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公認自主大会出場パルキアの備忘録

 ポケモンカードの公認自主大会、第50回ハセサムデイに出場してきました。自分にとっては人生3回目の対外試合。2勝2敗で32名中14位でしたが、少なくとも負け越しはしなかったので、個人的には上々です。以下、あくまでも自分のための備忘録として、今回のデッキについて書き残しておきます。

デッキ構築の経緯

 これまでクロススイッチャー2枚、あなぬけのヒモ1枚のバランスが自分の手には馴染んでいて、ずっと使っていました。

6/4 ばすらお杯出場時

 以前はバトルVIPパスを持っておらず、序盤の展開力を助けるために大好きなカード「冒険家の発見」をピン挿ししていたのですが、冒険家の発見は「展開」に特化していて、カイと比較すると、その番に臨機応変にグッズを持ってきて使えないのがネックなところ。そこで今回は自らへの課題として、バトルVIPパスをピン挿しする方向で調整を考えていました。
 パス1枚というと少なく感じる人も多いかと思いますが、計算すると約10%の確率で初手の手札に来るようなので、意外と低くない。来ればラッキー、くらいの感覚で行ける。逆に4積みから初手の手札に来る確率は約35%である反面、触ることが叶わなかった場合に死に札となってしまい、とくに序盤にエネルギーをトラッシュに落としたいパルキアにおいては、ボールのコストにもしづらい。10→35%の底上げよりは、別のカードを入れてバリューを出すことに重きを置きました。
 というのも、裏工作パルキアというのは本当に枠がカツカツ。JCSの上位入賞デッキや、とりわけサイトウコウセイ選手のデッキを参考に組み始めたのですが、ふしぎなアメやらキャプチャーエネルギーやらギミックが満載で、目が回りそうでした。スイッチャー2枚、あなぬけのヒモ1枚の配分はJCS準優勝デッキと同じだったので、基本はそちらを完コピする方向で調整を進めていました。
 ところが、どうも手に馴染まない。キャプチャーエネルギーもふしぎなアメも便利は便利で、上手い人が使えばとんでもなく強いだろうと想像するものの、自分には適材適所、最適なタイミングで使って100%以上のバリューを出してあげられる青写真が、なかなか描けずにいました。
 そうして暗礁に乗り上げ、ターボパルキアに浮気してみたり各種ディアルガに浮気してみたりと、ずいぶん迷走したものです。大会1週間前くらいまでは、まじめにジバコイル型ディアルガあたりが採用候補でした。
 そんなとき、私は1枚のデッキレシピを見て衝撃を受けました。大会まで残りわずか6日しかない、6月20日のことです。

 ノルウェー在住のポケカプレイヤー、Tord Reklev選手の裏工作パルキアデッキでした。
 これだ! と衝撃を受けたのを、いまでも鮮明に覚えています。
 スターミーとネオラントの採用、バトルVIPパスのピン採用、そしてバケツ4・カイ4というストレートかつシンプルな構築。後手1は手札次第で最悪クイックボール→ネオラント→カイ→VIPパスの流れで展開の後れを取らないという意志が見えてきます。もちろんネオラントは明白な負け筋になるのでできれば採用すらしたくないというのが日本においては定石でしたし、私自身もそう考えていましたが、このデッキリストからは、とにかく強く出るという意志をひしひしと感じました。
 その強気が、バケツ4・カイ4という採用からも窺えました。シンプルに強いカードは4枚積んで強く使う。なんだ、それでいいんだ、と背中を押してもらったような気もしました。
 そこから研究は一気に進み、仮想敵であるミュウVMAXやアルセウス裏工作、アルセウスカプ・コケコなどには、あくまで自分の未熟な一人回しではあるものの、ずいぶん勝てるようになりました。なにより自分の手に馴染んだので、ベースはこれで行こう、と決めました。
 ただ、Tord構築の難しいところは移動札がないので、ボスの指令で準備中の後続アタッカーを呼ばれて前に縛られたときに後手を踏むことと、バケツ4に対して水エネ7という不合理さ。つりざお不採用のため4枚目のバケツはどうしたって1ドローが限界で、もし水エネが1枚サイドに落ちた場合はその時点で死に札になるので、合理的ではないと考えました。また、実際に回してみて、エネ7枚は相当シビア。サイド落ちを含めて厳密に管理する必要があるので、たった1枚の差ではあれど、これが大きかったです。使い慣れた8枚にしたほうが懸念点が少なく済むと考えて、モミ→水エネ1枚と変更することはすんなり決まりました。
 やはり実際に回してみて、モミを使えるタイミングがかなり少なそうに思われました。あればあったで相手のダメージプランを崩せるし、序盤ならばモミ→スターポータルというノーコスト回復もできるわけですが、そもそもカイをキーカードとして展開するコンセプト上、回復していたら展開そのものは遅れてしまう。
 Tord選手自身もTwitterのリプ欄でモミの使用感を訊かれて、

https://twitter.com/tordreklev/status/1538831785194405890?s=21&t=S7s4V7GcO2uN7GX0J16Ftg

 と答えていることから、やはり必須ではないと考えました。
 最後の最後まで悩んだのは移動札の追加枠。入れるとしたら1枚で、ポケモンいれかえとの択になりますが、ヒモ→ボスのバリューを強く見て、あなぬけのヒモにすること自体は決まっていました。問題はどのカードと入れ替えるか。これは大会前夜まで悩みに悩んだ挙句、ヘビーボールとの択でしたが、ピン挿しポケモンのサイド落ちの確率を考えると、たね4枚中1枚以上が落ちるのは約35%。4連戦やるのにこの確率は無視できないのでヘビーボールは除きがたく、従って一人回ししていて最も使用する機会が少なかったハイパーボールが戦力外となりました。もちろんスターポータルを最大限に使うために2エネを落とせる便利なグッズではあるんですが、エネ8枚しか入らないデッキなので、その再現性はわりと低い。手札にエネルギーがなかった場合、代わりのコスト2枚も地味に重いです。
 そして完成したデッキがこちら。

使用デッキ

Tordパルキア改(悪)デッキ

 この60枚で臨んだ今回の大会。
 結果的には、Tord構築の凄さを痛感することになりました。

第50回ハセサムデイ 対戦結果

1.ミュウVMAX 後攻 4-0投了勝ち
2.ウルガモスレックウザ 後攻 6-4勝ち
3.雷ターボパルキア 先攻2-6負け
4.ルナトーンソルロック 先攻5-6負け

 初戦こそ、あなぬけのヒモがMVPとなってくれて後ろのゲノセクトを飛ばして、苦渋のバケッチャトラッシュが見えたので雪道も貼れて投了に持っていけたのですが……。
 ウルガモス戦は弱点を突く対面だったので割愛するとして、雷ターボパルキア戦。相手のマリガン1回で手札を見る機会があり、事前に雷ターボパルキアであることは把握できました。ところが初手の手札にたねがパルキアVの1枚しかなく、やむなくパルキアV単騎スタート。先攻なのでVIPパスにも触ることができず、ベンチにメッソンとパルキアVの2体目を出すのが精一杯。しかも後攻1手目にライコウVのライトニングロンドで前を吹っ飛ばされたのが非常にキツく、ほぼ負けを確信しました。打開策としては先2で後ろのパルキアVのハイドロブレイクを打って返したいところでしたが、スターポータル用の3エネがトラッシュに届かず、ハイパーボールがあれば……と後悔。これでライコウを倒すのが1ターン遅れて敗戦でした。
 最後のルナソル戦はあと1手。アクアバレット+ルリナで2回、非Vでの攻撃を挟むべきでした。恥ずかしながら仕事の繁忙期が重なってしまい新弾カードを検討する時間がほとんどなく、ルナソルはほぼ初見だったので、ダメージラインの計算も即興。相手のカードのテキストをガン見させてもらいながら計算するヘボプレイヤーっぷりを露呈してしまいました。
 アクアバレットを打てなかったのは、倒しても倒してもルナソルの復帰(エネ加速)が早いというレジギガスと同じ構造上、準備にジメレオンからの進化+2エネ手貼りという時間がかかる(キバナ不採用のため、サポートで加速して即起動ができない)のを嫌った結果で、ふしぎなアメがあれば……とも実感する展開でした。準備できた段階であなぬけのヒモを通せれば、上手く活きたかな。そして1発耐えたパルキアVSTARにモミが欲しかった……。そこまで見越していたのだとしたら、Tord選手の構築はどこまで深いんだと唸ることしきりでした。
 序盤はスターミーVで粘りつつ、最終ターンもルリナでスターミーVを呼んできて後続アタッカーとして控えさせたものの、さすがに負け筋のネオラントへの3エネ加速までは間に合わず。相手がボスの指令を引けないことをお祈りして番を返しましたが、最後は隠し札だったか、でボスの指令を引かれてしまい万事休すでした。
 入れたカードに活躍の機会は間違いなくあったし、抜いたカードを欲しい場面もたくさんあった。やはりポケモンカードは難しいと実感しました。

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