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お客様が少ない2月にホテルで行うとても大切なこと

どのホテルもそうなのかはわからないけれど、ホテルの稼働が低い2月に行う大切なことは、消防訓練だ。ホテルは24時間365日営業なので、定休日や夜間に避難訓練を実施するという選択肢が無い。

お客様に告知して、客室にノーティスを入れて、日中に行う。
訓練をおこなうフロアー(階)を、占有するので、ご宿泊のお客様を他のフロアーで調整できる稼働の低い2月がベストだ。

ホテルやデパート、地下街などは、不特定多数の人が出入りし、火災発生の際、大きな被害が発生する危険性が高い「特定防火対象物」に分類される。
特定防火対象物では、年2回の消防訓練が義務付けられている。

訓練に課せられる条件は
「最悪の想定」であること

「夜間に高層階で火災が発生」が定番で、実際、夜勤勤務に従事している従業員のみで訓練を行うきまり。(条件は自治体により異なる場合もあり)

多くのホテルには従業員自ら、避難誘導活動や初期消火活動を行う「自衛消防隊」が設置され、人的・物的被害を最小限に抑える役割を果たす。

消火活動には消火器の他に、消火栓を使用するが、ホテル従業員でもこの設備が消防士が使うものと思い込んでいる人が多いので、ここで声を大にしてお伝えしたい。
消火栓は発災時には、だれでも使用することが可能!

2号消火栓

特に、社会福祉施設や病院、ホテル等の就寝施設には、一人で操作できる「2号消火栓」が採用されている。(工場・倉庫等は二人で操作する放水量の多い1号消火栓が設置される)

2号消火栓の中

扉は、簡単に開けられるようになっていて、バルブを回しても、手元の
ノズルを回さなければ、放水されないので、一人で操作が可能。

数年前に、少し大きな地震が発生して、ホテルのエレベーターが全て停止し地震を経験したことのない海外のお客様が、驚きのあまり、裸足でロビーに降りてこられる事案があった。

そのとき、少し嬉しかったこと。
自衛消防隊など関係なく、バック部門のスタッフがホテルに集結し、各フロアに分かれ、朝早い時間だったけれど、出勤していた従業員が、それは手際よくお客様を誘導し、混乱することなく事態を収束させることができたこと。

消防計画も消防訓練も欠かせないけれど、災害は明け方や夜中に発生することが多くて、そこにいる人たちで対応できることが肝要。
訓練や研修を充実させて、その知識を伝えていくことは安心・安全を底支えする裏方仕事人の大事な仕事。

明日も誰かの役に立てますよう!


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