見出し画像

ドラッグストアのニュースを読み解くvol.2:再来店を促す「魅力」の作り方

顧客を惹きつけ再来店を促す工夫が、ドラッグストア業界における新たな競争力の鍵となりつつあります。2024年10月3日の日本経済新聞によると、ドラッグストア「ゲンキー」を運営するGenky DrugStoresは、価格を超えた満足感を提供する戦略を掲げ、業界の未来を映し出しています。

物価上昇と節約志向が続くなか、ゲンキーはプライベートブランド(PB)の自社生産を強化し、低価格ながらも高品質を実現しています。これにより、単なる「安さ」を超えた満足感を顧客に提供し、再来店の動機を生み出しています。さらに、生鮮食品の取り扱いも、顧客の幅広いニーズに応えるための工夫を凝らしています。

この動きは、ドラッグストアが「安価な商品を売る場所」から脱却し、「ここでしか得られない価値」を提供する必要性を意識していることを示しています。単に価格が安いだけでなく、PB商品に「驚き」や「発見」といった価値を加えることで、消費者の心をつかみ、「また来たい」と感じさせる体験が欠かせません。

さらに、ナショナルブランド(NB)もまた、「流通するだけの商品」から脱却し、売れ筋の展開や売り筋の見極め、育成において重要な役割を担っています。PBが安定した価格と品質で消費者の期待に応える一方で、NBはそのブランド力によって信頼を確立しています。単に人気商品を陳列するだけでなく、消費者ニーズに応じた売り筋の発掘と育成が求められます。

このように、PBとNBの双方に工夫を加えることで、ドラッグストア業界は顧客に多様な選択肢と魅力的な買い物体験を提供し続けることができるでしょう。

ドラッグストア業界の寡占化が進み、大手が市場シェアを握るなかで、いかに「自社ならではの価値」を打ち出すかが各社にとっての課題となっています。経営統合や買収が進行する中で、画一化を避け、独自の購買体験を創出できるかが今後の競争で重要なポイントとなるでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?