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デザイナーを目指す方に伝えたい、「キリストを知らなかった子」の話

この記事は、「NOT DESIGN SCHOOL Advent Calendar 2023」の企画記事です。

ヤコ夫婦の夫の方、オットです。
これまでに専門学校や社内研修、セミナー・イベント・個人指導など、さまざまな形でデザイン講師やメンターをしてきました。

そして、600名以上の学生やデザイナー志望の方、インハウスデザイナーさんを含めて、デザインを学びスキルを磨こうとしている方にお会いしてきました。

ひとりひとり目指すゴールは違いますし、ひとりひとりの課題も違います。
その中で、どんな方にも共通してデザインをする上で、「こういうものの見方ができることって大事だな」と感じることがあります。

突然ですが、もうすぐクリスマスですね。

皆さんは「イエス・キリスト」という歴史上の人物をご存知でしょうか?
世界中で、最も有名な歴史上の人物名の一人ではないかと思います。

私が専門学校で指導をしていた時、「キリストって、みんな分かるでしょ?」と説明したことがあります。
「キリスト」を誰もが知っているであろう人物名の例として挙げたのです。
その時に、一人の生徒が困惑して質問しました。

「キリストって誰ですか?」

この時に、普段学生に教えている「ものの見方」に通じる点が2つあるな、と感じました。

環境や文化による知識の差に気づけるか?

普段つい忘れがちなのですが、デザインを届ける相手が自分とまったく同じ知識を持っているとは限りません。
環境や文化、受けてきた教育の内容、興味関心などによって、一人一人の知識には大きく差があります。

それは、同じデザインを見ても、同じ認識をしてくれるとは限らない、ということでもあります。

📛このマークは何か?

海外の人々が、「幼稚園の名札の絵文字📛」を「燃えている豆腐」だと思っていることが、これまで何度か話題になっているのを目にしました。

例えば、「未就学児」のアイコンとして「名札の絵文字」をデザインに入れたとき、「燃えている豆腐」だと思って見ている海外の方には、どのように伝わるでしょうか。

情報を整理して、分かりやすく伝達する」というのがデザインの基本。
「このデザインのままで良いのか?」と、より良いデザインを模索することは大切です。

誰もが知っているであろう」ことでも、デザインを見直す視点の重要性に気づけた出来事でした。

未知の分野を、面白がりながら知っていけるか?

キリストの話からもう一つ感じたことは、「知らなかったなら、今から気になって、知っていけばいい」ということです。

好奇心は、大きな強みです。
「キリストって、誰なんだろう!?」から調べはじめて、ワクワク楽しみながら知識を得ればいい。
知らずにあれこれ悩んだり作り直すより、調べたり聞いてみたりすれば良いと思います。

まったく知識のない業界の仕事を、ワクワクデザインする

例えば、実務で自分がまったく知識を持たない業界のデザインに携わることもあるでしょう。
そうしたときに、新しい知識を面白がったり気になって調べたりできるのは、とても大切なことです。

それに、相手の会社や団体、商品やサービスを「もっと知りたい!」と面白がって気になることができるデザイナーがフライヤーやパッケージを作ったら、手に取る人にも想いが伝わりやすくなりますよね。

自分の見方ひとつで、デザインは変わる

本当にこのデザインで伝わるのか?」とより良いデザインを模索したり、
誰かのまだ知らないことを、まず自分が知ってみよう!」と調べてみたり。自分の考え方次第で、見えるものが大きく変わると思います。

自分の興味の範疇の外にあるデザインに目を向けたり、好奇心のままに調べてみることを大切にすると良いよ、と、学生にはいつも伝えてきました。

そういった「ものの見方」も含めて、今後もデザインの指導にあたっていきたいと考えています。

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