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葛藤に寄り添う葛藤


「食べることはできるけど声はもう出ない」
「声は出せるけど食事を取ることはもうできない」


 みなさんは今後の人生のどこかでこの2択を迫られたら、どう考えるでしょうか。

 私は耳鼻咽喉科の看護師をしています。頭部から頸部にかけて様々な疾患と向き合っていますが、人間の頭頸部には発声機能、視覚、聴覚、嗅覚、味覚と生きるために必要な機能が密集しています。故に、疾患や治療によって機能を犠牲にしてしまうこともあります。

 冒頭で挙げた質問は、耳鼻咽喉科でみられる疾患の一例として、喉頭癌に罹患した患者が治療する方針を決定する際に遭遇することが多い場面です。
 喉頭癌はその名の通り喉の奥の、声帯付近の喉頭と呼ばれる部分にできる癌です。
 癌の治療については、癌の大きさや年齢、他に持っている疾患など様々な観点から方針が決定されます。
 喉頭癌においては①手術②抗癌剤③放射線治療が主に自分の病院で行われています。
 手術については、手術によって癌が全て切り取ることが可能と判断された場合のみ行われるのですが、その場合声帯も同時に切除することが多いので、冒頭の質問の前者のような状態になります。
 一方、抗癌剤や放射線治療をした場合、声帯を切除しないので声を残すことは可能なことが多いですが、治療による副作用で飲み込む力が落ち、食事を取ることが困難な状況に陥ることがしばしばあります。
 もちろん例外な症例もありますし、詳しく説明するとキリがないのですが、、、。冒頭のような選択肢を提示された患者様は、やはり悩まれます。

「今後の人生は長いし、話せなくても筆談やLINEでなんとかなるから、手術して好きなものを食べて生きたい」
「先は短いから最後まで家族と話せるように、声を残す方を選択したい」
「治療なんてしたくないし、好きなものを食べられるまで食べて自然に任せて最期を迎えたい」

その方によって考え方は様々です。何が正解かなんてありません。
 私たち看護師にとってこのような場面にしばしば遭遇します。私たちができる意思決定支援としては、患者様の人生や生活背景について可能な限り理解し、情報提供することなんじゃないかなって思ってます。
 私たちが患者様と関わる時間は患者様の人生の中でほんの一瞬に過ぎないので、全てを理解できるわけがないと思っていますが、知ろうとすることはできます。「知られたくない、近くにいてほしくない、自分のことは1人で決めたい」という方ももちろんいます。「この方がいいですよ」とは言わないし、その方に合った方法で納得して意思決定できるように寄り添うことが役割なのですが、なかなか難しいもので葛藤の毎日です、、、

 エゴかなーとかも思っちゃうのですが、葛藤もありながらもそういう役割を担えるのががん看護の良いところかなって思うので、モチベーションとして看護師を続けていこうと思ってます。
まだまだ看護師4年目のひよっこなので、今後も悩みながら成長したいものですね。元々勉強嫌いなのでより一層頑張ります。。。

まだまだ文章が拙いな、、
読みづらくてすいません。

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