自分が理解していないことは他者に説明が出来ない
これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事をしてきました。
製造業を中心に業務をしてきて気が付いたことを記します。
製造業の仕事には、知識労働と技能労働がありますが、役職者になると当然知識労働となります。知識労働は、仕事の進行状況が見えないこともあり報告や結果待ちになります。
報告結果待ちなので、指示したものが成果物として期待したものが出来てこない場合があります。これは、指示内容が相手に伝わっていない、理解されていないことが原因で起こります。
指示側の伝え方、受け取り側の誤解に伴う事で起こると思います。
役職者同士の指示となると、例えば課長と係長であれば、課長からの業務指示は抽象化した指示になりやすい。課長の範囲と係長の範囲では抽象化レベルであったり具体化のレベルも違ってきます。
課長指示の仕方が最終的にこうしたいから係長に検討してと指示をする。係長から検討の結果は、こうですと報告がある。
ところが、課長と係長の間に齟齬が起こり、やり直しになることがある。
課長からの指示が抽象化した指示なら特にこういった齟齬が起こりやすい。
特に製造部の一般職から役職者となると製造の作業手順とは違い、抽象化したり具体化することが本業になるのですが、仕事が変わったことが直ぐには理解出来ていないことが理由にあります。
また、抽象化したことを具現化する場合に特に起こりやすい。
よくよく、聞いてみれば抽象化することが出来ていないのです。
抽象化して、具現化する過程で階層化していくことになる。
これが、上手く出来ないのです。
このタイプの人は、『抽象化』『具体化』『階層化』のワードは知っているがどういったことなのか理解出来ていないことで起きます。
例えば実施計画を作成し、担当者を決めて、会議を開き説明や意見の摺合せを行っても実は勘違いしていたり、伝わっていなかったりします。
どこの企業でも定期的に進捗を確認する機会を設けて会議体を開いて、毎月1回、もしくは月に2回程進捗報告会を行うのが一般的です。ここで齟齬が発覚することがあります。これは、ほんとに時間のムダです。
齟齬を防止するには
『自分が理解していないと他者に説明が出来ない』ことだと思います。
理解したか確認するために、どのような『目的』『何を』『どのように』などと説明させることで齟齬を防止する事が出来ます。
仕事を確実に進めたいのであれば必ず理解しているか時間をとるべきと思います。時間を掛けてでもその場の参加者に向かって改めて説明してもらうことで確認することが出来ます。理解度と確認が一石二鳥で行えます。
まとめ
人によって、価値観、経験値が違うことで理解の違いが生まれます。理解の確認方法として相手の頭の中を見ることは出来ません。従って自分なりの確認方法を身に付けておくべきと思います。特に抽象化したような仕事や業務になればなるほど、齟齬が起きないように配慮することが重要になってきます。