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経済成長は本当に人を幸せにするのか

「経済成長は本当に人を幸せにするのか」をテーマにしたイベントがあった。経済成長至上主義でいいのか、経済と暮らしのあり方を問う必要があるという内容だった。

豊かな暮らしを問う

日本は資源が少ない国だ。資源の少ない日本では、海外から多くの資源を輸入している。いまと同じような生活を続けていくには、石油は必要不可欠。そのために石油がなくなるリスクを避ける必要がある。

イラク戦争のとき、自衛隊が送り込まれた。派遣にはさまざまな理由があるが、石油と天然ガスの利権に参入するためにアメリカとイラクに同調する必要があったとも言われた。安保法制も、石油を安定的に確保するために、ひいては日本人の豊かな暮らしを守るために、必要な法だと。

全ては経済のためにと、経済が宗教になっている。ありとあらゆることが経済にプラスかどうかという判断基準」。経済にプラスになれば、暮らしの豊かさのためには、戦争を選択しても、自衛隊を派遣してもいいのだろうか。

カンボジアでは、国の実施する農民の土地収奪が深刻化している。経済活動促進や、外貨獲得のためだとしているが、現実には農民の総収入は、8年前と比較して2.7倍にも拡大しても、格差はそれにも増して広がった。GDPでは成長しているが、富の偏在、貧富の格差は広がっている。

今こそ、一人ひとりが自らの暮らしを見直すことが求められている。

成長の限界、経済成長から抜け出すには

経済成長は必要だとしても、このまま続けていくことはできないことは誰もが分かっていること。人口増加が続く中で、水・土地・森林・化石燃料は枯渇していて、地球温暖化も手に負えない状況になっている。世界中が、経済成長を求め続けるかぎり、どんなに魚が小さくなっていても、最後の一匹まで取り続けなくてはいけなくなる。

では、どれくらいのレベルが適度な生活と言えるか。『成長の限界』という本では、持続可能となる将来のシナリオに、「世界中で子供の数を2人に制限」して人口を抑えること、それから、「世界中の一人あたりGDPを世界全体の10%高いくらい」にすれば可能だとしている。貧しさに苦しんでいる地域は、もう少し経済成長をして、豊かすぎる暮らしをしているところは、暮らしのレベルを下げる。

キーワードは「地域循環」

「なにをもって自分の生き方として、それでよしとするか。支出を少なくすることで、豊かなものが入ってくる。経済成長の名のもとに、無駄なお金を使っている。大量消費のものは買わなければ、小さい営みが可能になる」

大事なキーワードは「地域循環」。土地の資源や農作物、労働力、そして知恵を、地域のなかでどうやって循環させて、豊かになっていくのかが、これからの課題だ。

地域が自分たちの資源を持つことで初めて、地域同士のネットワークも実現する。大きくなくて良い。一つひとつが等身大で、一つひとつが中心となればいい。一つひとつで解決できないときはネットワークを作ればいい。




」と、現代の暮らしの問題をあげた。高坂さんは、この課題と向き合い、成長しない店をコンセプトに、2004年から「Organic BarたまにはTSUKIでも眺めましょ」を営んでいる。

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