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リンパ管静脈吻合手術(LVA)を受けてみた 前編

リンパ浮腫に悩み、リンパ管静脈吻合手術(LVA)を受けてみました。
リンパ浮腫とは、ざっくり言うとリンパ液の流れが悪くリンパ管からリンパ液が漏出し、体がむくむこと。
リンパ浮腫の完治は困難で、LVAとはリンパ浮腫の症状改善を目的に、リンパ管と静脈を繋ぐ手術のこと。
先日無事にこの手術を受けることができたので、手術に至るまでの経緯などなど残しておきたいと思います。

事の起こり

私は2015年にがんが見つかり、子宮周辺の諸々を摘出していて、骨盤内のリンパ節も同時に切除している。
その後はまあまあ安穏と暮らしていたのに、2020年の夏、突如として発現した左下肢の浮腫によって私の日常に制限が生じるようになってしまった。
ご存知のお方には言わずもがな、リンパ浮腫のむくみは「ちょっとむくんだな〜」なんてもんじゃない。私の場合はえ?なにこれ私の甲膨らんできた…え、足首消えたんだけど??というのがスタート。
当初は「疲れかな、暫くしたら戻るかな」とのんきに構えていたものの事態は悪化するばかりで、やがて脚が怠い、痛い、皮膚は突っ張り押しても凹まない…という状態になった。
次第に足首が思うように動かず履ける靴は制限され、常にマキシ丈のスカートを身につける生活に。

2020年夏の足の様子 この見た目になったことがとても辛く、敢えて粗くぼやかした状態の画質で記録を残した

2020年秋にはLVAというものの存在を知り、リンパ浮腫外来にかかるという頭もなかったわけではないけれど、世の中的に不要不急の外出はするなかれ、緊急性もなく病院に行くなかれという風潮の中、受診そのものをなかなか思い切ることが出来なかった。
そもそも通院し易い立地でLVAを受けられるクリニックが見つからない。
それに手術ってことは入院して勤務に影響出るのかな、今の仕事の流れ的にうまく日程組めるかな、
諸々ぐるぐる考えを巡らせ、条件を満たせばな…という思いのまま時間が経過していった。

いろいろが落ち着いてきたある日、発症当時には無かったクリニックを見つける

先出の2020年の状態(上)と2021年夏の状態(下)
自己流の対処で足首の浮腫がやや改善している
この姿勢で撮っているのは脚を上げると楽だから

決しておすすめはしないけれど自己流の対処法で日々をやり過ごし、野生のリンパ浮腫患者とも言うべき外来未受診の状態で、2度目の夏を迎えた2022年のある日。
そういえば世の中的に随分外に出られる雰囲気になったし、私自身の仕事もちょっと時間的余裕が出てきたし…これはもしかしてタイミングでは?という気持ちになってきた。

改めて検索すると勤務先からほんのちょっと足を伸ばした場所にあってLVAを日帰りで施してくれるクリニックが2021年に開業していた!あるじゃないか…!
私はすぐに予約の電話を入れた。

初診では医師や療法士の方から「今までどうしてたんですか」と言われながらエコー検査でリンパ管の状態を確認した。
手術を希望してもすぐにしてもらえるわけではなく、LVAに対して効果が得られそうな状態かどうかを見極めてもらう必要がある。リンパドレナージを受けたり弾性着衣を選定したりで2度ほど通院した上でLVAの適性有り、との判断がおりた。 
なお日帰りで済むとはいえ、術後は可能な限り数日安静に過ごすことを勧められる。私はこれ幸いとしっかり休むことに決めた。
勤務先には弾性着衣の保険申請や高額医療費の限度額適用認定証の発行手続きの他、休みを取るため仕事の調整を行った。この辺りの話も別途書きたい。

いよいよ手術…造影剤の注射が痛いらしい

LVAを日帰りで受けるか入院で受けるか、その大きな違いは局所麻酔なのか全身麻酔なのか、とのことだった。
局所麻酔と全身麻酔とで、手術中の意識の有無以外の違いは施術箇所の数。
局所だと多くても3箇所程度、経過を見て再度手術をして吻合箇所を増やす人もいるんだとか。

手術の流れは、造影剤としてインドシアニングリーン(ICG)を足先に注射しリンパ液の流れや滞っている場所を確認した上で、手術箇所を決定し切開、吻合するというもの。なお、ICG注射はヨードアレルギーの人は適合していません。
今回の所要時間は諸々合わせて3時間程度の予定。

手術日当日、ICG注射がたいそう痛いので...ということで事前に受け取っていたシール状の麻酔薬を手術開始の2時間前までに貼る。
これが片足につき4箇所、流れを確認する為に両足ともプスプス刺さないといけないらしい。
剥がれやすいと忠告を受けたので8箇所の上からテープで固定。

麻酔用のベンレステープは四分の一にカットして使った
切り取り線が入っていて手でカットできる優肌絆(好き)

さあ準備はできた!簡単!
やや緊張しながらも、保険証、限度額適用認定証、クレジットカードなどなど…忘れ物の無いようしっかり確認して、いざ、クリニックへ。次回記事へ続きます!

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