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【私の働き方実験】子どもたちの好きや得意に寄り添ったら、国語表現講師のキャリアと子どもたちの学びにどのような影響があるか?

「子どもたちの好きや得意に寄り添ったら、国語表現講師のキャリアと子どもたちの学びにどのような影響があるか?」をテーマに、半年間実験を行いました!

◆実験の目的と背景

キッズティーチャープロジェクトとは?

「キッズティーチャー」とは、今回チーム企画として一緒に研究をおこなう、りりからさん(https://note.com/lilycolor06)が企画したプロジェクトです。

↓りりからさんがまとめてくださっている、
プロジェクト実施のきっかけや概要の記事はこちら↓

なぜ「キッズティーチャープロジェクト」に、チームの自主企画という形で参加することにしたのか、

フリーランスになるまで、私は教育業界で働いてきました。塾講師や教材作成、テスト作成などさまざまな形で子どもたちの教育に携わってきましたが、その中で実現したかったのが「科目学習とキャリア教育の高次元での融合による『生きる力を身につけるプロジェクト』」でした。

アクティブラーニングの活用を模索したり、職業体験プログラムのPMをしたり。さまざまな方法で実現させようとしてきたものの、なかなか自分のキャリアとうまく絡める形で関わることのできなかったプロジェクト。

2023年に入って、新しい働き方LAB二期生としての活動が終わった頃。りりからさんが2023年3月のイベントに向けて興味のある方を募集する発信が目が止まりました。それは、ずっと探してきたプロジェクトの入り口に巡り会えたときでもありました。

そして、実際にイベントがおこなわれる前に、「キッズティーチャーとなった2人のキッズの作った資料や説明を聞いて、内容面のフィードバックをする」という形でリハーサルに関わらせていただきました。

イベント当日は都合で参加することはできませんでしたが、プロジェクトの顛末を聞きながら、改めてこのプロジェクトに関わらせてほしいとお伝えしました。
そして、今回りりからさんと一緒にチームを組んで自主企画として取り組むことになりました。


◆活動結果

・「キッズティーチャープロジェクト」の仕組みを整えることはできたのか?

今回挑戦したいことのひとつに、「プロジェクトの仕組みを整え、今後さまざまな方がプロジェクトに参加しやすくなる土壌を整える」という点があります。

「子どもが先生となって何かを教えるという経験をつませることができる」
「子どもが同年代の子どもたちから何かを学ぶという経験をすることができる」

どちらの経験も、園や学校では身につけにくい総合的な伝達・コミュニケーション能力の向上につながり、またキャリア教育の一環にもなるのではないでしょうか。

この取り組みが広がり一般化していく中で、「教える」という行為が「より知識を持つ人(=先生)から生徒へ」という認識が広まり、「年長者が教えるものである」という前提を変えることにもつながったなら。
子どもたちがワクワクして、子ども同士や大人に向けて、自分の好きや得意を発信できるようになったなら。

さまざまな可能性が広がるのではないかと感じています。

→自分の中では十分にはできなかったと感じていますが、りりからさんと一緒にひとつのプロジェクトの形としてサイクルを整えることはできたのではないかと思います。

キッズティーチャーの募集に始まり、大人たちとの交流会を経て「何について教えたいか?」「自分の好きってなんだろう?」を考えてもらう。
大人も混じって「伝え方」の練習をしたり、発表に必要なプレゼンやスライド制作について学んだり。
そんな中で、発表を組み立ててもらって、リハーサルで課題を炙り出し、修正を重ねて本番へ。

その流れの中に、「キッズティーチャープロジェクト」の仕組みとして取り入れるべきエッセンスはすべて含まれていたと思います。
あとは、個々にブラッシュアップしていく形になるのではないかと思います。

・子どもたちの「自己表現」のスキル向上に、自分のスキルや経歴を活かせるか?

私は今、「国語表現講師」という形で教育の仕事に携わっています。

子どもたちが自分達自身で資料を作成し発信しようとしていく中で、「自己表現」や「文章表現」の面で壁に当たることもあるかもしれません。

私が今、講師として指導しているのは、表現に関することばかりではありません。
文章の背後に見える「人間性」を深めるため、「自己表現」について思いを巡らせ、「自分自身」を深め、気づくためのワークもおこなっています。

こうして指導してきたスキルや、これまでの教育業界での経歴を活かして、子どもたちの自己表現のスキル向上にも携わることができないかと考えています。

→「伝え方」のワークも含め、リハーサルなどへのフィードバックを行なった。一方で、子どもたち自身の自己表現から学ぶことも多かった。

どちらかというと、子どもたちが自分で内容を考えて「これを伝えたいんだ!」という思いを表現しようとしている姿を見て、「うまく伝える方法」という形で型にはめてしまうべきではないなと痛感しました。

まずは、テーマにしても、伝え方にしても、「こんなことをしてみたい」を出してもらう。どうしてもまとまらなくて困った時にだけ「どうしたい?」を聞けば良いのであって、それ以外はすべて子どもたち自身の中に答えがあって、何か教えるようなことではないなと感じました。

◆参加した活動の記録

8/28:第1回目交流会「哲学対話で『好き』を深める」参加者11名(うち大人9名)

”『好き』が生まれるきっかけ”など、『好き』について深掘りをしました。私の持つ国語教育の授業でも、大切にしている「好き」という気持ち。
自分の中での「好き」についても、改めて考えるきっかけになりました。

9/28:第2回目交流会「自分のまち自慢で伝わる伝え方の実践」参加者7名(うち大人5名)

「伝え方」の練習を兼ねた交流会で、「自分が住むまちや訪れたことのあるまちの魅力を自慢し合う」というテーマで「伝わる伝え方」について話しました。

10/12:教えて研究員生!「プレゼン発表で大切なこと」参加者6名(大人4名)

“伝えたいことがいろいろあったとしても「一番伝えたい」ことを伝えられなきゃプレゼンは意味がないよ!”
プレゼン発表をする上で一番大切な軸について、テツさんからお話いただきました。

10/23:教えて研究員生!「Canvaを使ったプレゼン資料の作り方」参加者8名(うち大人6名)

“言葉だけでは伝わりにくいことを伝わりやすくするのがスライド”
オットがプレゼン資料の作り方…というより、「なぜスライドを作るの?」「どんなデザインが良いと思う?」など、デザインというもの自体についての問いを投げかけました。

11/9:リハーサル1回目参加者9人(うち大人7人)

11/15:リハーサル2回目参加者9名(うち大人7名)

2度のリハーサルを経て、子どもたちが資料や発表をどんどんブラッシュアップさせていきました。

11/19:キッズティーチャープレゼン発表参加者13名(うち大人11名)

本番では、子どもたち2人とも、「好きが伝わる」「自分たちの方が大人よりも詳しい」ことを自信をもって発表できていました。

りりからさんのポストを引用しますが、私からも。
最高のプレゼンでした!!

子どもたちの好きや得意に寄り添えた?
国語表現講師のキャリアと子どもたちの学びに、変化はあった?

子どもたちの好きや得意に私が寄り添ったというより、「子どもたちの保護者の方が、これまで知らなかった子どもたちの好きを知ることができた」ことや、「子どもたちが大切にしている『好き』の気持ちを見守ることで、成長を感じられた」ことに意義のあるプロジェクトだったと思います。

自分自身のキャリアについては、今まで以上に「子どもたちから表現を引き出す指導」をしていきたいと感じるようになりました。

子どもたちの学びに変化があったというよりも「子どもたち自身が常に変化・進化を続けていた」のを、見守ることができたというところに最も大きな価値があったのではないかなと思います。

夫婦&家族&ヤモリたちのあれやこれや、意義のある研究から意義のないお遊びまでを記事にしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします!