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形容詞を使う職場

これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事をしてきました。
製造業を中心に業務をしてきて気が付いたところを記します。

中小企業では儲かっていない会社にはそれなりの理由があるかと思います。
特に製造業の中には、形容詞で管理職や従業員が業務を行っている場合は、特にその傾向があります。

ここで言う形容詞とは業務上で数字を扱う文化が欠落していることからきています。
よく出てくる形容詞は『長い』『短い』『多い』『少ない』『大きい』『小さい』などです。
こういった形容詞の表現を使っていても誰も不思議に思わない。
お互いの受取り方が、当然まちまちとなり感覚的な対応となる。
従業員の表現方法が、数値化されていないのです。
何か問題が発生しても、何をどのようにすれば良いか判断が出来ない。

データドリブン、もっと言うと、『ファクト』、『数値』、『可視化』などの表現が出来ていない。
結果的に、取引先に説明したり、相談したり決めることが出来ないのです。

数字で伝えれば、1mmは誰でも1mmですね。
数字で伝えれば、受け取る方も間違いなく受け取りが出来ます。
数字で表現すれば誰でも同じ様に再現が出来ることになります。

事例1
第二製造部のXXの生産が遅れいて中間仕掛が多くてラックが足りない。
結果的に第一製造部でラックが無くて投入出来ない問題が発生している。

第一製造部と第二製造部門長が集まり解決策を相談しているが、残業で挽回するとかの話だけで、いつ、どのように解決出来るのか見通しが立っていない。

何故なら
・中間仕掛りは何台あるのか?
・ラックは何台仕掛りになっているのか?
・1日当たり何台生産して何台ラックが空くのか?
・投入には何台ラックが必要なのか?

この様な数字の持ち寄りがされていない。
投入するのに何台のラックが必要なのか?が、分からなければ対処、方法が決められないことになる。したがって、何時までにどの様に解決されていくのか見通しも立てられない。

事例2
A工程が慢性的に遅れが発生している
担当課長に聞いてみると
私:日々の生産量に対して、現在何時間負荷オーバーなのか?
課長:2時間位ですかね
私:それは今日だけなの?
課長:違います。土曜日出勤したので、今日は2時間位です
私:では5日間で何時間負荷オーバーなのか?
課長:多分、1日2時間位なので10時間位になると思います。
私:負荷時間は計算していないの?
課長:していません
私:それでは何時までにどの様に挽回するか計画できないのではないか?
課長:そうですね

これも同じ様に、工程の負荷状況を管理していないのですね。何となく日々の生産をしているだけで遅れてきたら残業するとかの対処しかしていない。

この様な中小企業の特徴
・生産計画: 1週間の負荷と実績を把握していない
・生産: 生産遅延しているがどの工程で何時間遅れているのか不明
・残業計画: 工数からの根拠が不明
・能率管理: 作業者別に能率管理をしていない
・出勤率: 要員計画上計算はしているが、実績との乖離を見ていない
・交代要員: 欠勤者対応など考えていない
・問題発生: 関係者集まるが、データ(数値)の持ち寄りがない
・計画立案と実績管理: 売上予測と、実績集計するだけで分析しない
・予算立案と実績管理: 計画と実績の集計だけ、変化理由、分析は無い

まとめ
基本的なマネジメントをするには数字表現が絶対に必要だし、何が、どの様に、問題があるのか、原因は、対策はどの様にするのか、など関係者で話ができないことになる。日々の対処療法をしているだけで会社として儲からないし、利益を増やすことが出来ない。
儲かっていない、中小企業はこの様な文化で業務をしている。
実際この様な中小企業は、存在しています。
これ、経営者の問題なんですよね。

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