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介護保険?医療保険?ややこしい訪問看護

訪問看護ってなに?

看護師が自宅に訪問し、自宅で病気とともに生きるためのお手伝いをするサービスです
訪問看護師が行うことは、健康状態の観察、療養に必要な医療処置、療養生活の相談やアドバイス、リハビリテーション、お薬の管理、緊急時の対応など多岐にわたります
これらを主治医が書いた「訪問看護指示書」に基づいて提供します

訪問看護は国の制度を使います
訪問看護を利用するときに使う制度は2種類
①介護保険
②医療保険

これが訪問看護がややこしい理由です

①訪問看護~介護保険バージョン~

介護保険を使う人は
「介護保険の要支援1~要介護5の認定を持っている人」

介護保険で訪問看護を利用するときは
▶週あたり、1日あたりの訪問回数は自由
▶1回あたりの訪問時間は自由
▶複数の訪問看護ステーションからサービスを受けられる

でも、使い放題とは違います
ひとつ制限となるのが、介護保険の支給限度額です

介護保険には要支援1~要介護5のそれぞれの要介護度に応じて
ひと月当たり利用できる介護サービスの上限額が決まっています
支給限度額を超えて介護サービスを利用すると、全額自己負担になります

そのため、ヘルパーやデイサービスなどの介護サービスで利用したいものを組み合わせて支給限度額内に収まるようにします
支給限度額内にさえ収まれば利用の仕方に制限はない、というのが介護保険制度を利用した訪問看護の特長です。

介護保険で訪問看護を利用する場合はケアマネージャーと相談しましょう

②訪問看護~医療保険バージョン~

医療保険を使う人は
・要介護認定を持っていない人、全年齢対象
・要介護認定を持っていても特定の条件に当てはまる人

医療保険で訪問看護を利用するときは
▶週3回まで
▶1日1回
▶訪問看護ステーションは1か所のみ

介護保険と比べるとかなり制限がありますね
しかし、医療的にこれでは不十分な人もいます
そのための例外となる条件が3つあります

医療保険の例外となる条件3つ

Ⅰ:厚生労働大臣が定める疾患等(別表7)
Ⅱ:特別訪問看護指示書(特指示)
Ⅲ:厚生労働大臣が定める状態(別表8)

上記3つに当てはまる場合
▶週4回以上
▶1日2回以上
▶複数の訪問看護ステーションからサービスが受けれられる
と、医療保険の訪問看護における利用制限がフリーになります

また、Ⅰ:別表7とⅡ:特指示に当てはまる場合
たとえ要介護認定を持っていても、医療保険で訪問看護を利用することになります
別表7と特指示は介護保険→医療保険に、医療保険の制限→フリーに、という最強の例外ルールです

Ⅲ:別表8だけは、元々医療保険の方だけが医療保険の制限がフリーになります
介護保険で訪問看護を利用する人が別表8に当てはまっても関係ありません

特別訪問看護指示書(特指示)とは?

医師が一時的に訪問看護が頻回に必要と判断した場合に記載する書類

特指示を記載できる状態は
・肺炎等の急性感染症、心不全等の急性増悪
・末期の悪性腫瘍以外の疾患の終末期
・退院直後に週4回以上の頻回訪問が必要なとき

特指示の発行は月1回14日間まで
つまり特指示によって、介護保険→医療保険、医療保険の制限→フリー、となるのは期間限定!

ただし、ここでさらに例外の例外ルール
月1回14日間までの特指示が月2回28日間まで発行できる場合が2つ
・気管カニューレを使用している
・真皮を超える褥瘡がある(DESIGN-RのD3以上またはNPUAPのⅢ以上)

医療保険で訪問看護を利用する場合には、直接訪問看護ステーションと訪問回数等について相談します
医療保険なので、費用は医療費です
医療費には自己負担の上限額が定められています

介護保険では支給限度額を超えた分は全額自己負担になりますが、医療保険の場合は自己負担額の上限を超えた分は医療保険で負担となります
大きな違いですね

一般の方向けに制度を説明したい、自分の振り返り用、として資料形式でも作成してみました
よかったら使用してみて、感想いただけたら嬉しいです

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