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新NISAを始める方へ ぱーと3 【加筆修正】

皆さんこんにちは
若者に色々役に立つかもしれない情報をたまに呟いているおじさんです。

そうそう、分割投資一括投資って悩みますよね。
NISAの枠は理論的にはつみたて枠も成長投資枠もどちらも一括投資が可能ですし、12分割(つまり毎月一定額)投資も可能です。

つみたて枠を一括で埋める方法ですが、積立額を120万に設定することで最初の月に120万円分を購入すると枠が埋まるため、翌月購入しようとするとエラーになりそれ以降11ヶ月エラーが発生して購入できないので結果的に一括購入と同じ状況になります。
現時点でSBI証券の新NISAの積立設定において、上記の設定ができなさそうなので、サポートに問い合わせを行っています。回答を得られ次第追記する予定です。

まあこんな小ネタを使わなくても、つみたて投資枠は普通に同額を毎月積み立てて、成長投資枠は好きなタイミングで買えば良いと思います。
しかし、効率を重視したい人はどっちがどれだけお得か気になりますよね?

毎月10万円投資した人(毎月10万円ずつ増えて1年後に枠いっぱい)
1月:合計投資額10万円
2月:合計投資額20万円
3月:合計投資額30万円



11月:合計投資額110万円
12月:合計投資額120万円

一括投資した人(当然最初から枠いっぱいの120万円)
1月:合計投資額120万円
2月:合計投資額120万円
3月:合計投資額120万円



11月:合計投資額120万円
12月:合計投資額120万円

両者の差分
1月10万円/120万円(8.3%)
2月20万円/120万円(16.6%)
3月30万円/120万円(25%)



11月110万円/120万円(91.6%)
12月120万円/120万円(100%)

1年後に5%利益が出た場合の差
1月投資分は5000円/60000円(8.3%)
2月投資分は10000円/60000円(16.6%)
3月投資分は15000円/60000円(25%)



11月投資分は55000円/60000円(91.6%)
12月投資分は60000円/60000円(100%)

1年後に5%の損失が出た場合
1月投資分は-5000円/-60000円(8.3%)
2月投資分は-10000円/-60000円(16.6%)
3月投資分は-15000円/-60000円(25%)



11月投資分は-55000円/-60000円(91.6%)
12月投資分は-60000円/-60000円(100%)

見てわかるように、一括投資をした方が株価が好調であれば最大の利益を出すことができますが、株式投資において必ず上昇し続けるということはありません。上がったり下がったりを繰り返しながら緩やかに上昇していくのが投資です。何十年か先の未来に今より利益が出ているために投資を行うのですが、やはり人間は途中での下落に弱いです。そんな人は毎月積立が良いと思います。両者の差分は、単純に一括投資で得られる利益(損益)に対して、分割投資で得られる利益(損益)を表しています。
実は一見大きく差が出るように見えますが、長い間継続して投資をしていくとこの差はほとんど関係なくなっていきます。

投資元本が増えていくグラフ

このグラフはXで繋がっている方のつぶやきが元になっています。

図のグレーの部分が一括投資に比べてもったいない部分になります。グレーの部分も最初から運用されていたとすれば、そこに対しても利益(損益)が発生するのでリターンも増える(減る)形になります。

2年目
毎月10万円投資した人(毎月10万円ずつ増えて1年後に枠いっぱい)
1月:合計投資額130万円
2月:合計投資額140万円
3月:合計投資額150万円



11月:合計投資額230万円
12月:合計投資額240万円

一括投資した人(当然最初から枠いっぱいの120万円)
1月:合計投資額240万円
2月:合計投資額240万円
3月:合計投資額240万円



11月:合計投資額240万円
12月:合計投資額240万円

両者の差分
1月130万円/240万円(54.1%)
2月140万円/240万円(58.3%)
3月150万円/240万円(62.5%)



11月230万円/240万円(95.8%)
12月240万円/240万円(100%)

3年目
毎月10万円投資した人(毎月10万円ずつ増えて1年後に枠いっぱい)
1月:合計投資額250万円
2月:合計投資額260万円
3月:合計投資額270万円



11月:合計投資額350万円
12月:合計投資額360万円

一括投資した人(当然最初から枠いっぱいの120万円)
1月:合計投資額360万円
2月:合計投資額360万円
3月:合計投資額360万円



11月:合計投資額360万円
12月:合計投資額360万円

両者の差分
1月250万円/360万円(69.4%)
2月260万円/360万円(72.2%)
3月270万円/360万円(75%)



11月350万円/360万円(97.2%)
12月360万円/360万円(100%)

両者の差分を投資継続年数の1月で見てみると、差が急速に詰まっているのが分かります。

1年目:10万円/120万円(8.3%)
2年目:130万円/240万円(54.1%)
3年目:250万円/360万円(69.4%)
4年目:370万円/480万円(77.1%)
5年目:490万円/600万円(81.7%)
6年目:610万円/720万円(84.7%)
7年目:730万円/840万円(86.9%)
8年目:850万円/960万円(88.5%)
9年目:970万円/1080万円(89.8%)
10年目:1090万円/1200万円(90.8%)
新NISAにおけるつみたて枠は上限600万円なので6年目以降は新NISAを前提とした場合、意味はありませんが、折角なので長期の積立を行った場合に、元本がどのように変化し一括投資とどれくらい差ができるのかを見てください

オジサンの電卓で計算

10年経過する頃には、つみたても一括投資も10%の差分になります。1年目は、一括金額の8.3%にしか過ぎない(つまり、一括投資していれば得られた利益が仮に1万円だった場合、それの8.3%なので830円に目減りするという意味です)のですが、積立を行うことで前年度までの元本がどんどん肥大化していくと、毎月の積立金額が元本に対してどんどん小さくなっていくのでやがて気にならない差分になります。5年目で約20%一括投資に対して下回っていますが、これは利益の20%が減るだけなので600万円の5%の利益30万円が24万円に減るということです。
しかし、1年目の1月の投資は最も長い期間投資されるので、最大限の運用効果を得たいのであれば、もちろん緩やかに右肩上がりする銘柄を選ぶことが前提ですが、一括投資に軍配が上がります。

2年目までの元本の変化

黄色のドットエリアが2年目に一括投資と分割投資における差になるので、投資元本の青部分がどんどん大きくなっていくので黄色との比較になるとかなり差が縮小されていることが分かると思います。

3年目までの元本の変化

3年目に来ると明らかに黄色の部分が青に対して小さくなっているのが分かると思います。結局分割投資というのはこの部分の差だけ一括投資に対して運用が遅れるということを指していますが、逆に株価が乱高下している局面では、ここの黄色い部分の余力で株価下落時に成長投資枠で買い増して損失を吸収する方法もできます。この方法を行うためにはつみたてで行う額の倍程度の投資元本を用意しておく必要があります。

例えば、毎月10万円投資する場合、1口1万円の投資信託があったとします。
これを毎月10万円でどんどん買い増していくのですが、1年後120万円を積立た後この投資信託が下落し、1口9000円に値を下げたとします。すると評価額が120万円の10%低下したことになりますので108万円の評価額になります。ここで120万円分同じ投資信託を購入すると合計が228万円になり、積立を始めた時の価値で計算すると240万円の価値がある投資信託が、228万円になったことになるので、損失が5%(228/240*100)に抑えられたことになります。上級者は、常に自分の投資額の最大を投資するのではなく、少し余裕を持たせて投資を行い、万一の下落時に備えています。
では、NISAから始める初心者はこの方法をどうすれば実践できるのか。
これは2023年中に2024年の投資予定額と同額(120万円投資予定なら120万円)を予め手元に用意しておくという方法が良いかもしれません。もし24年から毎月10万円の積立投資を行うのであれば、年間で120万円になります。普通の方は毎月のお給料からこの10万円を捻出しますので、最初の月の10万円さえ用意しておけば翌月分は自動的にお給料が振り込まれた時点で手元に投資元本として現れるのですが、この分をあらかじめ用意しておくと精神的にかなり楽になります。10%下落したとしてもそこで1年目と同額の未投資金があればそれを使って下落幅を半分にすることができます。これから投資を始める方は必ず大きな下落を経験するのですが積立投資はこの下落時にも手放さず、ずっと保持していることがとても重要になります。もちろん世の中には、高値で売って値下がりした時に買い戻すことをやっている人がいますが、一般庶民はこのような激しいトレーディングは時間もありませんし、知識もありません。だからインデックスのように、世界の天才が考案して実績のある指数に連動した投資対象に相乗りすることが重要です。

では、投資を行う際の家計ポートフォリオはどんな感じが良いでしょうか。

生活防衛資金(投資には使わないお金)
・半年生活できるだけの貯金(人によっては1年生活できるだけの貯金)
・月30万円で生活している人なら180万円(もしくは360万円)
投資資金(投資にしか使わないお金)
・月5万円、年間60万円の積立投資元本(基本これには手を付けない)
・毎月お給料から5万円を投資

投資資金のうち、上記の例では60万円が万一下落時に備えてキープしている現金(投資の世界でよくキャッシュポジションというのがこれ)ですが、このまま投資せずに放置していると円安が極端に進んだり、すると円としては残っていますが、国際的な目線で見ると価値が目減りしてしまいます。本当は、このようなキャッシュポジションは外貨であればMMFで運用しておくとそこそこ安定した金利でしかも安全に運用ができるのですが、日本には(正確には日本円では)このようなMMFが存在しないのでどうしても現金でキープしておく必要があります。もちろん最近上昇している金などを買ってキープする方法もありますが、金は換金とそれに伴う税金が面倒くさいため、あまりお勧めできません。(もちろん、長期の資産形成における金の保有には一定の意味があるので、そこを否定するわけではありません)
では何が良いでしょうか。いつでも換金して現金化できる投資先、個人的には2865のETFを買っておくというのがお勧めな気がします。もちろんこれは新NISAの枠では買うことができませんので、特定口座で買う必要があります。

でも、8か月ほど推移を見てきましたが、極端な変動は少なく安定して分配金も出してくれ、更に1株単位での売買ができるので、換金時も細かく売ることができます。(日本市場は、単元株という仕組みを導入していて、通常個別株だと100株単位でしか売買できないのですが、ETFには1株単位での売買が可能なものがあります)

さて、みなさんはそろそろ買う銘柄を決めましたか?
僕は、来月から運用が始まる
『SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)』
(愛称:SBI日本シリーズ - 日本高配当株式(分配))

が気になっています。これがNISA枠で購入できるのであれば、成長投資枠でこれを買っても良いかなーと考えています。
もちろん
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 (1489)
のETFでもいいのですが、SBI好きな僕としては、信託報酬0.099%(税込)のこのファンドは最近流行りの低信託報酬でありながら、配当も年間4回出してくれるので、老後の配当金生活のために自分の資産の一部はこのような配当型にしても良いと思います。1489もちゃんと分配金(3.61%)が出ます。

シリーズもの第3弾なのでもしここから見始めた方は第1弾も併せてごらんください。


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