CEATEC2023
はじめまして!企画部の(知)と申します。
今回から、企画部で参加した展示会などの記録・感想を投稿していくことになりました。企画部の仕事の一端を垣間見られる場ともなれば嬉しいです。よろしくお願いします。
さて、10月は展示会の予定が盛りだくさんでした。
なかでも17日(火)は、幕張メッセで開催のCEATEC2023に参加しました!
CEATECとはアジア最大規模の電子・IT技術の展示会です。今回は600社以上が出展しました。
今回は以下の展示を紹介していきます。
誰もにやさしい製品を(SONY)
ソニーグループではアクセシビリティをテーマに出展していました。こちらは会話支援スマートグラスです。リアルタイムの会話をガラス面に文字起こしし、聴覚障がいの方のコミュニケーションの幅を広げます。筆談など文字に頼った会話では、意図とは裏腹に「冷たい」印象を与えてしまうもの。顔を合わせノンバーバルな側面に重点を置き、自然な会話や距離感を感じることができます。
リアルタイム翻訳機能により、観光客への用途拡大にもなるとのこと。誰かのための特別な製品ではなく、用途・目的に応じて誰もが使えるという着想が、開発の出発点に置かれています。
さらに、視覚に配慮した製品も公開されていました。「XRキャッチボール」では、スマホを振るだけで誰もがキャッチボールを楽しめます。
体験しながら、そもそもキャッチボールとは何だろう? と考えました。遠くへ投げることでも一人よがりでもなく、相手の存在を意識して受け取りやすい球を投げること。体験ブースでは、また投げたいと思う感覚や安心感、くりかえすことの心地よさを感じることができました。
投げ方や回転のかけ方で音に変化が生まれるので、障がいの有無、体力や身体能力、ボール投げの得手不得手を問わずハマってしまう製品です。
ふと子どもの頃に流行った、任天堂のWii スポーツを思い出しなつかしくなりました。
かわいいフクロウが人間を涼しくする?(SHARP)
同社独自の「ネイチャーテクノロジー」でフクロウを模しています。
※ネイチャーテクノロジー: 自然、自然の動きをもとにしてできた技術を指す
フクロウが大空を羽ばたいているように見え、フォルムも相俟ってひときわ脚光を浴びていました。ヒーリング(癒し)効果も抜群で、静寂さもポイントです。ワシや鷹とは異なり、ふくろうが無音で飛行することと関係があるのでしょうか?
「はねやすめ」と言いつつ、一生懸命羽を動かしている姿も逆にかわいいです! 製品化には改名も検討中とのことで、どんなネーミングになるのか気になります。
歩き方センシング&コーチング(京セラ)
京セラは「舞ライフ」実現のもと、近年「人間拡張」領域のテクノロジー開発に力を入れています。技術によって「こうなりたい」という理想の実現や心舞う幸福感が「舞」に含意されているようです。
ブースで展示していたのは、その一環「歩行センシング&コーチングシステム」です。
このシステムは京セラとワコールの共同開発で、3つのウェアラブルセンサ(とても軽い!)を身につけて歩くことで、自分の姿勢や歩き方を測定することができます。
こちらも体験デモに参加しました! 結果は右写真のとおりです(身長等はデフォルト)。
アンニュイとマイルドの中間。姿勢は自分では見えないものなので、可視化はありがたいです。
体験してみて考えたのは、人間拡張には、いま持っている身体性にとらわれない「自由」が追求されていることです。身体の限界や制約を超越することで得られる感覚は、私たちに何者にもなれる可能性までも生み出しているのでしょう。
現在まだ開発、製品への応用途上とのことで、どのように展開されていくのか期待したいです。
聴覚と視覚の融合「ミルオト」(株式会社アイシン・早稲田大学)
スポーツ観戦の楽しさは、視覚的情報や勝ち負けにとどまりません。その場の雰囲気や盛り上がり、空気感も重要素でしょう。「ミルオト」は、スポーツ観戦でのバリアフリーを実現するものです。盛り上がる会場のなかで「今なにが起きたのかわからない」孤独感や、視覚から得られる情報格差をなくし、観戦そのものへの心理的ハードルを上げることにもつながっています。
そういえば、コロナウイルスの影響でスポーツやミュージカルが無観客で行われていたとき、選手や舞台上のようすが異なる気がしました。会場の雰囲気や空気感は、観客によってつくりだされる面が大きいのかもしれません。
2025年デフオリンピックにむけて「ミルオト」のさらなる発展も期待できそうです。
ロボットに心が生まれる未来(東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 亀田研究室)
展示会の一角の大学ブースで目を引いたのは、「ロボットと人間の共存」というワードでした。
亀田弘之研究室では、「思考と言語」を皮切りに医療への応用にむけたロボットを紹介していました。
人間固有の言語の問題はロボットではどうなるのだろう、という素朴な疑問を抱きつつ、ブースにお邪魔しました。
亀田先生のお話では、海外ではロボットの「共感力」や「心」は未だほとんど重視されていないとのこと。とはいえ生活シーンでロボットが活躍している現状、今後を見据えると、いずれも不可欠なものではないか。思考や理解力、言語をいかにして実装化させるかが、ご研究の大変さと楽しさだとお話いただきました。
もし共存が可能となるなら、人間とロボットの間に信頼関係が生まれることも不思議ではないかもしれません。そのとき、ロボットはもはや機械や装置ではなくなるでしょうか?
技術が人間の脅威となるか、それとも望みとなるのかは、お互いがパートナーとなれるかどうかにもかかっている気がしました。
亀田先生、ありがとうございました!
なお、展示会ではほかにもこうしたブースがありました!
展示会を通して、すべての人々にとって暮らしやすい社会への期待が膨らみました。
こうして展示会でリサーチをおこないながら、私も自分にできることに取り組んでいきたいです。
お話を伺ったみなさま、ありがとうございました!
次回リポートはCanon EXPO 2023、それに続いてJapan Mobility Showの記事も準備中です。 ぜひご覧いただければ嬉しいです。
(知)<2023.11.24>
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