見出し画像

超一人芝居『マクベス』配信。

マクベス01_0

西田シャトナー×保村大和 超一人芝居『マクベス』(2001年作品)が、6/13(土)13時 登紀子チャンネルにて、無料配信されます。
登紀子(アイビス・プラネット)チャンネル
https://www.youtube.com/c/aptokiko?reload=9
(是非チャンネル登録を)

出演:保村大和
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳・演出:西田シャトナー
衣装:斎藤まさみ
舞台装置:橘宣行彫刻ランド
総合プロデュース:登紀子

あとでも見ることできるけど。
配信スタートの時間からの配信では、
僕・西田シャトナーもリアルタイムで見てコメント書き込みに参加しますから、
よかったら是非一緒にいかがですか。

-----------------------------------

西田シャトナー×保村大和 超一人芝居『マクベス』。
上演したのは2001年です。
超一人芝居『Believe』をやったあと、
一緒に劇団をやってきた僕という「友人」の書いた戯曲ではなく、
僕らが芝居を始めた頃にはすでに演劇の大地に横たわっていた戯曲『マクベス』。
それに挑んでいる保村大和を見てみたくなったのです。

大和が生身で挑むのだから、
僕も生身で挑んでみたく、
原書を自分で翻訳することに決めました。
自分でやってみると、すでに世に出ている翻訳について、
翻訳家の方がどれほど工夫をなさっているのかが、
身に沁みたりもしました。
それでも、原書と直接向かいあうことは、
僕と大和にとって、シェイクスピア本人とつきあうことだ、
そんな意味がありました。

シェイクスピアが執筆しながら何と闘っていたのか、
微かながらも肌の内部で感じられるような思いもありました。
裏切りと罪の物語なのだと聞かされていた『マクベス』が、
自分たちで取り組んで見るとどうしても、
純愛の物語に見えてきたりもしたものです。


超一人芝居『Believe』で、照明効果も音響効果もない芝居を試したので、
今作『マクベス』では、一歩だけ進んで、
ほんの少しの音を加えてみる演出を試しています。
風の音と鐘の音、遠雷、扉の音、鼓動。それだけですけれども。
最小限の音が、舞台に何をもたらすのかを、体験しなおしています。

画像2

演出として、舞台には鉄で作られた3つの路が横たわっており、
その路には「墨」を満たした溝が彫られてあります。
マクベスの心に罪が生まれるたび、
演じる大和はその墨を指ですくい、自分の体に塗りつけてゆきます。
演じれば演じるほど、どんどん役者の体を真っ黒にしてゆく墨が、
しかし役者の汗によって流されてゆく。
そんな芝居になりました。

ところで、ウィリアム・シェイクスピアは、織田信長と同じ頃に生きていた人なのです。
1564年、織田信長が30歳くらいの頃にシェイクスピアは生まれ、
1582年、本能寺の変の年に、シェイクスピアは結婚をしています。そろそろ戯曲を書き始めていたかもしれない頃です。
史実の中のマクベスは、そこからさらに500年前の人物なのですけれど。
皆、生きていたんですね。

戯曲が残っていれば、
幾百年の時の隔たりがあっても、直接僕らは会話ができる。
僕らは、書くことによって、演じることによって、
過去を生きることができるし、未来を生きることができる。
そんなことを思いました。

超一人芝居『マクベス』、2001年の上演です。
19年たった今も、皆さんに見てもらうことができる。
僕も一緒に見ることができる。

嬉しいなー、と思っているのです。

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?