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年頭に当たって ~気を引き締めて次の一歩を、創業四十年を迎える~


謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年中も大変お世話になり、ありがとうございます。

 今年7月、創業から四十年目を迎えます。節目の期を前に将来の会社の骨格を決める様々な案件が稼働しています。二十余年を経過し寿命を迎えた基幹システムやHPの再構築、既存書籍の電子化とECサイトの構築、市場開拓のための新ジャンル商品開発や『未来材料』の再創刊、祖業でもあり科学技術ジャーナリズムの原点ともいえるセミナー事業の復活、内外の声を発信するNTSジャーナルの充実等が、この時期に重なったのは偶然ではなく大きな流れといえます。

 NTSはここ5、6年で一回り大きく身軽にもなりました。危機を社員全員で受け止めワンチームで工夫を重ね、売上と原価をそれぞれ2、3割改善したことが奏功しました。その基幹事業の建て直しを通して電子化対応がスムーズとなり、前段の案件が出揃う結果ともなりました。基幹事業を建て直すことで、私たちはビジネスモデルの未来へのチューニングを期せずして同時に行っていたともいえます。

 さて、基幹事業は身軽くはなりましたが磐石とはいえません。前段の案件は何れもそれなりの投資を伴うので対応を間違えると基盤が揺らぎます。ではどうすれば良いか? 今、大切なことは、これから先の事業の意味だけでなく、これまでの事業の意味をしっかり紐解き、理解をさらに深めることでしょう。過去四十年の歴史の再評価が必要な時期なのです。一例を上げれば「二十年目の危機は何故起こったのか?」、その答えを全員が共有しなければ四十年の先の何処かで必ず同じことが起こるでしょう。

 今、「四十年社史」を手掛けようとする目的はその検証のためでもあります。“ジャーナリズム”を忘れた出版社は必ず滅びます。その原点にどうすれば回帰でき、また、持続できるか、今、最も問われるテーマでもあります。今一度、“確かな情報を次世代に伝える”という企業理念を呼び覚まし、気を引き締めて次の一歩を進める年にしたいと思います。

みなさま、ありがとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。


令和6年 元旦        
株式会社エヌ・ティー・エス 
代表取締役社長 吉田 隆