私は怒り方がわからない

カタカタとキーボードを打つ指にぐっと力が入る。カタカタと響いていた音が一変、ダン、ダン、と響き始める。指先にこもる怒り。指先だけにこめて、顔は、冷静に、崩さないように。抑えろ、抑えろと自分に言い聞かせる。

私は短気な自覚がある。沸点が多分低い。すぐイラっとする。普通にモノにあたったりする。もちろん誰も見ていないことを確認してから。キーボードを強く叩くのも、誰も見ていない前提でイライラを思いっきりぶつける。壊れない程度でね。

けど、短気の自覚があるからこそ、コントロールができる。できてると思う。多分。モノにはこっそりあたるから、人にはあたらない。できる限りニコニコして、ごきげんでいる。人あたりの良い先輩、話しやすい先輩を演じている。そのほうがみんな仕事もやりやすいしね。

ただ、ニコニコ先輩には弊害があった。

気のせいかもしれないけど、後輩になめられてる。

別に、私のことをなめてきたってどうでもいい。けど、仕事をなめてる様子が見て取れてしまった。せめてバレないようにするなら勝手にどうぞ、と思うけど、私の前で堂々となめくさった行動を取っていて唖然とした。叱らないと、と思ったけど何も出てこなかった。もーだめだよーと言って終わってしまった。本当は怒りたくて仕方がなかったのに。
その夜は怒りで寝れなかった。なめられたことに、正しく怒れなかった自分自身に。あの時何を言えばよかったのだろう。

怒りをコントロールしすぎて、どうやって出して良いかわからない。

思い返せば、以前飲み屋でセクハラ発言を受けた時もそうだった。本人を前に何も言えなくて、正しく怒れなくて、狂って寝れなかった。

怖いのだ、制御をしなければ私はエグいことをボロボロと口にすると思う。人格否定も当たり前にすると思う。馬鹿じゃないの、とか、今までなにやってきたの、とか、多分平然と言う。(だって頭の中で激しい罵詈雑言言いまくっているので)言って、その後、己の口の悪さに自己嫌悪してそれはそれで寝れなくなると思う。そして、その後の関係性を想像してしにたくなるだろう。せっかく心を開いてくれているのに、もうシャッターを閉ざして二度と話してくれなくなる。

どうやら「アンガーマネジメント」は怒りを抑えるだけでなく、怒りを正しく伝えることも含んでいるらしい。少し学べば伝え方もわかるだろうか。



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