政府が示した『2030年のメタバース観』納得の理由
2023年5月、総務省がパブリックコメントで「2030 年頃を見据えた情報通信政策の在り方」に関する意見を募集していました。
「2030 年頃を見据えた情報通信政策の在り方」 部会報告書(原案)
この報告書からは、AI・メタバース・Web3等世界的にも注目を集めてる要素を日本でどう扱うかについて民間や官僚の間を隔てずに本気で考え、政府にも取り込もうとしていることが強く伺えます。
特にAIに関心が強く、政府としての関わり方やどう取り入れていくようにするか、分からないながらも模索しているような現状を感じます。
政府が示した『2030年のメタバース観』
かなり解像度が高く、現在の延長線上となる使用方法を想定しているのが伝わります。
このような素晴らしい報告書案ですが、憶測、仮定が多く含まれていることも事実であり、説明不足な部分や分かりずらい場所などもありました。今回はメタバース関係の記述のみ拾い上げます。
「メタバースは、現時点で定義が確立されていないもの」、とある通り多種多様な定義が存在しますが、日本バーチャルリアリティ学会が定める定義や、バーチャル美少女ねむ氏が提唱する定義等が主流になっていくことが望ましいと考えられます。
しかしこのような定義はまだ一般的に周知されておらず、自称専門家などが自分の都合のいいように定義を広めている状態となってしまっています。まずはそういった状況を政府として変えていかないことには、今後もこういった曖昧な状況が続いてしまうと思われます。
その中の「メタバースは黎明期であり、国際的にも共通する概念や定義がない」という文があるのですが、国際的にも概念や定義が無いという事は無く、各種学会が定義を提唱しています。定義の問題こそ、日本がイニシアティブを持って取り組んでいくべき部分ではないでしょうか?
AI Web3 メタバース といった必ずしも同一分野ではない知識を網羅し、専門性の高い分野についても取り組んでいく姿勢が強く見えました。
一方で文面からは苦戦している様子も伝わってきます。新しい技術がひっきりなしに出てくると検討の余地もなく導入されて失敗してしまう可能性があり、慎重に検討を進めているようです。
今後、技術が進歩していく中で、AIによるフェイクニュースやメタバース関係での犯罪が大きくなっていくことも十分考えられます。技術としては二つともとても素晴らしいものなのに、悪用されてばかりでその素晴らしさが伝わる前に悪者扱いや犯罪の温床として認識されてしまうのはとても残念です。特にメタバースはニュースになったように児童ポルノとして使われてしまったことを考えると、今後もメタバース空間特有の、犯罪や被害、出会いなど規制などが進む可能性が大きく考えられます、行き過ぎ規制にならないようにある程度の周知を徹底して自己防衛ができるようにしつつ楽しめるようにすることがもっとも重要だと思います。
「知らない人とSNSをしない」という教育から「何がだめで何がいいか」を正常に判断できる教育や、大人と相談して使っていける環境を整備するなど、切り離すのではなく、共存してうまく付き合う方法を探していかないといけないと思います。
AIもメタバースも今後どんどん発展していくことを考えると著者としてもワクワクが止まりません。気軽に人と会えて、実際には行えないようなシュミレーションを気軽に楽しみ、AIの協力で色々な複雑なシステムが組みあがりそれをみんなで使える、何かしらの事情で部屋から出られない人でも誰かと会える、景色が見れる、そんな風に人と人がつながっていくようなメタバースになったり、人を全力で支えてくれるAIになってくれるといいと思います。
著者:練り物ちくわ
校正:SUKANEKI
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