ピラフはなぜ温まるのか
たまに、なんの前触れもなく自分の中の哲学者が目覚めることがあって、今日がそうだった。
バスに乗っていて急に 「生物はなぜ生きているのだろうな」と考え出した。
ここで言う「なぜ」は「何のために」ではなく、「なぜそんな不思議なことが」という意味である。
生物、生きてるの不思議すぎる。
私がパンを食べたらそのパンが私を動かす力になったり、私の血やお肉やなんかになるの何なの。奇跡みたい。
よく奇妙な体験をしたり、未知の話を聞いて「不思議なこともあるもんだね」なんて言ったりするけど、わたし不思議じゃないことなんてこの世にないよ。
鮭が生まれた川に帰っていくのも、ウミガメが生まれてすぐ海に向かって歩きだすのももの凄く不思議だけど、そんなことより、そもそもみんな生きて動いてるってだけで感心しちゃう。
世界は分からないことばっかりだ。
人間は生まれてから言葉を覚えて、たくさん勉強して、いろいろ知った気になるけど実は根本的なところが分かっていない時がたくさんあるんだ。
私は電子レンジの使い方はわかる。でもなぜこの機械のボタンを押したら中の物が勝手に温まるのかは分からない。
これがソクラテスの言っていた無知の知、というやつでしょうか……
電子レンジなんて楽勝よ!という思いを捨てて、私はなぜこの冷凍ピラフが温まるのかを知らない無知な人間だ………と自覚することが、真の愛知者への道なのか……
……みたいなことを急に考えて途方も無い気持ちになって、やがてそっと目を閉じて眠る、みたいなことをたまにやります。
まぁ電子レンジがなぜ温まるのかは、賢い人は知っていると思いますけど……
ちなみに生物の定義を調べるためにWikipediaを見たら、生物の項目の下の方に
生物(なまもの)と読むと、加熱調理などをしていない食品のことを指す。具体的な例を挙げれば“刺身”などが代表的な例としてよく用いられる。
と書いてあったので、それはわかるよ、と思った。無知な私にも分かること一個あって良かった。
刺身をダブルクォーテーションで括って代表的な例としてあげないでよ。笑っちゃう。
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