白鳥が飛来する季節がやってきた
私が住むところから少し離れた場所だが、白鳥が1000羽ほど飛来する。
毎年10月末ごろ第一陣がやってくる。
今年も同じようにやってきてくれるだろうか、と私は気が気でない。
子供を待っている親のような心境だ。
今朝は寒い、もうすぐだ。
私たち夫婦が散歩する途中にある川には、毎年オオバンがやってくる。
だいたい10月ごろだが、今年はまだ飛来していない。
かれらがやってくると秋の深まりを感じる。
毎年、ヒガンバナが咲くタイミングで、かれらをみていたような気がするが、今年はヒガンバナの咲く時期が遅かったのでかれらの飛来も遅れているのだろうか。
少し気になる。
ことしのように暑い日が長く続くと、鳥たちは、来てくれるのだろうか、と心配になる。
冬も温かくなると、かれらはこの地に飛来しなくなるのではないか、と思ったりしてしまう。
ツバメたちも飛来数が少なくなった。
こんな暑い場所よりも、もっと涼しい場所のほうがよいのだろう。
渡りをする鳥たちにとっては、気候は大切な条件だ。
私はオオバンの飛来を待っている。
オオバンたちが来てくれれば、早晩、白鳥たちもやってくるだろう。
そして11月になれば、庭にメジロがやってくる。
私は、鳥のことについてたいして詳しくはないのだが、毎年まじかにみることができる生き物たちがみれないと落ち着かいない。
私の性分だろう。
白鳥は、私が生まれ育った九州ではみたことがなかった鳥だ。
私には、とにかく大きくみえる。
その鳥たちが1000羽も飛来する。
圧巻だ。
飛んでいる姿も優雅でみとれてしまう。
白鳥たちは、思い思いに田んぼのなかにいる。
その姿にも驚いてしまう。
大きいと思っても、彼らの体で約5000㎞を飛行して、この地へやってくることを思うと、そばでみると愛おしく、感動してしまう。
やっと寒くなってきたが、この気温が続いてくれることを願うばかりだ。
白鳥たちと、しばらく会っていない。
今年は、白鳥たちに会いにいってみよう。
かれらの姿を遠くから双眼鏡で眺めているだけでほのぼのとした気持ちになる。
白鳥たちは、今どこを飛んでいるのだろうか。
どこかの中継地で休んでいるのだろうか、と想いをめぐらせるだけでわくわくしてくる。
シベリアから長い旅をしてやってくる。
越冬で飛来した白鳥たちをお世話してくれている人たちがいる。
白鳥たちにえさを与えて、かれらの体力回復をサポートしてくれている。
白鳥たちは、田んぼを寝床に安心してこの地で越冬する。
来年の旅立ちの日まで、ゆっくりと休ませてあげたい。