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気軽に乗りたい!シェア電動キックボード

シェアサイクルならぬシェア電動キックボードなる存在をご存知であろうか。

欧州では、シェア電動キックボードが街のあちこちに配備されており、好きなところで乗り、好きなところで乗り捨てができる便利な存在だ。シェア電動キックボードは、近年注目されているMaaSのラストワンマイルを繋ぐ交通手段として期待されている。

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ここはアメリカ西海岸のロサンゼルス。

……ではない。日本の千葉にある稲毛海浜公園である。現在、日本ではここ千葉の一部地域を含め数カ所で実証試験中のシェア電動キックボードを利用することができる。

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スタンドに並べられている電動キックボードは、自転車よりも場所を取らない身軽な存在だ。

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千葉における実証実験はWINDと組んで行っているものである。WINDはベルリンを拠点に世界でシェア電動キックボードを展開している事業者だ。

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実証実験は実験であるからして細かいルールが存在している。広い敷地の稲毛海浜公園においても、公園内を自由に走れるわけではなく、速度制限や通行可能道路が定められており、やや窮屈さを感じる。

WINDの概要と利用方法
■運営時間:9:00~18:00
■利用対象:18歳以上(原付1種運転免許保持者)
■利用料金:
 ▼スタンダード料金
  ・ロック解除100円+25円/1分
 ▼ライドパス料金(サービス提供時間内に限る)
  ・1時間パス 850円/時間
  ・1日パス 2,000円/日
■バッテリー駆動時間:フル充電で約60kmの走行が可能
※ヘルメットは本体に付属(利用無料)されています。

<利用方法>
①専用アプリをダウンロードしてユーザー登録
②各ステーションのスクーターの近くでアプリを起動
③アプリで運転免許証情報を入力しロックを解除して運転開始
④終了時は各地のステーションに戻しロックをかければ終了です
PR TIMESウェブサイトより

電動キックボードの日本における立ち位置は原動機付自転車のため、運転免許書の携帯とヘルメット着用が必要となる。

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写真はハンドル周り。左の赤色のレバーはブレーキ、右の緑色のレバーがアクセルである。急発進による事故を防ぐために、最初は地面を蹴って発進してからでないとアクセルレバーが効かないようになっている。

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前側には充電端子、後部には駐車用スタンドがある。走行時には左右の足を一直線になるように乗せるのが正しい乗り方らしい。

各電動キックボードにはヘルメットを入れた袋がぶら下げられている。

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駐車した状態を側面から見たところ。ヘルメットを収納すると袋が目立つ。

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シェア電動キックボードを使用するには、事前にWINDアプリの導入と、個人情報・運転免許証・クレジットカードの登録が必要である。

車両に取り付けられたQRコードを読み込むことで利用開始ができる。

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最高速度は20 km/h程度ということで、速めの自転車と変わらない。電動キックボードはバランスを取るのが難しく、あまりに速度を出すのには危険を感じる。

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方向指示器(ウインカー)を持たない電動キックボードは、方向指示器を持たないため、右左折時には乗る人が手信号を行う。

原動機付自転車扱いのため歩道の走行はできない。かといって、信号があるような大きめの交差点で曲がるときは一度降りて横断歩道を渡らなければならない。不便なところを掛け合わせたような存在である。
(写真は歩道で押し歩きしているときに撮影したもの)

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最寄りの駅である稲毛海岸駅まで乗車してみたときのスクリーンショットがこれだ。上には乗車時間と費用が表示されている。

解錠時に100円が掛かり、そのあと1分ごとに25円ずつ加算されていく料金体系だが、30分程度乗るのであれば850円の1時間パスを購入したほうが良さそうだ。

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返却するときは、指定場所に駐車した上で駐車状態の写真を撮影して送信することにより返却証明となる。返却後は、アプリ上で乗車時間と距離をライドサマリーで見ることができる。このときはGPSがうまく動作していなかったようだ。

スクリーンショットを見て感じたであろうが、6.7 km、24分で700円である。同区間はバスに乗ると170円で移動できることを考えると、現状は完全に物好き向けのサービスである。
日本では乗り捨てができず、指定場所に返却するしかないので本来の電動キックボードの持ち味が失われているようにも感じた。

記事タイトルに「気軽に乗りたい」と書いたのは「気軽に乗りたくなる」という意味ではない。「気軽に乗らせて欲しい」という願望である。

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