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日本一の紅葉スポット?上高地の涸沢(からさわ)カール

異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。

10月に入ってキンモクセイの咲く時期となった。それでも街中の葉は青々としていてまだまだ秋は遠いように感じるが、標高の高い場所からは紅葉が始まっている。

今回の異次元空間では、日本一美しい紅葉とも言われる涸沢(からさわ)カールについて紹介してみたい。

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上高地の入り口、有名な河童橋も近い上高地バスターミナルから歩くこと3時間ほど。写真は横尾の吊り橋である。
横尾までは比較的平坦なハイキングコースであるが、ここからは本格的な登山道となり、傾斜もきつくなる。山岳地図やコンパスといった登山用具を携行しているか尋ねる警告文が掲示されている。

事実、この日は遭難者を探すヘリコプターがしきりに山頂周辺を飛んでいた。

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写真中央の奥穂高岳を望みながら徐々に高度を上げていく。近いようでもなかなか近づかないものである。

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上高地バスターミナルを出てから片道6時間。涸沢カールへと至る終盤の上り。このあたりにつく頃にはすでにヘトヘトだ。

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これが涸沢ヒュッテから見た日本一の紅葉、涸沢カールである。紅葉する山並みもさることながら、テントも色とりどりで美しい。

「涸沢の紅葉を見ずして穂高を語ることなかれ」は有名な名言。穂高連峰を仰ぐように形成された涸沢カールはまさに天下一品の紅葉スポットで、涸沢ヒュッテのテラスからは華やかに彩られた絶景を仰ぎ見ることができます。
そして毎年紅葉の最盛期には涸沢カールのテント場は色とりどりの数百〜1,000張のテントで埋まり、紅葉は例年9月中旬頃より色づき始め、見頃を迎えるのは9月下旬から10月上旬頃となります。
上高地公式ウェブサイトより

写真左に見える赤い植物を手前にして撮影するとさらに映えることを知ったのは、惜しくも下山後のことであった。

ちなみに、涸沢カールのカールとは、氷河によって侵食されてできた地形の種類を指すという。丸くえぐられたような場所がそれだ。

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涸沢ヒュッテは標高約2300メートル、上高地バスターミナルが標高約1500メートルなので、高低差としては800メートルである。
写真左下には小さく登山客らが写っている。

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涸沢ヒュッテのごちそうは、このおでんとビールのコンボ。記憶では1400円だったように思う。登山で疲れた身体におでんのちょうどよい塩気とビールの苦味が染み入る。紅葉を見ながら食べるのはまた格別だ。

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これからさらに6時間かけて帰る現実から目を逸らしたくなる美しい紅葉に包まれた下山道である。夕方、終バス間際で上高地バスターミナルにつく頃には体力をすべて使い切っていたのは言うまでもない。

片道6時間、往復12時間にも及ぶ登山をした人だけが見れる日本一の紅葉、涸沢カール。

日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。

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