愛する対象が遺伝子だって良いじゃないか

最近一目惚れした漫画がある。

「お前は俺を殺す気か」(著:シザサワカヤ)

たまたまTSUTAYAにサンプルがあって、ぼーっと読んでいたらガツンと激しく揺さぶられるシーンがあったため、帰宅後速攻Kindleで購入した。

ざっくりあらすじを説明すると、優秀なデザイナー「芝」のもとで働く「橋本雪江」と、のラブストーリー、でいいのか?いいのか???説明がつかないので、気になる人は読んでほしい。1回読み終わって、ちょっと考えて、2回目読みたくなる。台詞の端々に深い意味があって、これこういう意味か!って新しい発見がたくさんあるので、ほんとぜひ読んでほしい。(2回目)
あと、芝さんがデザイナーなだけあって、言葉のチョイスが綺麗。

さて、私がノックアウトされたシーンがこちら。

わかる。すっごくわかる。何がわかるって

『コレの中身に 興味がある』

文章も、絵も、音楽も、ダンスも、お笑いも、映像も、創作も、仕事の内容も、仕事のやり方も、考え方も、自分の想像に及ばない世界を持つ人が好きだ。大学時代に好きになった先輩も、彼の作る映像のセンスが好きだったからが一番の理由だった。

全ての創作物は作者の生き写しだと思っている。だから、きっと私は上手な文章を書く人に憧れを持って、考え方が独特な人に恋に落ちる。

その人のセンスがほしい、考え方がほしい、脳みそが、ほしい。だけど私自身にはそれらを受け取る器がないのだから、せめて

遺伝子が、ほしい。

彼の遺伝子を取り込んで、新たな遺伝子を構築したい。その遺伝子を持って生まれた子どもに、私と彼の愛と考え方と優しさを注ぎたい。そして新たな才能を持って世に出てほしい。

なんて話をすると大多数の人間にドン引きされる。だから、このシーンを見て、「いいんじゃん、好きになった理由が『脳みそです』でも」って思えてすごくスッキリした。まあ言い方なんでしょうけど。

「君の中身に興味がある」と言いながら、耳を柔く食み、そして君の脳みそまで食べてしまいたい。私と遠くかけ離れた、その独特な中身に、直接触れたい。

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