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命の火


いつからか
ろうそくの匂いを数える様になっていた。
増えていく灯火に少しづつ
ワクワクしながら
歌を聞いていた


ろうそくの匂いを忘れていた
増えた灯火を懐かしく思い
ふと、歌を口ずさんでいた



気づいたら
ろうそくに火を付ける様になっていた。
少しづつ増えていく灯火が笑顔を照らす
君の為に歌を教えていた



どれだけのろうそくに火を灯したのだろうか…
どれだけのろうそくに火を灯してもらえたのだろうか…


そして
私を産んだ誰かの
灯火も同時に守ってきた。
私もその灯火の一つとなるのだろう
温かさのなかの恐怖が少し
幸せを噛み締めさせてくれた。
怖さの中でひとつ大きな火になった。

それと同時に

きっと、この子も
いつか誰かの為に火を灯すのだろう…


ありがとう


待っていたよ
君がこの世界に生まれてきてくれたこの幸せな瞬間を