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集団から個に転換したら︰日本の人口減少について

日本の出生率が下がりつづけているらしい。2019年の合計特殊出生率は、1.36。
政府は子育て支援策をまとめた。児童手当の拡充や、保育園の増設など。

ニュースで、解説者が言っていた。
若い世代に、子育てをリスクと考える風潮が広がる兆しがある。「子育て=回避したいもの」とならないために、経済的な支援をしなければ。

……そうかな?

この社会・経済状況で、子どもを持つことを躊躇するのは不思議じゃない。
それに、結婚するもしないも、子どもを産むも産まないも、各自が選ぶことができるのはよいことだ。
だって、自分の人生だ。選択の自由はあるべきだし、それを訴えてきた先人がいるからこそ、今のように可能性が増えたのだとも思う。

今必要な対策は、「産めよ殖やせよ」ではないと私は思う。
それより、人口が減少する中でも、生活に満足できる社会をつくることだと思う。

世界全体では人口はどんどん増えて、食糧や飲み水が不足している。
「人口はマイナス、幸福度はプラス」の社会を実現すれば、現在人口増加に悩まされている国の将来的なロールモデルにもなるかもしれない。

具体的に、どんなところが変われば、そんな世の中になるだろう。
私は自分の身近なところでしか考えられていないけど、その中で思いついたことは2つ。

1. 労働時間の短縮
2. 高等教育の無償化(合せて、大学改革も必須。入学試験ではなく、進級・修了時の審査に重点を置く)

労働時間が短くなれば、自分の興味のあることを掘り下げたり、新しいことを始めたりできる。今回のコロナによる自粛期間に、その可能性を感じた人は少なくないはず。
もちろん、家族との時間も充実させられる。育児と仕事の両立もしやすくなる。
同じ理由で、在宅勤務の促進もいいと思う。通勤にかかる時間を他のことに振り向けられる。カルビーや東芝のような取り組みが広がるといい。

労働時間が短くなれば、収入は減る。
そこで、高等教育の無償化。
給付型奨学金も必要だけど、それは生活費に使えるものにすればよいと思う。
大学の授業料は「無償」とし、成績や収入による制限は設けない。
なぜなら、成績優秀者を対象とすると、保護者の所得が多いほうが有利になるから(世帯収入と子供の学力には一定の相関がある)。また、経済的な理由の要件を設けると、その要件から漏れる層は、依然として教育資金の蓄えに身構えなければならない。

人口が減るのを止めないということは、競争力とか、GDPとか、市場規模とか、今までの尺度では「縮小」「衰退」ということになる。
でも、別の尺度を選んだらいいと思う。

私の想定する別の尺度とは、「集団」ではなく「個人」を重視するということ。
国の経済成長ではなく、個人の人間的成長。
全体目標の達成ではなく、個人の日常の充実。
それは多様性を認めることでもある。

個人から出発するけど、その個々人の活動によって輪が広がり、地域の活性化にもつながると思う。

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