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『実家本屋改造計画』①「敷地外」

親父の手術の立ち会いのため、待合室でこれを書いている。地元山形のどでかい病院だ。

なんともしんどいのだが、手術は12時間から15時間かかるらしい。命にかかわる系ではないので、心配はご無用。だが、ほったらかしておくと死が近づくとの事で、今回の大手術を決行という事らしい。

この文章を書き始めた今の時刻は、13時をまわったところである。やっと4時間ほどが経過した。先は長い。親父は全身麻酔のため、起きたら全てが終わっている。私は、緊急用のPHSを渡されており、何かがあった時のために、ずっと病院にいなければならない。これは、私の方が逆に病気になってしまいそうな感じだ。

言いたいことも言えないこんなポイズンな世の中のため、病院の敷地内は完全に禁煙である。喫煙室は消滅した。吸いたくなったら、病院の敷地外に出て近くのコンビニやらに行って吸わねばならない。しかも病院から離れすぎるとPHSの電波が届かないのである。届かないと何かあった時にまずい。何ともめんどくさい。誰か助けてください。反町隆史。

私の親父は、実家の前方部分でデザインやらDTP、印刷物の事務所をかまえている。昔は東京に事務所があり、単身赴任的な感じを出しつつ東京と山形を行き来する親父は、スタッフを抱えブイブイやっていた時期もあったが、あいにく私はその恩恵には全くあずかれず、バブルが弾けた。

小学生の時に、事務所を引き上げるから、と家族総出で片付けに行き、くたくたになった私たちはそのまま事務所のでかいソファーで川の字で寝た。たしか事務所の脇にでかい道路があり、そこを走る車のライトやテールランプのカラフルな光が窓からたくさん入ってきて、それがすごく綺麗だなと思った記憶がある。

ここまで書いて一旦昼食を取る。もちろん敷地内で。

病院内の食堂で鳥中華を食べた。鳥中華というのは、山形でよく食べられている中華そば、まあ醤油ラーメンである。(鳥中華のWiki)色んなお店の通販などもあるので、気になった方は『山形 鳥中華』もしくは『山形 鳥そば』などで検索して是非食べて頂きたい。あっさり系かつ鳥の油や旨味が出ているので美味しいはず。ラーメンか蕎麦かはお好みで。ちなみに、私は調子にのって、ミニチャーハンのセットを頼んでしまった。ヘッダーの写真はそのセットである。

そして、食べ終わった今の私は、とんでもなく眠い。待合室に来てみるとお婆さんが居眠りをしているので、私も少しウトウトしたいと思っている。ソファで横になっても大丈夫だろうか。そういえば、食堂がご老人だらけで日本、もとい地方の高齢化を感じて震えていたのだが、いや、そもそも若い人がいっぱい病院にいたら、それはそれでまずいか、と考えなおした。

あと、9時間くらいで終わるだろうか。まだ9時間もあるのか。

続く。
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新刊をリリースして、その通販を始めたばかりなのですが、本当にたくさんのご注文を頂きありがとうございます。注文をくれた皆様をとてもお待たせしている事が、私はとても心苦しいです。山形方面に向かう新幹線に乗るギリギリまで発送対応をさせて頂いたのですが、どうしても間に合わなかった方もおりました。楽しみにしてくれている方、大変恐れ入りますがもう少々お待ち頂ければ幸いです。東京に戻り次第、順次発送していきます。書店様からもご注文を頂いておりますが、お待たせして申し訳ございません。

新刊、引き続き、下記の記事から気になる方は是非チェック頂ければ幸いです。

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