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「SDGsへの思い」を大学生に聞いてみた

こんにちは!『日テレR&Dラボ』です。

日テレでは5月31日(月)~6月6日(日)まで『Good For the Planet #今からスイッチという、SDGs(持続可能な開発目標)と向き合い、人のため、暮らしのため、社会のため、そして未来のためにできることを視聴者の皆さんと一緒に考えていく新キャンペーンを実施しています。


さて、私たちR&Dラボでは、以前からSDGsの研究に取り組んでおり、その一つとして産業能率大学経営学部マーケティング学科『小々馬ゼミナール』(以下、小々馬ゼミと表記します)の皆さんと一緒に「Z世代のSDGsへのマインド」のリサーチを始めています。

今回は、一緒に研究を行う小々馬ゼミの3年生の皆さんに、「SDGsに関心の高い若者たちは、実際にどんなことを考えたり行動しているのか?」を聞いてみました。

今回お話を伺ったのは、
産業能率大学経営学部マーケティング学科:小々馬 敦 教授
小々馬ゼミ:梶原 優衣さん、池田 悠人さん、室井 鈴音さん、森 雅乃子さん 
の5名の皆様です! 聞き手はR&Dラボの西 憲彦、松本 京子、加藤 友規です。

■「SDGs>お金」大学生の就職先選びで「SDGs」は重要なポイントに!

加藤(日テレ):皆さんこんにちは。今日は「SDGs」について、大学生の皆さまのリアルな声を聞きたいと思いますので、よろしくお願いします!

一同:よろしくお願いします!

加藤(日テレ):最初に、皆さんのSDGsとの関わり合いについて伺えればと思います。

これまで学校の授業などでどのようにSDGsに触れて来たのでしょうか?何か具体的に活動されていることはありますか?

梶原さん(小々馬ゼミ):私は学外のSDGsのコンペに出場したのがきっかけで、プラスチック問題への取り組みについて企業に何か新しい提案をできないかを考えています。他の学生とペアを組んで一緒にSDGsについて勉強しているところです。

池田さん(小々馬ゼミ):私は高校がSDGsの認定学校だったので、高校の時から文化祭でプラスチックを使わない「バガス(※サトウキビ搾汁後の残渣)」という素材を使って、できるだけゴミを自然に返すような活動をしていました。大学に入ってからもSDGsに関わっていきたくて、小々馬ゼミのプロジェクトに参加しています。

室井さん(小々馬ゼミ):私は大学に入ってから「ヴィーガン夫婦のYouTube」にハマりまして、その動画を見てSDGsにすごく興味を持ちました。今回日テレさんとSDGsについて考えていけるということでプロジェクトに参加させていただきました。

森さん(小々馬ゼミ):私は梶原と同じコンペに別のペアで出場していました。その時に京都大学の方と高校生向けのセミナーを開催して、そこからSDGsについてより詳しくなろうと勉強をしています。環境系のSDGsについては家族でも話しており興味がある分野です。

加藤(日テレ):ありがとうございます。皆さんSDGsについて学ぶだけではなくて色々な活動もされているんですね!

ところで、皆さんの先輩の小々馬ゼミ4年生が作ったレポートを読ませて頂いたのですが、『“お金”だけが価値の中心ではない時代になっており、“思い”の実感から、共感、応援、感謝したくなるような時代になっている』『「お金」よりも「徳」=利他の思い(共感・応援・感謝)が循環できるような世の中になると良いな』とまとめていましたよね。

松本(日テレ):私たち大人世代から見て、「今の若者ってこんなことを考えてるんだ」と驚かされたレポートでした!

※以下リンク、『Z世代の観点からマーケターの使命を考え直してみました! 2021年に描くマーケティングのニューノーマル』~令和の所徳倍増計画~


西(日テレ):お金が価値の中心ではなく共感が大事というところでは、大学生の皆さんの就職先の選び方も変わってきているという話を聞いたのですが、実際に「給料」「企業の社会貢献」ということだと、どちらを重要視しているんですか?

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梶原さん(小々馬ゼミ):今までは、いっぱい稼げる会社や、大企業に入りたいなとは思ってたんですが、今は「持続可能な社会に向けて頑張っている企業に入りたい」とか、「自分のやりがいを優先したい」って思うようになってきました。

西(日テレ):それはSDGsを学んだことによっての変化なんでしょうか?

梶原さん(小々馬ゼミ):私は学んだことによっての変化ですね。

松本(日テレ):持続可能なことに取り組んでいる企業というのは、どういうところで判断するんですか?

梶原さん(小々馬ゼミ):例えば「サントリー」などはSDGsの項目ごとに分けていろいろな取り組みをやってたり、「トヨタ」であればEV車とかCO2削減のために2050年までの目標を決めたりしていて、そういうことを企業ホームページにも公開していて、さらにそれを推進していこうとしている企業に入りたいと思います。

松本(日テレ):なるほど。企業が「自分たちがこういう取り組みをしてます」ってことを発信するのって、ともすれば「自分たちのやっている良いことを見て見て!」ってアピールが過剰に見えたりして、ちょっと恥ずかしいのかなという感覚もあったんだけど・・・
梶原さん的には逆にそんなことはなくて、どんどん各社のSDGsの取り組み情報を知りたいということですか?

梶原さん(小々馬ゼミ):はいぜひ知りたいです。そういう情報発信が無いと企業の取り組みが見えてこないんですよね。

西(日テレ):会社選びでお金よりもSDGsの優先度が高いのは、やはり就職したときに「私はこの会社の社員です」ということを、胸を張って言えるような社風だったり、取り組みが大事ということなんでしょうか?

梶原さん(小々馬ゼミ):企業名にはそんなにこだわりとかはないんですけど、仕事に対しての自分のやりがいや、成長とか、そっちの方が優先度は高いのかもしれません。

西(日テレ):お金が最重要ではないということですが、実際にお給料の金額ってどれくらいまで許容できるものなんですか?

梶原さん(小々馬ゼミ):うーん、まだよくわからないんですが(笑)

小々馬先生(小々馬ゼミ):「お金が少なくて良い」とは言ってないんだよね(笑)

梶原さん(小々馬ゼミ):そうですね、「多すぎなくても良い」という意味で、優先順位としてはやりがいの方が大切かなということです(笑)

加藤(日テレ):池田さんはいかがですか?

池田さん(小々馬ゼミ):僕はお金は多いに越したことはないと考えていて、お金があった方が、自分がやりたいことができた時に自由に動けるので、それは必要だなとは思います。

でも、梶原も言ってたみたいに「会社の方針」に共感しながら自分のやりたいことを、「やりがい」を感じながら仕事をしていけば、そのうちお金もついてくるんじゃないかなと最近思っています。

大企業に入っても、自分が特にやりたいこともないままお金をもらうよりは、自分のやりたいことやって、ある程度のお金をもらいながら自分でステップアップすることでより多くのお金を稼げるようになっていくっていう感じになれば良いなと考えています。

加藤(日テレ):室井さんはいかがですか?

室井(小々馬ゼミ):私も全く同じなんですけども、お金にはとらわれずに「自分のやりたいこと」とその「企業がやっていること」が一致している企業に入りたいなって思います。

仕事って人生の一部なので、お金だけじゃなくて人生が「満足感」で満たされるような、そういう企業で働きたいなと感じています。

加藤(日テレ):そういう意味では、SDGsへの貢献度は、企業を選ぶにあたって重視されますか?

室井さん(小々馬ゼミ):私はやはりSDGsに興味を持っているので、しっかりと取り組んでいる会社にすごく目線がいきます。

例えば、『みんなでみらいを』という会社があるんですが、その会社は「米ぬかクレンジング」を販売しているんですが、米ぬかを流す時に排水口もきれいにしてくれたり、自然にも優しい商品なんです。

普通は、クレンジングはメイクを落とすだけの機能だと思うんですけど、目に見えてその商品自体でSDGsに貢献している会社があるとやっぱり興味をそそられます。

池田さん(小々馬ゼミ):僕もSDGsは重要視しようと思っています。
今までは、誰かがやればいいという考えで「経済」を重要視して、その分「環境」を一切考えてこなかったのだと思います。「誰かがやれば」がずっと続いてきたから、今問題になっているのに、それでもまだSDGsに取り組んでいない企業は、自分としては会社としての信頼度が下がってしまうので、SDGsの取り組みや発信をきちんとして欲しいと思います。

森さん(小々馬ゼミ):私は、やりたいことがもともと決まっていて「アナウンサー」を目指しています。お金よりは自分がやりたいことを人生の中で絶対にやりたいっていう思いの方が強いです。

SDGs的な意味では、やはりテレビ局によっては「男社会」なところがまだまだあると思うので、それをジェンダー的な問題としてきちんと考えてくれるテレビ局に入れたらすごくいいなとは思っています。


■大学生がSDGsについて、「メディアに求めるコト」とは?

加藤(日テレ):みなさん貴重な意見をありがとうございます。
テレビ局を含めて、メディア系の企業はSDGsの解決そのものに貢献しているイメージはまだまだ少ないかなと思うのですが、「SDGsの分野でメディアに対して期待すること」を伺えればと思います。

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森さん(小々馬ゼミ):今は高校生以下のほうがSDGsを学校の授業で取り入れて、学校で学ぶことができるので、実は私たちより上の20代以上や30代以上の人の意識が足りないということを、生活をしていても実感します。

30代以上の人のほうがSNSよりテレビを見ていると思うので、だからこそテレビで30代以上の人に向けてSDGsってこんなに大事だということを発信できるようなコンテンツを作ったらすごく良いと思います。

室井さん(小々馬ゼミ):この前 日テレさんのUpdate the Worldという番組で「女子力」の話をしていたと思うんですけど、その中で「女子力高い」っていう言葉を「生活力が高いね」というような言葉に置き換えてみては?という話があって良いアイデアだなと思いました。

でも、ニュースなどは言葉を変えている印象があったのですが、バラエティーに目を向けるとやはり「女子力高いねー」とかMCの方とかが言うこともあって・・・、そういう「番組の中の言葉遣い」を変えて行けば、私たち若い世代だけではなく、もっと年齢層の高い人にも自然に伝わっていくんじゃないかなと思っています。
小さい部分なんですけど、番組のジャンルを越えて「言葉遣い」を統一してほしいなと思いました。

梶原さん(小々馬ゼミ):基本的にあまりテレビを見ない人なのですが(笑)
今までSNSは情報が間違っていたりとイメージ的に不安もあって、メディアの情報をSNSより信じていたのですが、最近はメディアもコロナの情報で各番組が言ってることが違っていたりして不信感も高まったという声もあるので・・・
私はSNSよりも「しっかりとした情報」をメディアに期待したいなと思ってます。

池田さん(小々馬ゼミ):僕も梶原が言ってた通りテレビはやっぱり「一番信頼できるメディア」であってほしいと思っています。
今はInstagramやTwitterやTikTokでも、何かテレビで偏った報道があればすぐ袋叩きにする感じが出ていて…、確かにテレビがちょっと偏った報道してるときもあるんですけど、テレビは一番信頼できるメディアとして偏見がない報道をずっと続けて欲しいと思っています。


■大学生が「カッコいい!」と思う、企業やインフルエンサ―のSDGsへの取り組みとは?

松本(日テレ):皆さんが、SDGs関連で「この人や企業の取り組みはかっこいいな!」と思うものはありますか?インフルエンサーや、YouTuberや芸能人や、企業やCMでも何でもOKなのでぜひ教えて欲しいです。

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梶原さん(小々馬ゼミ):企業で言うと、先ほどお話ししたサントリーもそうですし、最近見たニュースでコカ・コーラが100%再利用素材を使ったペットボトルを使うというニュースを見て、そういう取り組みが進んでいるんだなって感心しました。

あとは、自分の大学の先輩がSDGsに興味を持っていて、進んで自分でマイ・ストローを持ったりとか、リサイクルされた洋服を着たり、それをSNSに発信してみんなにもおススメをしています。

自分もSDGsのことを調べたりはしてるんですが、なかなか自分で行動するには至っていなくて、そういうことを意識してやってる身近な先輩はかっこいいなと思います。

池田さん(小々馬ゼミ):僕は、一番身近なところではスターバックスが、冷たい飲料もストロー無しの紙カップになったのが良いなと思いました。

スタバは高校生とか中学生とか大学生が頻繁に使うので、そこがいきなり紙カップになったら、「なんでだろう?」とSDGsについて考える機会にもなるなって思います。そういう影響力のある企業が他の企業よりも早くSDGsに取り組んでいるのはすごくカッコいいなと思いました。

室井さん(小々馬ゼミ):私は、芸能人のSHELLYさんが、YouTubeチャンネルをやっていて、そのひとコマで「バラエティー番組の現場で意識していること」というタイトルの動画で語っていたことが印象的でした。

SHELLYさんはバラエティーの「古いいじり方」に対して、私は「笑うのをやめた」と言っていて、周りにとらわれずに自分なりの正解をきちんと持って行動しているっていうところが素晴らしいなと思って、その取り組みがかっこいいと思いました。

森さん(小々馬ゼミ):NIKEがサッカー少女を3人取り上げて、いじめに対して自分たちがどう生きて行けばよいのかを物語にしてCMとして流していることに対して、ジェンダーや差別問題に対して熱い思いがあるなと感じました。
『動かしつづける。自分を。未来を。』
https://youtu.be/G02u6sN_sRc

あとは、日本テレビで放送されている『恋はDeepに』で、石原さとみさんが必死にペットボトルを拾っている姿が何回も映っていたと思うんですけど、これを見てペットボトルがどれだけ海に流れていて、それがどれだけ環境に悪いかということを、石原さとみさんがやることによってすごく伝わってくるものがあるなと感じました。

松本(日テレ):今日初めて知った情報も沢山あって皆さんの話がすごく興味深かったです。ありがとうございました!


いかがでしたでしょうか?
今回は、産能大小々馬ゼミの皆さんにSDGsへの意識について、メディアや企業への視点で伺いました。

次回は、消費や購買の視点から、SDGsとの関係について聞いていく予定です。お楽しみに!