上手なライブ写真の撮られ方
バンド活動をされている皆さんはライブにカメラマンが入る時に何か意識していることはあるでしょうか?
今回はバンドマンをやりつつ趣味でカメラもやっている私が、被写体もカメラマンも経験した上で気付いたことを書きます。
ライブの撮り方みたいな記事はチラホラ見かけるけど、こういう視点の記事って結構少ないかも?
先に言っておくと、ライブカメラマンは皆さんの自然な表情をできる限りかっこよく写すことを意識しています。
カメラを意識しすぎるあまりにライブの完成度を落としてしまっては元も子もないので、今回書く内容は頭の片隅に置いておく程度にしておいてください。
腕の良いカメラマンならどんな状況でもちゃんと撮ってくれます!
1. この記事を書くキッカケ
冒頭でも述べた通り、私は普段WHITE ASTERというメタルコアのバンドをやっていて趣味としてカメラもやっています。
バンドのライブではカメラマンに入ってもらうことも多々あるので、いつもは撮ってもらう側の人間です。
そんな私も先日、縁あって大学時代に在籍していた軽音サークルのライブ写真を撮影させてもらえる機会がありました。
そこで初めてライブ写真を撮ってみて、「こういう演出はカメラマンにとってやりづらいんだ」とか「こういう弾き方をされると構図に入れづらいんだ」と気付くことがたくさんありました。
そしてせっかくなので共有しようということで。
ちなみに私のカメラ機材はこちら↓
カメラ:SONY α7Ⅳ
レンズ:TAMRON 28-75mm F/2.8 Di Ⅲ VXD G2
カメラをよく知らない人の為に説明するとSONYのα7は定番です。
特にこれの前身機を使ったことのある or 今でも愛用しているカメラマンはプロでも多いと思います。
初めてのフルサイズなのでレンズは無難に標準ズーム。タムロンは安くて軽くて最高。
…と脱線しかけました。本題に行きましょう!
2. 意識するべきポイント💡
①赤色照明とストロボの多用を避ける
ライブハウスでライブをする時、必ずと言っていいほど照明のセッティングシートを提出すると思います。
この時、激しい曲に対してついつい赤色照明とストロボをたくさん要望しちゃいませんか?
WHITE ASTERもよくやります。やっぱり激しいパートは視覚的にも鮮烈な方がハマりやすいので。
一方でカメラマン目線で見ると、このライティングがマジで天敵。
私は物理に詳しくないのでスペクトルがどうとか理屈は説明できませんが、赤色って光量が本当に弱いんですよね。
結果的にカメラは明るく写すために感度をガン上げしないといけなくなります。そうなると許容できないレベルのノイズが…
またストロボに関しては、点滅周期とタイミングが合わなくて真っ暗写真が高頻度で生まれてしまいます。
だからって使うなと言いたい訳じゃないです。
何事も用法・用量を守って効果的に活用しましょう。
②フロントマンはとにかく前へ
これはカメラ関係なくライブの見栄えよくしたいなら絶対に抑えるべきポイント。
もちろんブッキングライブだとすべてのお客さんが自分たち目当てではないと思いますが、それでもライブはパフォーマンスを通してお客さんと対話する場です。
そこで一番簡単に実践できるパフォーマンスがフロントマンが物理的に前に出ることです!シンプル!
実際これ、すごく見栄えが良くなります。ワイヤレスシステムを導入していなくてもできるので、なんかライブに華が無いなってバンドは明日からでも実践しましょう。
さて本題に戻りますが、これの一体何がカメラマン的にも良いのか?
とりあえずこの1枚を見てください。
どうでしょう?ボーカルが前に出ることで最前のお客さんも画角に収めることができます。
これめちゃくちゃ臨場感がありますよね。写真なのに盛り上がってるのがよくわかる。
でも必ずしもカメラマンは最前に潜り込んでないじゃん?って思う人も居るでしょう。いやいや、前に出てくれるとどの画角で狙っててもプラスに働きます。
たとえばフロア後方から望遠で狙ってたとしてもお客さんが画角に入るだけで臨場感はグッと増します。
もちろんずっと前に出られると次は鬱陶しいだけなのでこの辺もバランスが大事です。
ぜひ実践してみてください。
③ドラマーはカメラを探してサービスショットを狙う
バンドの中で一番視覚的に目立たなくて且つ写真も微妙になりがちなパートがドラムだと思います(ディスってる訳ではない)
しかも一番フィジカルも使うし、ミスも許されないので顔が強張りがち。
そんなドラマーが良い写真を撮ってもらうためには、カメラマンを見付けてサービスショットを撮ってもらうのが一番早いです!
カメラマンは常にドラマーのベストショットも狙ってます。なので必ず近寄ってくる瞬間があるはずです。
そこでバッチリ目線をあげましょう。
え?叩くのに必死でカメラマンの動きなんて捕捉できない?
余裕ができるまで練習頑張ってください👍
あとはここぞというフレーズで大振りで叩くのも良いと思います。
写真として残した時に躍動感のある1枚になりやすいですし、お客さん目線でも「あのドラム楽しそうに叩いてて良いな」ってなるので。
④締めはタイミングを合わせて勢いよく
どんなバンドでも最後の曲が終わった後はドラムのタム回しから全員でジャーンって終わるのが定番だと思います。
そのラストはカメラマンにとっても超シャッターチャンスなので必ずどこかでカメラを構えているはずです。
なので最後は大きく勢いよく動いてバッチリ決めましょう。
そもそもこの辺の練習をやってないバンドって意外と多いと思うんです。
その場の流れで何となくみたいな。WHITE ASTERですらそんな状態。
ぶっちゃけ個人的にバンドで集まるのって本当はこういう曲以外の部分を詰めるべき時間だと思ってます。曲間とか。
曲なんて個々がちゃんと練習してれば集まった時に揃って然るべきだし、バンドで集まってほのぼの曲の練習なんて無駄な時間でしかない。
まだ将来の夢について語り合ってた方が有意義なレベル🤷♂️
…冗談はさておき、カメラ関係なく最後がバッチリ決まってるバンドはやはりかっこいいのでぜひ練習してみてください。
終わり良ければすべてヨシです。
3. まとめ
というわけで、実際にどちらもやってみた上で気付いたことをいくつか書いてみました。
長くいろいろ書きましたが、これらを要約すると"客観的に見てかっこいいライブをしてるバンドなら自然と良い写真がたくさん生まれる"ってことなんです。
そりゃそうですよね、そういうライブって記憶にも残りますから。
最初にも書いた通り、写真の写りばかり気にして肝心のライブの完成度を損なっては意味が無いので、余裕が無いうちはそんなことは気にせずとにかくライブを楽しみましょう。
そしてライブカメラマン、やってみてわかったけど本当に大変です。
ベストショットを狙って会場内を邪魔にならないように動き回ってシャッターを切り続けます。
せっかく納品してもらった写真は惜しみなくSNSで共有してあげてください!
創作全般に言えますが、作品に対するフィードバックは何よりも励みになります!
長くなりましたが、内容は以上になります。
ぜひライブにカメラマンが入る時に少しだけ意識してみてください!
撮影させてくれた後輩のみんな、本当にありがとう。
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