見出し画像

FOOMA JAPAN 2024 レポート

 こんにちは! 企画部の(由)です。
 今回は6月4日(火)~7日(金)東京ビックサイト(東展示棟全館)にて開催されたFOOMA JAPAN 2024についてリポートします。
 FOOMA JAPAN 2024は、世界最大級の食品製造総合展示会です。今回は過去最多の989社が出展、113,777名が来場しました。    

FOOMAアワードの看板 優秀な食品機械を表彰し食品業界に周知する試み

出展されたブースの中からいくつかご紹介していきます。

3Dフードプリンターで食品に造形の自由を
 (武蔵エンジニアリング株式会社)

 
 テーマパークやレストランで時折見かける立体的なチョコレート細工ってどうやって作っているのだろう…? と考えたことはありませんか?
 その答えのひとつが武蔵エンジニアリング株式会社のブースにありました。
         

3Dフードプリンター

 パソコンで描きたいデータを読み込ませると、チョコレートが噴射されて立体的なオーナメントが簡単に作れるのです。
 実際にデモンストレーションを見ましたが、一回の噴射はごく少量なのに徐々に積みあがって形になる様子がとても興味深かったです。
 

プリンターから出力されたチョコレート細工・飴細工

        
 流動性のある食品であれば応用が可能で、飴や魚のすり身なども自由に成形できるそうです。これなら、テーマパークやレストランだけでなく、柔らかい食品を多く扱う介護業界でも応用ができるかもしれませんね。

消費期限・賞味期限がのびる!? 
 残存酸素・二酸化炭素計(飯島電子工業株式会社)


「もったいない」と思っていても消費期限・賞味期限切れで食材を処分してしまった経験、あるかと思います。
 まだ食べられるのに様々な都合で捨てられてしまう食材、いわゆる「食品ロス」が日本では年間523万トンにおよびます。これは世界の飢餓に苦しむ人へ供給される支援食材の1.2倍(2021年時点で約440万トン)にあたります。
 
 昨今では消費期限・賞味期限を延ばすため、パッキングされた食材に保存効果の高いガスを封入する、ガス置換包装(MAP包装)とよばれる手法が出てきています。
 この手法を使うと今までは2~3日しかもたなかった加工総菜も、10日ほど保つようになるそうです。
 

残存酸素・二酸化炭素計

 残存酸素・二酸化炭素計は、そんなガス置換包装にまつわる様々なシーンで活躍しています。品質を保つためにベストな包材、食材へ充填するガスの配合量、出荷前の検査などです。
 今は期限が短く、足が速い食品も5~10年後には長持ちする食品に変化しているかもしれない、と思うとわくわくしますね!

ロボットアームが農家に……? 
 植物工場の取り組み(株式会社安川電機)

 
 展示ブースの奥に明るくて眩しい棚を発見しました。中では2色のレタスがロボットアームで上へ下へと循環しています。
    

左右のロボットアームでレタスひとつひとつを動かす

  
  植物工場システム「アグリネ」は種まきから生育、収穫まですべて自動で管理をします。苗の種類や育ち具合を自動で判別、最適な生育環境のもと収穫ができます。
 また、栽培のすべてをロボットが担うことで無人化を実現。虫をはじめとした異物の混入が防げ、より安全に野菜を楽しむことができます。
 天候にも左右されないため、一年中価格や出荷量を調整する必要がなく安定供給できるのも魅力です。メニューの変更が効かない結婚披露宴の料理などで植物工場製の野菜が占める日もそう遠くないかもしれません。

AIが経験から異常を知らせてくれる検査機器 (アンリツ株式会社)

 
 食事中、ラップや髪の毛といった異物を口にして嫌な思いをしたことがある人もいるのではないでしょうか。X線検査機はそんな食品業界ではあってはならない異物混入のリスクを減らすことができます。
 

外付けAIが学習して、X線では見つけられなかったエラーを検出する

  写真のX線検査機はAIと協力して異物を検知する機械です。
外付けAIに今までに起きた認識エラーを覚えさせることで、X線では判定できなかった異物や異常を発見することができます。肉と同色のため見つかりづらかった鶏肉の軟骨などもAIの「経験」からエラーとして検知できるそうです。
 
 これぞまさにフードテック。「安全・安心」があってこそ「おいしい」につながると考えられる現代ならではの機械ですね。
 
 展示会を通して、食材だけでなく機械からもさらなるおいしいが発見、発展していく希望を見ることができました。普段何気なく食べているモノにも様々な技術が盛り込まれているのだと思うともっともっと知りたくなってきました!
 
 会場にてご説明いただいたみなさま、ありがとうございました!
 
                     (取材:由)<2024/06/12>