚目のスタジアムとしてファッションモールが入っていたのですが、あれはおそらくツールジャマーを外してこだわりベルトを巻くためかと思われます。これにより、ジャマーで耐えてベルトで落とすプランを取れる。あわよくば、そのファッションモールの役割をロストスイーパーで代用できるのではないかと考えました。

ツールジャマー 1枚
 パワータブレットによって高打点を実現しうるミュウVMAXデッキにおいて、タブレットの節約を兼ねて最優先で使用すべきどうぐは、間違いなくこだわりベルトだと思います。
 しかし、現環境において3枚目のどうぐとしてツールジャマーは外せないと考えました。攻守に汎用性の高い1枚です。
 パルキア対面においては、こちらがほぼベンチフル展開で臨むことになるので、最大260打点が出るのが前提として、ベルト30+ダンデ30で320ダメージ。オドリドリ不在の場合は一発で落とされてしまいます。ツールジャマーがあれば、このうちベルトの効果を打ち消すことができ、290ダメージで生き残れます。オドリドリが健在ならば、クイックシューターを食らっても落ちない。
 ギラティナ対面においては、まずキュワワーのふうせんを止めることができます。これにより相手に回収ネットや入れ替え札といった要求を押しつけます。そして肝心のギラティナのワザ・ロストインパクト280は、ベルトを打ち消して耐えきる。さすがにスターレクイエムの強制気絶となるとビッグパラソルでしか咎められませんが、ビッグパラソルの汎用性は(現環境においては)相対的に低いと考え、ツールジャマーを採用しました。

ともだちてちょう 1枚
 これがあるから序盤にコストとして手札にあぶれがちなサポートを捨てることができる。ボスの指令が2枚採用となっているので、サイド落ちを含め山札にある枚数の管理が重要になってきます。基本的にともだちてちょうはボスの指令を2枚戻すために使い、対面のデッキに応じてボス+セイボリーやボス+マリィの組み合わせを選ぶこともありえます。

セイボリー 1枚
 現環境における最強サポートの1枚だと思われます。ベンチをフル展開して火力を出すパルキアをはじめ、ミュウミラーにおいてもゲノセクトやオドリドリのトラッシュを要求できる。裏工作系なら、ジメレオンまで落とせたら最高ですね。ルナソルなどの非V対面ではつりざおやキャリーですぐ復帰されてしまいますが、それでも貴重なリカバリー手段を1回使わせるという意味ではアドバンテージになりうる。
 縦引き3ドローはフュージョンシステムとのアンチシナジーだと思われるかもしれません。しかし、手札を減らせないときにクイックボールやハイパーボールを引ければ減らしたいカードを減らせるわけで、次のフュージョンシステムのドローにつながります。
 おまけに、雪道ツツジへの打開策にもなりうる。もともと雪道に強い山を作るのがコンセプトのデッキなので、逆転勝ちを図る相手の盤面を妨害しつつ、3ドローで解決札を引けるよう祈ることになります。これがたとえばトレッキングシューズでは2枚までしか参照できませんが、セイボリーなら1枚多く見られる。意外と侮れない3ドローです。
 ミュウVMAXのサポートといえばカミツレのきらめき3、ボスの指令3、シマボシ1がほぼテンプレートと化していて、それはたしかに強い組み合わせなのですが、一方でサポート権を持て余す場面も中盤に迎えてしまいがちな印象がありました。エネルギーの加速が間に合っていてボスの指令を使わずに正面を倒したいとなると、サポート権が無駄になりがち。そういうときに単純なドローソースを使っておけば無駄にならないし次の番につながると考えました。
 ただ、このカードは後述する崩れたスタジアムと同様、使いどころが難しいので注意しなければなりません。相手の負け筋を消す手助けとなってしまうかもしれないからです。最近はターボ構築の流行で、惜しげもなくクロバットやネオラントが場に並ぶようになりました。とくに倒し損ねたベンチのポケモンはクロスフュージョン-じょうねつのしずくで落としきる択を念頭に、セイボリーを打つべきでない場面もあるはずです。

マリィ 1枚
 同じく現環境における重要サポートの1枚です。
 そらをとぶピカチュウVMAXデッキを研究した実感として、とりわけ裏工作系のデッキには手札干渉がかなり刺さる。
 ところが、現在主流のミュウVMAXデッキからは手札干渉がほとんど飛んでこないので、裏工作を使う相手は平気でレベルボールを持ってきて、次のターンのメッソン進化に備えて手札に抱えていたりします(それ自分)。
 また、ターボやロスト軸のデッキでは山札を高速で掘っていくので、手札を豊富に抱えていたりもします。
 そこでマリィを飛ばすと相手の虚を衝くことができます。
 ついでに、その時点では欲しくないけど後で欲しくなるであろうリソースを山札下に戻せるという利点もあります。具体的にはロストスイーパーが増えたことで、マリィの需要が高まりました。ほかにもともだちてちょう、複数枚かさばってしまったスタジアムやエネルギーなどを戻せれば美しい。無駄に捨てずに済むわけです。

いにしえの墓地 1枚
 ミュウVMAXデッキでは定番のスタジアムですが、一時期は厚く2枚積んで調整していました。目的は単純にタブレットの節約にするためと、手札から複数枚エネルギー加速する新弾カードを咎めるため。具体的にはケイコウオのうみのばんそうや、キュレムVのきゅうげきれいとうを見ています。青天井系火力に一撃でミュウVMAXを吹っ飛ばされるのが最大の負け筋なので、スタジアムさえ張り替えられなければ、少なくともジュゴンには一撃で倒されずに済みます。キュレムにはやられますが。

崩れたスタジアム 1枚
 採用理由はセイボリーとほぼ同じですが、こちらは張り替えられるまで永続的に相手ベンチを1枠絞れるため、パルキアの最大火力がベンチ8体となって220。ベルト+ダンデでもオドリドリ不在ミュウVMAXに届かないラインになっています。まあ、裏工作系デッキであれば、どうせすぐに雪道に張り替えられちゃったりするんですが。とはいえパルキアデッキのスタジアムは平均的に2枚採用が多いので、ロストスイーパーも込みで、スタジアムレースでは勝てる見込みで組んでいます。
 また、負け筋を消すという意図もあります。現環境ではかがやくゲッコウガが猛威を振るっているので、ゲッコウガが見えた瞬間、なるべくなら非Vのポケモンを並べたくない。それでもマナフィを置くわけにはいかないので、ゲノセクトに90ダメージを乗せられて負け筋となってしまうおそれがあります。そんなときにダメージを負ったゲノセクトをトラッシュに送る選択肢を作りたかった。崩れたスタジアムを張って負け筋を消したあとにロストスイーパーで自らスタジアムを抹消して、新しく無傷のゲノセクトを並べることができたなら最高です。
 ただ、じつは今大会の最終戦でまさにそういう場面を作られたのですが、全力で引きにいったにもかかわらず崩れたスタジアムを引くことができず(詳しくは後述します)。ウッウロボないしピオニーを不採用としていることで、好きなときに持ってこられないのが負けにつながってしまいました。これが縦引きデッキの限界か。
 ウッウロボ……高いよウッウロボ……。

ロストシティ 1枚
 苦手な非Vデッキのキーとなるアタッカーをロストに送り、自分はサイコジャンプで山に戻ってバケッチャかオドリドリかメロエッタを差し出す。そういう意図で採用しました。とくに相性の悪いレジギガスを見ています。
 返しのターンでこちらのポケモンをロスト送りにさせられるリスクを孕んだ諸刃の剣ではありますが、そもそもふつうのつりざおもシマボシもネジキも採用していないデッキなので、ポケモンは倒されたらそれまで。復活することのない片道切符なので、とくに問題はありません。

基本超エネルギー 2枚
フュージョンエネルギー 4枚
ダブルターボエネルギー 3枚

 エネルギーに触ることができず、そのターンに手貼りできないことが、このゲームにおいては最もディスアドバンテージになると考えています。一部のエネ不要ポケモンを除き、基本的にはエネルギーなしにはワザを撃てず、ゲームが始まらないからです。
 いろんなレシピを参照したところ、フュージョンエネルギー4枚はまず間違いなく確定として、よくある配分は、

・フュージョン4、ダブルターボ3
・基本超2、フュージョン4、ダブルターボ2
・基本超3、フュージョン4、ダブルターボ1

 などがありました。計7〜8枚が主流となっているようです。
 霧の水晶で基本超エネルギーを確定サーチできるので、まずは基本超エネルギーを入れることが前提となります。フュージョンエネルギーを節約し、ダブルターボの軽減-20を敬遠し、加えてジュラルドンVMAXの特性まてんろうを突破するためにも、基本超エネルギーを外すことは考えられませんでした。
 ただ、上に挙げた例のほとんどは、ウッウロボを前提とした構築。さらに、シマボシによって特殊エネルギーを山札上に戻すことも加味されています。
 実際にウッウロボなし、シマボシなしで回してみると、上記のような配分では継続的な手貼りが追いつかなくなるケースがありました。
 そこで、当初は超エネ2、フュージョン4、ダブルターボ2で回していたところへダブルターボを1枚追加して、現在の配分になりました。計9枚。ダブルターボがあれば少なくとも1回の手貼りで1体のミュウが育つので、余裕ができます。また、仕方なしに切るコストとして1枚までは許容としてプランニングできます。
 エネルギーはデッキの癌とも形容されるくらいで、1ターンに原則1枚しか手貼りできないという制約上、手札にかさばるとフュージョンシステムのドロー枚数を圧迫してしまうという難点があります。計9枚だと多すぎるのかもしれませんが、その点をマリィでカバーしています。
 ちなみに超エネルギー2枚では、まてんろう突破はほぼ非現実的。裏のアルセウスを狩るか、ダイミラクルでダウンビートしてサイコジャンプを絡めるくらいしか方策が思い浮かびません。

不採用カード

ウッウロボ
 最強カード。高い。以上。
 もし買うなら妻の承諾が必要ですが、4枚で3万円以上するカードを買うほどプレイヤーとして全国上位を目指しているわけでもなく……。
 いつかnoteの投げ銭が貯まったら購入を検討するかもしれません(笑)

スマホロトム
 これも普通に高いカードですが、意外と使いどころが難しいなと感じました。フュージョンシステムで引ける枚数が細いときに、好きなカードをデッキトップに持ってこられるのはたしかに強い。手が広がって次につながります。
 が、フュージョンシステムを2回以上使える場合、1回目に1〜2枚引くとして、2回目以降に5枚目まで到達できる可能性があり、そうなるとスマホロトムで5枚参照した意味があまりありません。スマホロトムのシャッフルにより、2番目に欲しかったカードが泣く泣くシャッフルされて結果的に引けなかった、という悲しい事態もありうる。
 スマホロトムを強く使うならば、その番の最後のフュージョンシステム前に使うべきですが、それはすなわち最後のフュージョンシステム前までスマホロトムを手札に抱えているということで、そのぶんドロー枚数を圧迫してしまいます。ならば、縦引きデッキにおいてスマホロトムのバリューは限定的ではないかと思われました。
 フュージョンシステムで引くことが前提なので、雪道への解答にもなりえない。
 スマホロトムを使うならキュレムVMAXのようなギミックデッキのほうが、もっと相性がよさそうな気がします。

トレッキングシューズ
 最初は4枚フルで入れていたのですが、使っていくうちに「このカードは本当にミュウVMAXデッキと相性がいいのか?」と疑問がいや増していきました。手札を増やすことなく山札の先を最大2枚まで見られる、それは強いんですが、またぞろリソースの問題が出てくる。トラッシュからエネルギーを加速する系統のデッキなど「1枚目に見たカードを捨てることがむしろプラスのシナジー効果を生む」というのがトレッキングシューズの出せる最大のバリューだと思われますが、このデッキの場合、バトルVIPパス2枚くらいしか積極的に捨てたいカードがありません。トレッキングシューズでは4枚使って最大8枚参照/4枚を手札に加えることができますが、だったらマリィとセイボリーの2枚で5+3=8枚を縦引きしたほうがよっぽど強いと判断しました。

ローズタワー
 ミュウVMAXデッキでは定番のスタジアム。たしかに序盤の手札が細いときに展開札を持ってこられるのが強いと思います。
 ただ、フュージョンシステムが整った中盤以降は、せっかくタワーでドローしても、のちのフュージョンシステムで結果的には同じ枚数しか山札を掘れなかった、という事態が起こりえます。そこはもう運次第で、手札を減らせるカードが来ればいいんですが、かさばるカードが来てしまったら抱えるしかないんですよね。おまけに、相手によっては相乗りされて活用されてしまう可能性もある。採用した3種のスタジアムとの相対評価で、外れていきました。

ポケストップ
 ともだちてちょうがあるとはいえ、シマボシやふつうのつりざおなどを不採用としているため、ポケモンやエネルギー、サポートが落ちてしまう事故を嫌って不採用。よっぽど手札が事故っていない限りは相乗りしない方針で考えています。が、カードゲームではどこかで上振れを望まないと勝てなかったりもするので、そこは状況によって適宜判断かと思います。

トレーニングコート
 本気で採用するかどうか、けっこう迷いました。基本超エネルギーをコストとして切りつつ、フュージョンシステムを回して、回したあとに基本超エネルギーを回収できるのが便利。ジュラルドン対策、フュージョンエネルギーの節約にもなります。シマボシを不採用としているので、エネルギー切れの心配も減る。
 ただ、ターボ構築に加えてロスト軸、そしてキュレムVMAXなど、かがやくゲッコウガをエンジンにするデッキにおいてトレーニングコートの採用率が高くなっているので、相乗りできたらラッキー、くらいの感覚で不採用としました。こちらが張ったトレーニングコートによって相手を利してしまうのも本意ではないので。相手のトレーニングコートを有難く使わせてもらいつつ、その番にスタジアムを張り替える動きを取れたら理想的です。

シマボシ
 25%の確率で最強の神カード、50%の確率で超優良カード、25%の確率で詐欺紛いのクソカード。リスクに見合うだけのリターンがあります。
 あったら強いなと感じる場面は多々ありました。ウッウロボやスマホロトムを採用していないからこそ、サポート権を消費するとはいえ確定サーチは強い。
 一応75%の確率で雪道への解答にもなりえますが、トップに戻した解決札を引けるのが次のターンであるのが悲しいところ。その点マリィとセイボリーのバリューを強く見て、シマボシは泣く泣く外しました。

ピオニー
 シマボシも強いですが、このカードもなかなかに強い。ウッウロボを不採用としているからこそ、このカードの「手札を減らしながら確定サーチ2枚」の魅力に抗うのはかなり大変でした。パワータブレットやこだわりベルトを確定で持ってこられるだけではなく、ロストスイーパーが登場したことで、雪道への解答札にすらなりました。ピオニーでロストスイーパーとバトルVIPパスを持ってくる→VIPパスをロストして雪道を割ってフュージョンシステムで手札を6枚補充する……この動きが実現できれば実質無料6枚ドローのようなもの。いまだにマリィorセイボリーに代わるサポートとして採用を検討しているし、次にこのデッキを使うときには入れているかもしれないカードです。入れるなら強気に2枚採用したいくらい。
 それでも今回不採用としたのは、現環境におけるマリィの手札干渉・セイボリーの盤面干渉の強さを重く見たことと、ピオニーで捨てるリソースがのちのち負け筋になりかねないことから。このデッキはなるべく初動に寄せて安定を図っていますが、ともだちてちょう、ロストスイーパー、2枚しかないボスの指令、ピン挿しのバケッチャ、バケッチャにつながる霧の水晶など、あまり無闇に捨てたくないリソースも積んでいます。ゆえに、今回はリソースを山札に戻せるマリィを選びました。マリィの使用感も決して悪くなかったので、悩ましいところです。

当日のマッチアップ


1.キュレムVMAX(ハセサムさん)
 初戦でまさかのミュウ使い、構築にあたってnoteを参考にさせていただいた当の本人に当たるとは夢にも思いませんでした。フリーでも当たったことがなかったので、初対戦。因果なもので、これだからポケカって面白いですね。
 PJCS199位の大先輩に勝てるわけがないじゃん! 全力でぶつかって散ろう! と開き直って臨んだところ、最初の山札確認で青褪めました。
 ……いるべきはずの機械の虫が1匹しか見えないんですが???
 幸い手札は悪くなくバトル場ミュウV、ベンチにゲノセクトVを並べ、1回目のフュージョンシステムでミュウVまで控えさせることができたものの、ハイパーボールでもう一度ゆっくり深呼吸して山札を確認したところ、やっぱりいらっしゃらない。
 ……ゲノセクトさん、まさかの3枚サイド落ち。
 試合前に3種類のシャッフルを組み合わせて念入りにシャッフルしたはずなのですが、どんなに低確率でも起こるときは起こるものですね。4枚積みのカードが3枚サイド落ちする確率は0.22%。こんなところで強運を使うなら宝くじくらい当たってくれてもいいんですけどね。悪運ばっかり強い。
 どう考えてもゲノセクトを持ってくるべき場面で仕方なくミュウVMAXを手札に加えたのを見て、ハセサムさんにも当然バレてるなぁーと確信しました。キュレムVMAXはメロンでの加速が最優先されるからマリィは飛んでこないだろうと踏んでのプレイで、実際に次の番で前をミュウVMAXに進化、クロスフュージョンからサイド2枚先行し、ようやくサイドから2体目のゲノセクトさんを救出したはいいものの、なんと返しのターンでマリィ。虎の子のゲノセクトさんが山札の下に行ってしまわれました。天を仰ぐしかありません。強すぎる。
 ハセサムさんの当日のレシピはTwitterに上がっていました。

 このマリィにしてやられました。相手がエネ重いからといって油断は禁物。無事にミュウVMAX2体を青天井火力で瞬殺されて完敗しました。

2.オリジンディアルガVSTAR
 お相手はドータクン型。バトル場ドーミラー、ベンチにディアルガV。こちらは後手1バトルVIPパスで展開に成功。あなぬけのヒモで後ろのディアルガVを呼んできてメロディアスエコー140で先後逆転。お相手は手札も悪かったのか展開が遅めだったので、その後あなぬけとボスを使って裏のサイド2枚のポケモンを2-2-2で取ってストレート勝ち。

3.キュレムVMAX
 前回のばすらお杯で知り合ってご飯にも行ったユウキさんとのマッチアップ。大会前にユウキさんがキュレム使うことは聞いていたのですが、こちらは秘密にしていたので、バトル場にメロエッタを出したら面食らった様子。聞けばミュウVMAXは因縁浅からぬ憎き相手だったようで、相手に使われて嫌いなサポートNo.1はカミツレのきらめきなのだとか。ちなみに私はチェレンの気くばりです。チェレン許すまじ。
 やはりキュレムの青天井火力はミュウVMAXにとって脅威ですね。初手バトルVIPパスから先殴りに成功したものの、1体目のミュウVMAXは、やはりキュレムの高火力に屈して一発で飛びました。ただ、後続をしっかり準備できていたので、最後はボスで裏のキュレムVを呼んで、ベルト+テクノバスターで勝ち。

4.ロストヌケニンメタモン
 メタモンがヌケニンに変身するデッキはYouTubeで見たことがありましたが、ほぼ初見。とにかくいのちをしぼるの返しにサイコジャンプを打てるよう準備しようと考えて臨みました。が、初手にミュウVがいなかったのでメロエッタスタート。先2メロディアスエコーを打つことはできたものの、後2でかがやくゲッコウガが出てきて、ミラージュゲート+手貼りで奇襲げっこうしゅりけんを打たれたのが運の尽き。オドリドリ不在でメロエッタを飛ばされ、ゲノセクトに90ダメージを抱える形に。

 この負け筋のゲノセクトを消すために全力で崩れたスタジアムを引きにいきましたが引けず、ボスの指令でベンチの風船つきキュワワーとマダツボミのどちらを取ろうか悩んだ末に、ロスト10枚になってヤミラミのロストマインを打たれてベンチのゲノセクトが取られるのを警戒してキュワワーを呼んだところ、最後のターンはウツドン進化できけんなねんえき→メタモンを場に出されていのちをしぼる→ポケモンチェックでミュウVMAXがきぜつして負け。まさか落ちると思っていなかったので、自身の勉強不足を呪いました。

 以上、2勝2敗で当初の目標は達成できたものの、勝率5割の壁はやっぱり越えられず、いろいろと課題の残る結果となりました。学び。
 振り返ってみると、バトルVIPパスの成功は4試合中2試合。確率的には上振れですね。いずれもパスを引けた試合で勝てていることから、因果関係が皆無とは思われず、パスの影響力の高さを実感した大会でもありました。
 ちなみに、大会後のフリー対戦は2試合。

フリー1.ゼラオラVSTAR/VMAX
 使用:ロストオリジンディアルガVSTAR

 ミュウVMAXが特性を持つポケモンを並べまくるデッキであるにもかかわらず、パルキアやキュレム、ソルルナばかり警戒していたせいで一度も練習していなかったゼラオラと初対戦させていただきました。
 ロストディアルガの強みは、やっぱりウッウですね。後手1おとぼけスピットで前のメリープを倒しつつ、そのまま倒されずに後手2もウッウで殴ることができたので、余裕をもって後手3スタークロノスからゼラオラ2体を取りきってスピード勝ち。ディアルガ、強くね……?

フリー2.キュレムVMAX
 使用:オリジンパルキアVSTAR

 まさかの本日3度目のキュレムVMAXデッキ。人気すぎません……?
 ただしこの試合のお相手は、いかにもフリー対戦らしく、まさかまさかのキングラーVMAX型。こちら先攻でVIPパスから展開できたものの、後手1キングラーVのあわふらしでコインのオモテが出て、ベンチのキュレムVに5エネがつく絶望的な展開に。
 あかーん! 負けた! と内心叫んでいました。
 が、よくよく冷静になって見てみると、相手の手札が1枚。進化するにはハイパーボールではコストが足りず、しんかのおこうorドロサポが必要。そこそこ要求値が高いと踏んで博打に出ることにしました。キュレムVをボスで呼んでバトル場に縛り、げっこうしゅりけんを通して小突いてお祈り。次の番、祈りが通じてキュレムVが進化できずフロストスマッシュでゲッコウガを飛ばしてきたので、返しに後続のパルキアで殴って落とし、あとは相手の準備が整う前にキングラーなどを倒していって勝ち。
 その日はずっと縦引きデッキを使ってきただけに、裏工作はやっぱりズルい……と実感しました。
 そして大会後1週間は、ずっと裏工作を回していたのでした。

 縦引きデッキを練習した意味とは。

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