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『ウェディング・クラッシャーズ』デヴィッド・ドブキン(映画 2005)

ジョンとジェレミーは、ろくでもない「結婚式荒らし」の相棒同士。あちこちの結婚式で、出席者の女性をナンパする。しかし、ジョンが本気の恋に落ちたことで、状況が変化し始める。

「本当の愛とは、共に歩める魂が出会うこと」
ジョン(オーウェン・ウィルソン)が、恋した相手、クレア(レイチェル・マクアダムズ)にいう言葉。クレアは「陳腐な表現」と返す。そのとおりだ。
しかし、これはクレアのための言葉ではないと思う。実は、ジョンと友人のジェレミー(ヴィンス・ボーン)の関係を表している。そして、そうだとすれば決して陳腐ではない。

例えば、冒頭の離婚調停のシーンで、妻が夫を"Hill Billy", "White trash"と言って罵っていた。ジョンとジェレミーが仲違いした時、これと全く同じことをジョンがジェレミーに言う。
「相棒を見捨てるな」といった台詞も繰り返される。
さらに、ジョンがジェレミーに「愛してる」と言う場面もある。

もはや、ジョンとクレアも、ジェレミーとグロリアも、どうでもいい。
これは「ジョンとジェレミー」の結びつきの話。
ただし、同性愛の隠喩があるとは思わない。それは、既存の枠にはまらない、彼ら独自の友情だと思う。

笑いっぱなしの映画は久しぶり。冗長なところもあるが、楽しい作品。ともかくクリストファー・ウォーケンが出ているなら、私は何でも見る。その上、本作はオーウェン・ウィルソン主演。
残念ながら、ウォーケンの役柄は無個性だったけれど、別によい。なにを見ているか分からない、ガラス玉みたいな目だけで、十分によい。

・食の場面
もちろんウェディングケーキ。調子に乗ったジェレミーが、ケーキをつかみ喰いしている。そんな場面はほんの一瞬で十分なのに、やけに長い。

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