【入居者、賃貸オーナー向け】レオパレス賃料減額請求訴訟(和解)について
1 はじめに
昨年5月頃、レオパレスさんが家主に対して起こした賃料の減額訴訟で和解で解決しました(いわゆるサブリース事業)。レオパレスさんが和解に応じるのは珍しいかなと思いますので、以下、簡単にメモ書きさせていただきます。
借地借家法32条1項は、経済事情の変動や近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となった場合において、当事者は、契約条件にかかわらず、将来に向かって賃料の増減をすることができる旨を定めています。
今回の案件は、その「不相当」といえるかどうかが一つの争点になった模様です。
2 レオパレスのビジネスモデル
レオパレスさんがここまで賃料の減額について強気なのは理由があるようです。
以下の記事が分かりやすいので引用します。要するに、本来の家賃相場より高い金額で家主から借り上げているため、減額請求をする余地がある程に不相当な事由は生じやすいということですね。ただし、その代わりに、家主さんはレオパレスさんを通して高い金額で建物を建てていることが多いので、建築代金の支払い(多くはローン)に充てるために毎月の高い家賃を見越している、しかしレオパレスさんが支払えなくなるとその建築代金の支払いも見込めなくなってしまうと言うことです。
こちらはレオパレスさんが過去に不況に立たされたときに他社から支援を受けた際の記事です。
3 レオパレスが和解を進めた背景事情
色々調べてみると、レオパレスの裁判はいくつか起こされているようです。
こちらは、レオパレスが一方的に賃料を減額して支払をした結果、減額分を家主が請求した事案。レオパレスが敗訴した事案のようです。
上記の件と関連して言えば、同様に敗訴判決を受けるリスクも会った可能性があったからこそ、和解に応じたのかも知れません。
レオパレス関連の訴訟や交渉トラブルは今後も続くと思いますが、適正な家賃ビジネスを考える上でも、引き続き注力していきたいと思います。
4 その他
参考までに、こちらは、レオパレスと合意して減額した賃料について(経済情勢、近隣相場家賃等を勘案して、協議の上2年ごとの改訂)、実際に減額合意してから2年後に増額請求をしたもののレオパレスが応じなかったため増額請求の裁判に至った案件。
判決言渡しまで至ってますが、裁判所は、減額合意をした際の金額がいまだ不相当に至っていないとして、家主さんの請求を棄却しています。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/064/089064_hanrei.pdf