コーチに必要な考えや知識
1,「Teaching」と「Coaching」の違いについて。
「Teaching(伝える)」
・知識やスキルを伝えること
・体系的で構造化された方法
・一方向的な情報の伝達
など、知識やスキルを直接的に教えることに重点を置き、定められたカリキュラムや教材に基づいて行われることが多い。
具体的な例としては、練習メニューを伝えて練習すること、フットワークやラケットワークの具体的な動きを、伝えることなどが挙げられ、受け手はコーチ・監督からのフィードバックを受け取り、自分の間違いを訂正しながら学ぶ。
「Coaching(引き出す)」
・個々の目標やニーズに応じた指導を行う
・自己発見や自己成長を促すサポートが主体
・双方向のコミュニケーションとフィードバック
個人の成長と自己発見を促進することを目的とし、指導者と被指導者の間の双方向的なコミュニケーションが鍵となる。
具体的な例としては、コーチが個別に選手を観察し、パフォーマンスを高めるためにアドバイスする。技術や戦術について、選手が自ら改善点を見つける手助けをするため、選手にフィードバックし、自分の弱点を克服する。
また、キャリアの考え方についてもコーチングは効果的で、目標を具体化にむけ、質問を通じて選手が自分の価値観や目標を明確にし、それに基づいた行動計画を作成し、具体的なアクションを起こす。
「所感」
両社とも学びや成長のプロセスには欠かせない要素であり、目的や場面に応じて使い分けるとより効果的になる。技術などの上達も重要ですが、なによりも本人のやる気を出させるのがコーチの役割であり、大きな意味がある。成果= 熱意(1~100)× 能力(1~100)× 考え方(▲100~100)
上記は、考え方がプラスになることの重要性を示した落合様の方程式で、選手もコーチ側も熱意をもって能力を最大化に向けて、プラス思考を継続すること大変重要であるとを示している。
あわせて、指摘するタイミングは重要だ。極論は重要な大会で失敗しないことが最も大事なことであって、日々のちょっとしたミスはそこまで大事ではない。適宜細かく指摘することによって、本人のやる気が失せてしまう可能性もあるなど、タイミングや頻度については十分に考慮・配慮する必要がある。
コーチをすることとはどういうことか?本来の目的は何か?何が一番重要なのか?について常に忘れないようにしたい。
2,「Rice」について
「RICE処置」は、スポーツや日常生活で負った急性の筋骨格系のケガ、捻挫や打撲などの治療に用いられる応急処置法の一つで、以下の4つの手順で構成されている。
Rest(安静)ケガをした部位を使わないように、活動を制限し、さらなる損傷や悪化を防ぎ、治癒を促進します。
Ice(冷却) 氷や冷却パックを使ってケガをした部位の炎症や腫れを抑え、痛みを軽減するために冷やします。通常は20分間冷やし、その後20分休めるというサイクルで行います。
Compression(圧迫)包帯や圧迫バンデージを使って患部を圧迫し、腫れを抑え、内出血を防ぎます。ただし、圧迫がきつすぎると血流が阻害されるため、適度な圧力を保つことが重要です。
Elevation(挙上)ケガをした部位を心臓よりも高い位置に上げます。これにより、重力を利用してリンパ液や血液の流れを改善し、腫れを減らします。
足首を捻挫した時、まずは足首を動かさないようにし、できるだけ負担をかけないように心掛け、氷や冷却パックを、捻挫した足首に20分間当てることを一日に数回行う。同時に、弾性包帯や圧迫バンデージを使って足首を包み、適度な圧力をかけるようにすること、横になって足首を枕やクッションに乗せて、心臓よりも高い位置に保つなどをすると早めに痛みが和らぎ回復が早くなる可能性が高くなる。
「所感」
適切な対処法を知っておくことで、回復が早くなるのみならず、捻挫の癖がつかないようになるなどの副次的な効果・対処にも繋がったように思う。対処方法を学ぶのみならず、実践できることはコーチとして重要なことだと感じる。
3,「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」の違いについて。
「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」は、柔軟性の向上や、筋肉の緊張をほぐすためのストレッチ法で、方法・目的は以下の通り違いがある。
「静的ストレッチ (Static Stretching)」
・特定の筋肉や筋群を伸ばした状態で一定期間(通常15〜60秒程度)保持。
・徐々にストレッチを深め、痛みを感じる手前で止めるのが一般的です。
・動作はゆっくりと行い、反動や動きを伴わないようにします。
⇒目的
・筋肉の柔軟性の向上
・筋肉や関節の可動域を広げる
・リラクゼーション効果
など運動後のクールダウン時に運動後に筋肉をほぐしリラックスに繋がる。また、就寝前のストレッチはリラクゼーション効果があり、最適なタイミングである。
「動的ストレッチ (Dynamic Stretching)」
・筋肉や関節を動かしながら、可動域を広げていくストレッチ。
・反動や勢いを利用しないように注意しつつ、適度なスピードで行います。
・スポーツや運動に関連する動作を含むことが多い。
⇒目的
・筋肉を温め、心拍数を上げる
・筋肉や関節の可動域を広げ、運動前の準備を行う
・パフォーマンスの向上とケガの予防
運動前のウォームアップ時に筋肉を温め、可動域を広げ、体を動きやすい状態にする。
「所感」
静的ストレッチは筋肉を静止した状態で伸ばし、そのまま一定時間保持する方法で、主に運動後やリラックスしたいときに適している。
動的ストレッチは体を動かしながら行うストレッチで、主に運動前のウォームアップとして用いられ、筋肉を温め、可動域を広げる目的で行われる。
どちらの方法も適切に取り入れることで、より効果的な柔軟性向上や運動パフォーマンスの向上が期待できる。
4,小学生期・中学生期・高校生期の時期に必要な練習は。(スカモンの発育曲線の発育時期に沿って)
スカモンの発育発達曲線(Scammon's Curves)は、身体の発育を4つの主要な系統(一般系、生殖系、リンパ系、神経系)に分け、それぞれの発達の違いを示している。これに基づいた、小学生期、中学生期、高校生期に必要な練習を説明する。
「小学生期(6歳~12歳)」
主に「神経系」が急速に成長します。運動神経の発達が著しいため、運動の基本パターンを習得するのに適している。
・基礎的な運動技能(走る、跳ぶ、投げるなど)の習得を重視する。
・遊びを通じたトレーニング、例えばゲームや遊びを取り入れた練習モチベーションを維
持しながら体を動かす。
・多様なスポーツの経験。さまざまなスポーツに参加し、多角的な運動技能を習得。特定
のスポーツに絞らず、幅広い運動経験を積むことが重要。
・柔軟運動やバランス運動(ストレッチやヨガなど)を通じて身体の柔軟性を高める。
「中学生期(12歳~15歳)」
「一般系」の成長が著しくなり、身長・体重が急速に増加する。また「生殖系」も徐々に発達する。体力の増強と共に、男女ともに第二次性徴が現れ、身体的変化が顕著になるため、様々な練習が可能となる。
・持久力トレーニング(一般系の成長に伴い、持久力を高める。有酸素運動など)
・基礎体力の強化に向けて、筋力トレーニングや基礎体力を強化する運動
(サーキットトレーニング)を取り入れる。
ただし、過度なウェイトトレーニングは避け、成長板への負担を考慮する。
・技術の向上に向け、専門的な技術や戦術の習得に集中し、スキルを深化。
・精神的成長のサポートの配慮。急激な身体の変化に伴い、自己認識やメンタルヘルスのサポートも重要。グループ活動やコミュニケーションの強化を図る。
「高校生期(15歳~18歳)」
「生殖系」が本格的に成長し、身体的に成熟する。「一般系」も成長の最終段階に向かい、体力や筋肉量の増加が顕著になり、様々なトレーニングが可能となる。
・高度な技術と戦術の習得に向け、専門的なスキルトレーニングや戦術練習を通じて、
競技力を高める。
・筋力とパワーの強化に向け、ウェイトトレーニングやプライオメトリクストレーニングを導入し、筋力やパワーを強化する。ただし、適切な指導のもとで行うことが重要。
・競技の特性に応じた持久力トレーニングを行い、試合や大会に向けたコンディションを整える。
・メンタルトレーニング: 試合でのパフォーマンス向上を目指し、集中力や精神力の強
化を図るメンタルトレーニングを取り入れる。
・リカバリーとケア: 高い練習負荷に伴う身体のケア(ストレッチ、マッサージ、適切な栄養摂取など)を行い、怪我の予防と回復を促進します。
「所感」
スキャモンの発育発達曲線を参考にそれぞれの成長段階に応じたトレーニング法を導入することで、効果的な練習プログラムを設計できます。それぞれの時期に合ったトレーニングをバランスよく取り入れることが、健康でパフォーマンスの高い身体を育む鍵となります。
5,「スポーツマン」と「スポーツマンシップ」について。
「スポーツマン」と「スポーツマンシップ」は、スポーツに関連する重要な概念であり、それぞれ異なる意味を持っています。以下で詳しく説明します。
スポーツマン(Sportsman)
定義:スポーツマンとは、スポーツに従事する人や、スポーツを積極的に楽しむ人のことを指します。性別に関係なく、スポーツに取り組む全ての人々を含む言葉です。
特性:技術と体力: 高い運動能力や技術、体力を持っていることが期待されます。
競技志向: 試合や大会に参加し、自分自身の限界を挑戦し続けるモチベーションがあります。
健康志向: 日々の健康管理や体調の維持に気を使い、バランスの取れた生活を心がけます。
例:プロフェッショナルアスリート(プロ野球選手、サッカー選手、オリンピック競技者など)。
アマチュアスポーツ愛好者(ジョギング、サイクリング、地域のスポーツクラブに参加する人など)。
スポーツマンシップ(Sportsmanship)
定義:
スポーツマンシップは、スポーツを行う際の倫理やフェアプレーの精神を表します。スポーツを通じて育まれる人間としての尊厳や誠実さ、他者への敬意などが重要な要素です。
基本的な要素:
フェアプレー: ルールを守り、公正な競争を重視する姿勢。
リスペクト: 対戦相手や審判、チームメイト、観客に対する敬意を示すこと。
謙虚さ: 勝っても驕らず、負けても潔く相手を称える態度。
誠実さ: 誤りや失敗を認め、正直に行動すること。
協力と友情: チームワークを重んじ、他者と協力する姿勢。
発揮の場面:
試合の結果に関係なく: 勝敗に関わらず、相手チームに対して尊敬の念を持ち、握手をしたりエールを送ったりする。
審判の判定に従う: 理不尽に思える判定にも敬意を払い、その決定に従う。
競技の場外でも: 競技場外でも、練習や日常生活の中で誠実で思いやりのある態度を持ち続ける。
まとめ
スポーツマンとは、スポーツに積極的に取り組む人々を指し、その中にはプロフェッショナルアスリートからアマチュア愛好者まで幅広く含まれます。
スポーツマンシップとは、スポーツを通じて発揮される倫理的な態度や行動、フェアプレーの精神を指します。
スポーツマンがスポーツという競技や活動を通じて、高い技術や体力を追求する一方で、スポーツマンシップはその過程での振る舞いや他者への態度に深く関わります。両者は密接に関連し、スポーツをより豊かで意義深いものにします。
ご参考までにご高覧ください。
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