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ほかと違うのは 『プリティ・イン・ピンク』ハワード・ドゥイッチ(映画 1986)

好きな映画の一つだが、どうしておもしろいのか考えた。

主人公のアンディ(モリー・リングウォルド)はどうか。
優等生。おしゃれ。恋をしている。弱点は、家が裕福でないこと。
しかし、この弱点は不十分だ。これだけではつまらない。

ダッキー(ジョン・クライヤー)だろうか。
彼は、アンディに負けないくらい個性的なファッションに身を包んだ、どこか中性的でかわいい男の子だ。アンディと幼なじみということは、つまり、ダッキーも「持たざる者」。幼なじみのアンディに、やや強引な片想いをしている。ほかに好きな人がいるアンディはつれない態度だが、ダッキーはめげない。

もしもダッキーが「男っぽい男」だったら、アンディとの距離感は異なっていただろう。アンディの部屋で、2人きりでベッドに寝転んで勉強するシーンはありえなかった。
アンディとダッキーの友情は、”ダッキーがダッキーだから”成立している。
そして、この男女の友情によって、ありきたりな青春ものとは一味違うストーリーが実現している。

おもしろさの要はダッキーのパーソナリティだ。

今回、この映画を母と一緒に見た。私も母も、過去にも見たことがあった。
「このダッキーって子、こんなに出てきたっけ?」と母は言う。一方で、私はむしろ、アンディの恋人・ブレーン(アンドリュー・マッカーシー)の役回りを完全に忘れていた。
私から見ると、「だって、ブレーンは全然輝いてないじゃない?ダッキーのほうがメインキャラクターでしょ」となる。

⭐︎食の場面
アンディがダッキーに飲みたいものをたずねる。「コーラ、ジュース、ミルク?」
牛乳が選択肢にあるのが、記憶の端に引っ掛かった。

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