IT活用による不動産業の健康経営

株式会社 アスパートナー
代表取締役 井口 忠二 様


当記事は、不動産会社を経営され健康経営に取り組まれている井口社長へのインタビュー記事の2記事目になります。
1記事目を読まれていない方は残業のない不動産会社。その秘訣について直撃からご覧ください。


ー 不動産業界はなぜ残業が多いのでしょう。何か業界特有の課題があるのでしょうか。

井口社長 - 書類が多く、その作業全てをアナログな方法で行っている企業がまだ多くあるためだと思います。
不動産業界は特にそうですが、書類作成業務がたくさんあります。
そして契約書書類の多くに、複数回同じ文言を記載することがあります。例えば、お客様名や住所です。契約書にも書くし、重要事項説明書や個人情報取扱説明書等にも何度も書きます。、
紙ベースで仕事をしていると、これを全て人の手で行わなければいけません。そういったアナログで効率化しにくい作業への業務改革が進んでいない業界なので残業が中々減らないのだと思います。

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ー 会社として1日にしなければいけないことを減らしているわけではないと思います。全員基本16時の定時退社、毎月1回社員の好きな曜日に12時帰社は、どうして実現できるのでしょうか?

井口社長 - 従業員でなければできない仕事だけに集中してもらうようにしているからです。他の方でもできる事務的な作業は、外注したり、自動化したりしています。
単純ですが手順が多く時間のかかる作業であったり、毎回同じようなルーティンワーク作業は日常業務の中で多くあります。1日たった10分程度の業務でも、効率化することで3人の従業員の毎日10分を削減することができれば、1ヶ月に10時間の削減になりますよね。関わる従業員が多い業務ほど、または時間のかかる業務になればなるほど、削減時間は莫大になります。
徹底的に無駄がないかを従業員と話し合い、改善に向けて努力する工夫をするかが重要になってきます。
ー日々の事務的な作業を外注したり自動化するのは、従業員様はとても嬉しいですね。自動化についての詳細をお聞きしてもよろしいですか?
井口社長 - まず、書類はいかにダブル入力のないフォーマットになるように整備しています。
エクセルやワードなどで管理し、式やマクロを活用すれば、同じ内容や関連する項目は、一度入力すれば全ての書類に反映することができますよね。
また弊社はそれだけでなく、RPAという技術を活用しています。


ー『RPA』、初めて聞きました。それはどのようなものなのでしょうか?井口社長 - ロボットによる業務自動化のことですね。

井口社長 - 事務作業をロボットにしてもらうことで業務時間を削減する取り組みです。
当社では契約書等の作成業務につき、RPAを活用しています。
必要な項目を入力してエンターボタンを押せば、複数の書類を自動で作成することができます。重複作業の無駄を省くどころか、作成をロボットに補助してもらうことで業務負担がかなり軽減されました。
他にも不動産の情報収集にも導入しています。多くのホームページへアクセスし検索をかけ、情報収集する業務があります。慣れている人でも数十件の条件をもとにリサーチすると、調査時間で約30分はかかる作業なのですが、今はエンターボタン一つで自動でやってくれて1分もかからず終わります。

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<a href='https://jp.freepik.com/vectors/business'>Vectorpouch - jp.freepik.com によって作成された business ベクトル</a>


ー IT技術が発達し、今は現場に合わせた柔軟なロボットを活用することができるようになったのですね。外注やRPAの導入にはかなりコストがかかるのではないでしょうか。余裕のない企業には導入は難しいのでは?

井口社長 - そうですね。費用はもちろん、どのようなロボットを作成するのか打ち合わせたり、作成したもののテストや修正、使い方の習得など、時間のコストも最初はそれなりにかかってしまいます。
しかし、初期の導入コストはかかっても、良いと思ったものは即決して取り入れるようにしています。弊社の取り入れたRPAは十分な費用対効果がありました。
また、単純作業をロボットにしてもらうことで、従業員は人間にしかできない作業に集中することができます。
人と人をつなぐ仕事で、人と関わる業務が最優先ですので。
書類作成業務などに追われて、本来すべき大切な業務が疎かになってしまうケースもよく見かけます。そういった現場ではぜひ導入していただきたいです。


ー ロボットに仕事を任せるなんて、、といったイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、単純作業をロボットに任せることで、人間にしかできない仕事、人と人が関わる業務に集中できるということは、本当に素晴らしいですね。

井口社長 - RPAのもうひとつのメリットとして作業ミスがないことがあります。ロボットが決められた通りに動いてくれるので、高速にかつ正確に仕事をしてくれるんですよね。
ロボットがミスなく処理してくれるおかげで、チェック時間も削減でき、大切な業務に集中できることで、業務効率も上がります。
こうした技術を積極的に取り入れていることが、全員基本16時の定時退社、毎月1回社員の好きな曜日に12時帰社という制度を継続できている要因のひとつですね。


まとめ

誰でもできる作業は外注したりRPAを活用することで従業員の業務負担を軽減されている。さらにその人にしかできない仕事に集中することで業務効率が向上し、浮いた時間をプライベートの充実のために充てていただく。
前回の記事でもあったように、最適な解決策ソリューションに対して投資を惜しまず、即決して取り入れられている成果なのですね。
次回も、井口社長が実践されてきた健康経営について
具体的に、事例を踏まえて、深掘りしてお伺いしていきます。

本インタビュー記事は下記4部構成となっています。

【目次】
一記事目:残業のない不動産会社。その秘訣について直撃
二記事目:IT活用による不動産業の健康経営
三記事目:常に従業員目線で考える
四記事目:健康経営優良法人認定制度と今後

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