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この現実が、ガバナンス不在の一因ではないでしょうか。

昨日、また豊田自動織機の試験不正ですか。
よく続くものです。。。
2021年、日本では、取締役、執行役員の改革が本格的にはじまったといわれていますが、なにか変ですね。
同年、6月 11日に東京証券取引所から、コーポレートガバナンスコード改訂がされ施行されました。
取締役会に関する改訂ポイントは、次の部分でしょうか。

(1)独立社外取締役の有効活用、取締役会の実効性確保すること
(2)プライム市場の上場会社では、独立社外取締役をの3分の 1以上選任すること
(3)指名委員会、報酬委員会などの各委員の過半数に、独立社外取締役を選任すること

取締役会の実効性をより確実なものとするため、取締役会が備えるべきスキルを特定し、スキル・マトリックスを作成して開示することを求めています。
さらに独立社外取締役が具備すべき要件に、他社での経営経験が追加されています。
現状は、社外取締役バブルのような状況になっているようですが。。。

他方、経営者の立場からみれば、すべてを自分たち(自分)でやりたい、という欲求は限りなく強いのでしょう。
なかなかガバナンスの基本が理解されないところですが、組織は、そもそも目的があってつくられるのですが、企業の目的は、企業が拡大成長し、適正な利益を上げ、社会に貢献することです。
勿論、稼ぐ経営には、その目的のために強力な執行部門が必要となります。
本来は、それらの機能と同様に、執行部門を客観的に監視して、常に適法な経営活動をおこなうことや経営計画をチェックし、企業が決定した目標達成をゆるぎないものとさせ、さらに執行業務の全般を監督する機能が必要です。
このような執行と監督という相互作用で企業の目的が適法、適正に遂行されるというのが、ガバナンスの基本的な考え方です。

日本の経営者には、監督機能を果たすのが取締役会だということが、今だ理解されていないと想像されます。
日本の経営は、監督と執行の区別がない取締役会で長くやってきており、経営者からすると、何で俺が監督されるのか、という意識が強いはずです。
そのため指名委員会等設置会社が極めて不人気です。

指名委員会等設置会社は、 指名委員会・報酬委員会・監査委員会の3つの委員会を設置している会社形態 のことを言います。
指名委員会等設置会社は、この3つの委員会によって会社の経営全体を監督する取締役と業務の執行に関する執行役を分けた組織形態です。
強力な監督機能があります。

平成14年商法改正、2003年4月1日施行により創設された指名委員会等設置会社の数は2023年12月現在で92社(東証全上場会社数3837社の約2.4%)です。
この機能だけで取締役会のすべての課題を解決するわけではないのですが、この数字をみるにつけ、取締役会の改革が永遠の課題のようにみえてくるのは、私だけでしょうか。
また、この現実が、ガバナンス不在の一因ではないでしょうか。

投稿者:nsaccountstaff

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