魚の陸上養殖のメリットとは?

東大のY所長の話の受け売りですが。
発端は長崎県壱岐島でフグの陸上養殖と太陽光発電と水素(電気分解、発電の双方向利用)と酸素を有機的に組み合わせて運用していることについて私なりの解釈です。
まず、我が国のフグ(魚)の養殖技術は世界トップレベルで、近畿大学はマグロの完全養殖を実現した。海上で大規模に養殖を行うとエサの食べ残しが海洋汚染につながり、魚のエサの確保は別の意味で食糧危機を招き、魚に与える抗生物質が人間に悪影響が出る恐れがある。
壹岐では最初、離島で太陽光発電設備を建設し、エネルギーの自立を目指した。次に発電した電気を有効活用するためにフグの陸上養殖に手を広げた。養殖池の水を循環させる電気が必要なので、発電した電気の蓄電装置も設置した。発電量が需要より多い時は水の電気分解で水素を製造して貯蔵し、少ない時は燃料電池で発電して補うシステムが役に立つ。
水の電気分解装置も、燃料電池システムも技術的には完成に近いが建設費や運用コストは実験室レベルです。理想的には立ち上がり期間は国の補助金をブースターロケットにして勢いをつける運営で対応可能です。然し、私が見聞した限りでは計画性のあるロードマップもなく、雨後の筍のようにアイデアだけが乱立するばかりです。アイデア段階で評価が厳しくて実験段階への移行が遅れ、他国に後れを取る事例が多すぎる。最後は苦し紛れの決断をし、失敗しても適正な評価をサボるので、何度も同じような失敗を繰り返してしまう。
話を変えて、海水に生息する魚(フグも)は浸透圧で体にストレスがかかり、そのため摂取したエサの1/3を消費する。従って、浸透圧の影響をうけないの程度の海水濃度にすれば、魚は大きく育つ。
電気分解で副生する酸素ガスを海中にバブリングさせると新しい水の補給も少なくて済む。オゾン化して吹き込めば滅菌作用も得られる。燃料電池を動かすと発熱するのでこの熱も養殖には好都合です。
このように続けると「風が吹くと桶屋が儲かる」と言う話になるが、変化点を活かす工夫が求められる。
同じ長崎県の五島で行った太陽光発電の場合、島内に電気を活かす方法が思い付かず、本土に電気を送る送電線新設でおしまいになった。

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