日記(2023/05/23) #まじ日

フルフレックスと言いながら毎朝9時から朝会があるので、8時半ごろには勤務を始めている。
今日は起きたら8時50分だった。
いつも、パジャマからパジャマのような服に着替えているのだが、今日はパジャマのままパソコンをつけて、何食わぬ顔をして朝の挨拶をした。
ただでさえパジャマとパジャマのような服の区別がつけづらくなっているのに、いよいよ難しい。

夜は『あのこは貴族』を見た。

松濤で暮らす開業医の娘である華子と、地方から上京してきた美紀の話。こういう話はディティールに、ヒェ!となるのが楽しい。カジュアルな服にバーキン(たぶん)を持つ華子、よかったです。
1番、ヒェ〜〜!となったのは、友人の逸子に階層の話を振られた華子が「考えたこともなかった」というところ。私は階層のことも東京/地方のことも、ずっと考えているのに、松濤からは見えないんだ!と慄いた。
だからこそ、松濤の上流階級と、富山の田舎コミュニティが似てるのかもねという美紀の言葉にハッとした。親をトレースするという意味では、ド都会も地方も変わらない。

華子と美紀が共通して「仕事」と「友達」によって、狭コミュニティから抜け出そうとしたり、人生を取り戻そうとしたりするのも、見ていて爽快だった。経済力と友人、大事。

とはいえ、今の私は、東京上流階級にも上京にもそんなに興味はなくて、それよりも「実家が東京の中流家庭で育った人の普通」が気になっている。気になっているというか、感情が動く。
だからか、思ったより「東京/地方の話」としては、刺さらなかった。数年前だったら、ぶっ刺さってる可能性はある。

というわけで、先述の通り、ディティールや見せつけられる文化資本を楽しんだ。
華子が「家事手伝いをしています」って言ったところヤバだった。家事手伝いが許される存在であるためには、婚約者の実家で値踏みされることにも耐えなくてはいけないし、和室に入る前に正座で礼をして、にじりいることができないといけない。世間知らずのお嬢様が知っていることってあるんだなぁと思った。
この映画を見てると、格差婚なんてほぼありえないのかも、という気持ちになる。階層が違う人たちの会話はお互いとにかく居心地が悪い。誰も悪くないけど、うまくいかないのが「育ちの差」なのかも?っていうのがビビッドに描かれていた。

そんでもって、これはまだ自分の中で、未検証だけど、私、もしかしたら、シスターフッドがあまり刺さらないのかもしれない。めちゃくちゃ刺さりそうなのに!なんでだろ。
この映画も、バリバリのシスターフッド映画なのに、思ったよりグッとこなかった。
もうちょっといろいろ摂取して考えたい。

にしても、出てくる男が、少なくとも結構みんな最悪だったな。全員それぞれ最悪だった。
女は階層で分断されて分かり合えないのに、男は女を通して階層を簡単に超える(超えてこようとする)の、まじなんなん……と思った。
生まれながらの名家長男の幸一郎が「とにかくうまく跡を継ぎたい。夢や展望ではなく、そういうふうに育てられてきた」的なことを言っていたのは、絡め取られる男のツラさやプレッシャーが滲み出ていたが……男もツラいって……でもまぁだいたいの男は最悪だった。

ディティールもそうだけど、音楽とか、シーンとかが、綺麗でよかったな。映画として見ていて楽しかった。
門脇麦が鈴のような声で喋るのもとてもよかった。金持ちってバタバタしていないんだな。あと、姿勢がいい。


そんな感じで映画を見る2日目。
あしたもまた何か見ます。

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